東京高裁門前で原告と支援者のみなさん、法廷前の廊下にはお孫さんも…
差し戻し審の東京地裁では、日本国憲法第98条・世界人権宣言を敷衍化し法律化した国際人権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約:自由権規約、経済的社会的及び自由権規約:社会権規約等人権条約を活用し、道理と希望ある判決を!
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朝日新聞
北朝鮮帰国事業訴訟、東京高裁「日本に管轄権」 審理を差し戻し
笑顔で判決文を掲げる原告や弁護士、支援者ら=2023年10月30日午後2時25分、東京都千代田区の東京高裁前、北野隆一撮影
「地上の楽園」などと宣伝された北朝鮮帰国事業で移住し、人権が抑圧された過酷な生活を強いられたとして、脱北者4人が北朝鮮政府に計4億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(谷口園恵裁判長)は30日、「日本の裁判所に管轄権がある」と判断し、訴えを退けた一審・東京地裁判決を取り消して審理を地裁に差し戻した。
【写真】判決前、東京高裁に向けて行進する原告や弁護士、支援者ら=2023年10月30日午後1時32分、東京都千代田区霞が関、北野隆一撮影
高裁は北朝鮮の行為について「事実と異なる情報で渡航させ、居住地選択の自由を侵害し、事前の情報と異なる過酷な状況で長期間の生活を余儀なくさせた」と述べた。
原告は1960~72年に北朝鮮に渡り、2001~03年に脱北した4人。18年に提訴した。北朝鮮という国家を相手取った裁判で、訴状などは裁判所の掲示板に書類を一定期間張り出すことで被告側に届いたとみなす「公示送達」が行われた。北朝鮮側は全く出廷せず、主張書面も提出していない。地裁、高裁とも、国家には他国の裁判権が及ばないとする国際法上の「主権免除」原則は、未承認国である北朝鮮には適用されない、とした。
ただ地裁は、北朝鮮側の4人に対する行為を(1)虚偽の宣伝で勧誘した(2)出国させずに在留させたに分け、(1)は除斥期間(20年)が経過して請求できず、(2)は国外の行為で日本の裁判所に管轄権はないと判断した。
一方、高裁は、(1)と(2)は「継続的な不法行為」と評価。侵害は当初は日本で発生しているため、管轄権は日本にあり、地裁でもう一度審理すべきだと判断した。
朝日新聞社