石川一雄さんと紗智子さんご夫妻に初めてお会いしたのは2008年10月、
国連高等弁務官事務所で行われた自由権規約第5回日本政府報告書審査前の委員のみなさんへのランチタイムブリーフィングで、「検察が隠している証拠は、積み上げれば●メートルになる」
あれからもう15年もの歳月、
12月10日、世界人権宣言75周年を務会えるというのに、検察は、石川さんの無罪を証明する証拠を隠し続けている。
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毎日新聞 2023/12/3 11:18
夫の無実信じて60年 「差別が生んだ冤罪」再審叫び続け 狭山事件

石川早智子さん=埼玉県狭山市内の復元された石川さんの旧宅で2023年11月28日、隈元浩彦撮影
埼玉県狭山市で1963年5月に女子高校生が殺害された「狭山事件」から60年。罪に問われた石川一雄さんは「被差別部落への差別が生んだ冤罪(えんざい)事件」と訴え、再審を求めている。第3次請求は18年目を迎える中、その行方はいまだ見通せない。年明け1月には85歳を迎える。募る焦燥感……。そばで支えてきた妻の早智子さん(76)は悲痛な声を上げる。「司法は夫の死を待っているのか」と。【隈元浩彦】
――一雄さんの様子はいかがですか。
◆しんどい。精神的にも体力的にも。見ていてつらくなるほど。週に2~3回、3万歩のウオーキングを自身に課していますが、ここ数年は目的が変わってしまった。前は健康。持病の運動療法のため。今は違う。自分を試すように痛めつけているというか……。2万5000歩で苦しくなる。84歳ですから当然です。そんな時、自分の頭をたたいてしかるんです。「こんなんで裁判に勝てるのか」と。ここまで彼を追い込んでいるものを憎みます。
――司法に対してですね。
◆(うなずく)

支援を訴える石川一雄さんと早智子さん=東京・日比谷野外音楽堂で2023年10月31日、隈元浩彦撮影
――東京高裁に第3次となる再審請求を申し立てたのは2006年5月。再審開始の見通しすら立たず長期化しています。
◆今の裁判長で9人目です。現裁判長も12月で定年を迎える。裁判官、検察官は時期が来れば交代するけど、本人は変わりようがない。どんどん年だけを重ねていく。はっきり言って、死ぬのを待っているのかと……。いたたまれないです。