「各国で国より人権の流れ」

 

デブリ搬出 大きな壁 第1原発2号機 廃炉作業
  ロボットアーム使用不可の恐れ

 

福島第一原発事故の対応費用、1.9兆円上振れで23.4兆円
  当初見込みは6兆円、電気代による国民負担が長引く恐れ

 

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福島第一原発事故の対応費用、1.9兆円上振れで23.4兆円
  当初見込みは6兆円、電気代による国民負担が長引く恐れ


 東京電力福島第一原発事故に伴う賠償や除染などの対応費用が総額で23兆4千億円と、従来想定した21兆5千億円から1兆9千億円上振れすることが12月15日分かった。
 原発周辺からの避難者や処理水の海洋放出に伴う風評被害への賠償が膨らむためで、電気料金を通じた家計や企業の負担が長期化する恐れが
ある。
 政府は上振れ分の内訳として、2022年12月に被災者への賠償基準を見直して対象を拡充したことによる影響が5千億円、住宅賠償の上振れが5千億円、処理水関連の賠償が3千億円、除染物の中間貯蔵で6千億円と想定。
 賠償支払いが滞らないよう、東電に対する資金援助の枠を現状の13兆5千億円から15兆4千億円へと増額する方針で、必要な措置を2024年度予算案に盛り込む。 (中略)
 政府による東電への援助額は現時点で13兆円に達する。(後略)
       (12月16日「新潟日報」デジタルプラスより抜粋)

https://www.47news.jp/10274060.html 


 ◆デブリ搬出 大きな壁 第1原発2号機 廃炉作業
  ロボットアーム使用不可の恐れ


 東京電力は福島第一原発廃炉作業の最難関とされる溶融核燃料(デブリ)の取り出しで大きな壁に突き当たっている。
 2号機の原子炉格納容器で取り出し装置の挿入口となる貫通部に多量の堆積物があり、専用に開発したロボットアームが使用できない可能性があるためだ。
 堆積物が想定以上に固着していることも予想され、他の方法も検討している。
 専門家はカメラで内部を調べられるロボットアームは取り出しの鍵を握る装置で、手始めとなる2号機で使えるかが今後の作業を左右すると指摘する。

・「めど立たず」

 「デブリ取り出しのめどが立っていない。炉内の状況も分かっていない」。内堀雅雄知事は17日、就任後初めて来県した斎藤健経済産業相に苦言を呈した。 (中略)

・取り出し延期の可能性

 ロボットアームが使えない場合、アームより細い伸縮式パイプの使用を検討しているが、専門家からは「調査範囲は限定的」との見方が出ている。実際に使うには原子力規制委員会の認可を得る必要があり、今年度内に予定していた取り出し開始時期が遅れる可能性がある。(後略)
               (12月18日「福島民報」より抜粋)

https://www.47news.jp/10278413.html 


 ◆「各国で国より人権の流れ」
  韓国元慰安婦訴訟 日本「主権免除」認めず
  韓国対日本でなく よりよい未来模索


 韓国のソウル高裁が旧日本軍の元慰安婦らへの賠償を日本政府に命じた11月23日の判決は、日本政府が上告せず今月9日に確定した。国家は他国の裁判権に服さないとする「主権免除」を主張する日本政府が賠償に応じる見込みがない中、原告側は訴訟にどんな意義があると考えているのか。代理人の李相姫弁護士に聞いた。(聞き手=ソウル・木下大資)

◎ 賠償命令には被害を回復させるという象徴性があり、金銭的な賠償はその一部にすぎない。国際人権の観点からは、(被害があったという)事実認定や謝罪も重要だ。強制執行の可否にだけ注目して判決の意義を低くみてほしくない。(中略)
 国際司法の流れは明らかに人権重視に向かっていて、主権免除の法理をどう克服するかに関する多様な議論や判例、立法が形成されている。
その過程で、今回の判決が出たと見ればいい。
 ここ数年、各国で主権免除を認めない判決が多く出ている。(中略)
 各国の慣行が積み重なり、「戦争はいけない。被害者の人権が大切だ」というメッセージが伝わると考える。(中略)

◎-判決は日本の植民地支配が不法だったという判断を前提としている。
 強制動員被害者(徴用工)を巡る12年の最高裁判決で、植民地支配の不法性を前提にした判断が出ている。この点について、韓国の司法は今後も立場を変更できないと考えるべきだ。(中略)
 慰安婦問題は「韓国対日本」の構図で見るのではなく、国際社会が一緒に動かなければならない。日本政府もいずれ、(対応に)問題があると認識する時期が来ると思う。(後略)
                     (12月17日「東京新聞」朝刊3面より抜粋)