人権無視の空港倍増計画
早朝から深夜に及ぶ離着陸は禁止を
成田空港の闘いは続いている
沈思実行(164)
鎌田 慧
久しぶりに、成田空港周辺をまわった。PARK(アジア太平洋資
それでもいまだ「厳戒空港」なんだ、と驚かされた。
手狭になった羽田空港に代わる、新国際空港建設は当初「富里」案だった。
が、反対運動が激しく、政府は断念。1966年「成田・三里塚地
あまりにも急旋回の決定だったので、自民党支持の農民たちも猛然
1971年に農婦の住宅と農地の強制代執行があった。機動隊がデ
そのために面積を倍に拡大しようとしている。
用地確保のため、わたしもよく通った「労農合宿所」(横堀農業研
いまでも空港周辺の騒音が激しい。これから発着回数を30万回か
さらに運行時間を朝5時から深夜24時30分に延長する。すると
深夜便を飛ばせないのは、内陸空港の欠陥だったが、ついに翌日ま
人間は昼に働いて、夜は寝る、これは真理だ。
が、住民が深夜労働者にされる。
それでも労働者には深夜手当が支給される。
しかし、同意を得ない、人権侵害として、住民は屈従を強いられる
周辺住民は千葉地裁へ「夜間飛行差し止め請求」を提訴した。
農民を追い出し、農業をつぶす内陸空港は時代遅れである。
早朝から深夜に及ぶ離着陸は、禁止すべきだ。
(2023年9月27日「週刊新社会」第1324号より転載)