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2023年8月7日 2時02分NHK

 

秋本議員 現金受け渡しは入札評価基準見直し公表の翌日か 

秋本真利衆議院議員が洋上風力発電への参入を目指す風力発電会社側から受け取ったおよそ1000万円は、政府が洋上風力発電事業の入札評価基準の見直しを公表した翌日に、議員会館の事務所で現金で受け渡されていたことが関係者への取材で新たにわかりました。

秋本議員は、会社が事業の受注に失敗した後、国会質問で入札評価基準の見直しを繰り返し求めていて、東京地検特捜部は詳しい経緯を調べているものとみられます。

洋上風力発電をめぐり秋本真利衆議院議員(47)が、東京の風力発電会社「日本風力開発」の塚脇正幸社長(64)からおよそ3000万円を受け取ったとされる事件で、東京地検特捜部は、収賄の疑いで秋本議員の事務所などを捜索し、捜査を進めています。

塚脇社長から提供された資金はおよそ3000万円にのぼっていますが、このうちおよそ1000万円は、政府が洋上風力発電事業の入札評価基準の見直しを公表した翌日の去年10月28日に、衆議院第一議員会館にある秋本議員の事務所で現金で受け渡されていたことが、関係者への取材で新たにわかりました。

日本風力開発は、政府が第1ラウンドとして3年前からおととしにかけて入札を実施した秋田県沖の2つの洋上風力発電事業への参入を目指していましたが、落札できませんでした。

第1ラウンドの結果を知った秋本議員は、去年2月の国会質問で入札の評価基準を見直すよう繰り返し求め、その後、見直しが実現していました。

特捜部は、秋本議員への資金提供は国会議員としての職務に関する賄賂に当たる可能性があるとみて、現金授受の詳しい経緯を調べているものとみられます。

一方、塚脇社長の弁護士は、NHKの取材に対し、「現金の受け渡しが28日になったのは、競り落とした馬の代金の支払期限が迫っていたからだ。2日前に秋本議員から連絡があり、ネットバンキングで送金しようとしたが、残高不足で送れず、社長も出張中だった。1000万円は秋本議員個人に提供したものではなく、賄賂にはあたらない」などと主張しています。

 

 

 

秋本議員 議員会館で現金約1000万円受け渡しか 風力発電めぐり

 事件

政府が導入拡大を目指している洋上風力発電をめぐり、秋本真利衆議院議員が風力発電会社側からおよそ3000万円を受け取ったとされる事件で、このうちおよそ1000万円は、議員会館の事務所で現金で受け渡されていたことが関係者への取材で分かりました。
ほとんどは馬の購入費などに充てられたということで、東京地検特捜部は、資金の趣旨などについて調べを進めているものとみられます。

洋上風力発電をめぐり秋本真利衆議院議員(47)が、東京の風力発電会社「日本風力開発」の塚脇正幸社長(64)からおよそ3000万円を受け取ったとされる事件で、東京地検特捜部は、贈収賄の疑いがあるとして、秋本議員の事務所や日本風力開発の本社などを捜索しました。

関係者によりますと、おととし10月からことし6月までの間に、塚脇社長が提供したおよそ3000万円のうちおよそ1000万円は、衆議院第一議員会館にある秋本議員の事務所で現金で受け渡されたということです。

秋本議員は、「馬を買いたいので金を出して欲しい」などと携帯電話のショートメールで社長に連絡し、その求めに応じて事務所に現金が届けられ、ほとんどは数日のうちに馬の購入費などに充てられたということです。

2人が設立した馬主組合に関する費用支払いの手続きや口座の管理などのマネージメントは、すべて秋本議員が行っていたということで、特捜部は、社長が提供した資金は組合を実質的に管理する秋本議員個人への賄賂だった可能性があるとみて調べているものとみられます。

これに対し塚脇社長の弁護士は、「提供した資金はいずれも秋本議員個人に提供したものではなく、馬主組合の組合員として社長が民法上の義務を履行するために負担した運営費なので、賄賂にはあたらない」などと主張しています。

“約3000万円” 内訳は


関係者によりますと、秋本議員側に提供されたとされるおよそ3000万円のうち1000万円は、議員会館にある秋本議員の事務所で現金で受け渡されました。

1000万円のうち700万円あまりは、秋本議員が馬3頭の購入代金や種付け料に使っていたということです。

また、およそ200万円は、2人が設立した馬主組合「パープルパッチレーシング」の口座に入金され、馬の種付け料や組合の経費に使われたということです。

残りのおよそ2000万円は、塚脇社長が組合の口座や取引先の牧場などの口座に送金し、馬の購入代金や餌代、それにきゅう舎代などに充てられていたということです。

塚脇社長の弁護士の主張は

提供された資金の趣旨について、秋本議員は、これまでのところ見解やコメントなどを示していません。

一方、塚脇社長の弁護士は、「提供した資金はいずれも秋本議員個人に提供したものではなく、2人が設立した馬主組合の運営費だ。資金力がある塚脇社長がとりあえず馬の購入費などを負担したが、これは社長が、馬主組合という任意組合の組合員としてすべての債務を負うという民法上の義務を履行するために負担した運営費なので、賄賂にはあたらない」と主張しています。

 

さらに、「組合員としての金銭的な負担は塚脇社長の方が多いが、秋本議員は競走馬に極めて高い関心を持ち交配などの知識も豊富で、本来お金を払ってコンサルタントに委託するようなマネージメントを無償で担っている」と説明しています。

