「国立大学法人法」は、日本国憲法と国際人権規約違反の国家犯罪によって国公立大学職員から憲法擁護義務を外し、大学の民営化を強行した憲法と同第98条違反の法律であり、「国立大学法人法改正案」違かかわっている国会議員と大臣・国家公務員らは全員、憲法第99条違反です。

 

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国立大学法人法改正案に教職員、学生らから怒りの声 「学問の自由」を殺すな

「瀕死の大学自治にとどめを刺す」と、国立大学法人法改正案の廃案を求め大学教員らが緊急会見を開いた=11月7日、朝日新聞社撮影

 

 国立大学をめぐる「第二の学術会議問題」と呼ばれる、法改正案が国会で審議中だ。「学問の自由の危機」「大学自治への死刑宣告」と教員や学生らから怒りの声が上がる。 「心からのお願いです。皆様、憲法第23条の『学問の自由』の守護者になってください」  隠岐さや香・東京大教授(科学史)は衆議院の参考人質疑でそう訴えた。  現在、「第二の日本学術会議問題」「大学の自治への死刑宣告」と呼ばれる、国立大学法人法の改正案が国会で審議中だ。衆議院を通過し、参議院での本格的な討議に入る。 文科相が委員を承認  改正案は、東京大や京都大など、一定以上の規模の国立大学5法人に、強い権限を持つ合議体「運営方針会議」の設置を義務づけるもの。  合議体は学長と学外の有識者も想定した3人以上の委員で構成され、文部科学相が承認し学長が任命する。大学の中期目標や計画、予算や決算の決定を行い、それに基づいた運営でない場合、学長に改善を要求できる。さらに学長選考に関して意見を述べることも可能だ。  前出の隠岐教授は「非常に危険な法改正」と話す。 「特に危険なのが『強力なトップダウン+委員は文科相の承認が必要』の部分です。国が大学運営に介入することを可能にし、『学問の自由』が危ぶまれます。盛山正仁文科相は委員の承認について、政府と主義主張が異なる人物だったとしても、明らかに不適切な場合などを除き『拒否できない』と国会で答弁しましたが、学術会議の前例があります。日本は国際的な『学問の自由度指数』で下位30%台と現状でもけっして良くありません」  2004年の国立大学法人化以降、国はトップダウン型のガバナンス改革を一貫して大学に要求してきた。 「スタンフォード大など米大学をまねようとしているのだと思います。しかし、米大学はトップダウン型である一方、ボトムアップの仕組みもきちんと確立されています。これに対し、日本は一連の大学改革でボトムアップの仕組みを無効化させてきました。改正案が通ったら、大学は『ブレーキを欠いた車』になってしまいます」(隠岐教授)

 

軍事研究の狙いも 

 

 国は大学に「選択と集中」によるイノベーションを求め、「稼げる大学」になるよう促してきたことも、法改正の背景にある。本田由紀・東京大教授(教育社会学)はこう憤る。 「政界では与党の支持率はダダ下がり。経済界も30年間低迷を続けている。そんなグダグダな人たちが法改正で大学に介入し、『この研究は稼げる』『あれは稼げない』と選別することになったら取り返しのつかないことになります」  大学には非常に多様な研究があり、一見「稼げない」ように見える基礎研究や地域研究なども重要な役割を担っている。 「学外の委員の中には、所属する組織の利益を近視眼的に追い求める人が出てくる可能性もある。そうしたら、大学が営々と築いてきた、公共財である『知の土台』は壊され、取り戻すのは容易なことではありません」  合議体の設置はもともと、東北大が候補として決定した、10兆円規模の大学ファンドの支援を受ける「国際卓越研究大学」が対象とされていた。それが一方的に拡大された形で、将来的には私大にも及ぶと見られている。

 

  京都大の駒込武教授(教育史)は「法改正の根拠に整合性がない」と批判する。「突然閣議決定され、国会でスピード可決を図ろうとした点も不審。これほど強引に推し進めるのは、軍事研究に消極的な旧帝大を法改正で組み込ませたい狙いがあるのではと思わざるをえません」

 

  学生も声を上げ始めた。

東北大4年の山下森人さんは言う。

 

 「僕は文学部で、学びたい研究があったのですが、指導者のポストがなくなり学べなかった。こうしたことは複数起きていて、さらに悪化しないか心配です」

 

  改正案には、大学の土地の貸し付けの緩和も盛り込まれている。「稼ぐ」ことが優先され、学生のサークルスペースや福利厚生施設がつぶされていくことも懸念されている。

 

  山下さんは訴える。 「学生にこれほど影響を与える法改正なのに、学生は置き去りにされています。国は大学を道具のように扱わないでほしい。私物化するな、と言いたい」(フリー記者 石田かおる)