そのうえで「かかった経費を差し引いて組合員に利益を配分する段階で、それぞれの負担割合を考慮したうえで、秋本議員が得られるべき割合を超えた利益を受けた場合には、提供された資金が賄賂に当たるかが問題となるが、組合の設立からそれほど年月がたっておらず、まだ利益の配分が1度も行われていないので、そのようなことが判断できる段階ではない」と主張しています。

元検事の弁護士「馬主組合の実態の解明が重要」

元検事の高井康行 弁護士は、提供された資金が賄賂にあたるかどうか判断するうえでは馬主組合の実態の解明が重要になると指摘しています。

高井弁護士は「馬主組合が事実上『秋本議員個人』のものであれば、資金提供は秋本議員側への賄賂になると言える。一方で、馬主組合の運営に実態があり、社長が組合員としての義務を履行するために運営費を提供したという弁護士の主張のとおりであれば、賄賂にならない場合もある。捜査では馬主組合の実態の解明が重要になる」と指摘しています。

 

 
 事件

秋本議員 馬主組合口座を1人で管理か 洋上風力発電めぐる事件

自民党を離党した秋本真利衆議院議員が、洋上風力発電をめぐる贈賄の疑いで捜索を受けた風力発電会社の社長とともに設立した馬主組合の口座の管理や競走馬の購入などを、1人で行っていたことがわかりました。
社長は、この組合のためとしておよそ3000万円を提供していて、東京地検特捜部は、組合を実質的に管理する秋本議員個人への賄賂だった可能性があるとみて調べているものとみられます。

 

政府が導入拡大を目指している洋上風力発電をめぐる収賄の疑いがあるとして秋本真利衆議院議員(47)の事務所が捜索を受けた事件で、東京地検特捜部は、5日、贈賄の疑いで、東京・千代田区の風力発電会社「日本風力開発」の本社と塚脇正幸社長の自宅を捜索しました。

 
 
 

弁護士によりますと、塚脇社長は、競走馬の馬主仲間で、ともに馬主組合を設立した秋本議員の求めに応じて、現金で手渡したり口座に送金したりして、おととし10月からことし6月までの間に、およそ3000万円を提供しましたが、組合の口座の管理や競走馬の購入などは秋本議員が1人で行っていたということです。

秋本議員は、こうした資金提供の前後に、国会で、洋上風力発電事業への参入を目指す日本風力開発が有利になるような質問をしていて、特捜部は、社長から提供された資金は組合を実質的に管理する秋本議員個人への賄賂だった可能性があるとみて調べているものとみられます。

これに対し塚脇社長の弁護士は、「組合設立の契約は知人名義で結んだが、実際には組合の持ち分の45%は社長のもので、賄賂を贈った疑いがあるという指摘は全く事実と違う」と説明しています。

日本風力開発「誠に遺憾」



 

東京地検特捜部による捜索を受けた日本風力開発は「このような事態に至りましたことは誠に遺憾であり、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを、深くおわび申し上げます。引き続き捜査が継続中であることから、詳細につきましては公表を差し控えさせていただきます。引き続き、当社は事件の解決に向けて、関係当局による捜査に全面的に協力してまいります」とするコメントを出しました。

岸田首相「国民の疑念招くような事態 大変遺憾」



 

岸田総理大臣は広島市で記者会見し「いま捜査が進んでいる最中なので具体的に政府として答えることは差し控えなければならない」と述べました。

そのうえで「国民の疑念を招くような事態になったことについては大変遺憾に感じている。こうした事態が政府の政策実行に支障をもたらすことがないように政府一丸となって取り組んでいかなければならない」と述べました。

立民 泉代表「離党したとはいえ、自民党として経緯明らかに」



 

立憲民主党の泉代表は、広島市で記者団に対し「自ら外務政務官を辞め、自民党を離党しており、相当自覚があるのだろう。『議員を辞めなくていいのか』と問わねばならず、早急に本人から説明してもらう必要がある」と述べました。

そのうえで「政務三役の任命という点で言えば、岸田総理大臣には当然、任命責任がある。離党したとはいえ、自民党として秋本氏が国会で質問した経緯などを明らかにする必要がある」と述べました。

維新 馬場代表「即刻 議員を辞職すべき」

 

日本維新の会の馬場代表は、広島市で記者団に対し「役職を辞任し、離党もしているが、即刻、議員を辞職すべきではないか。政治とカネの問題は、政治と政治家に対する信頼を落としていくので、党内で襟を正して職務にあたっていくことを徹底していきたい」と述べました。

公明 山口代表「国民の信頼を傷つけ、本当に遺憾」

 

公明党の山口代表は、広島市で記者会見し「国民の信頼を傷つけており、本当に遺憾なことだ。秋本議員は、自分自身の言い分があるなら、捜査の中で明らかにしてほしい」と述べました。

共産 志位委員長「離党して一丁上がり 通用しない」

 

共産党の志位委員長は、広島市で記者団に対し「秋本氏は何の説明もないまま離党したが、自民党も政府もきちんと問題を明らかにして国民に報告することを最優先でやらないといけない。政府の要職にもあったのだから政府としても事案の解明責任が必要だ。離党して一丁上がりということは通用しない」と述べました。

国民 玉木代表「疑惑についてしっかりと説明を」

 

国民民主党の玉木代表は、広島市で記者団に対し「自民党をはじめとした一部議員に『再エネ利権』が生まれてきているのではないか。離党では済まされず、秋本氏は記者会見で疑惑についてしっかりと説明すべきだ。岸田総理大臣には自民党総裁としても説明責任があり、それができなければ今後の政権運営も厳しくなり、衆議院選挙の戦略や時期にも大きな影響を与えてくるだろう」と述べました。