福島第一原発事件が発生した直後に出された「原子力緊急事態宣言
岸田・尹両首脳による汚染水放出の共謀
韓国視察団の福島視察は単なる「見学」
韓国政府・メディアは「汚染水」と呼称しているのに
日本のメディアは隠蔽している
報道各社は「風評被害」と表現するのを止めよ
「メディア改革」連載第127回
浅野健一(アカデミックジャーナリスト)
1.岸田文雄首相が議長として19日から21日まで開催し先進七
会議(G7広島サミット)は、ロシアと戦争中のウクライナ・ゼレ
キー大統領が20日に電撃訪日し、21日にG7首脳と会談し、戦
支援を得た。核問題は置き去りにされ、ゼレンスキー・サミットと
◎ 私は17日から21日まで広島でサミットを取材した。
広島は全国から動員された警察官が制圧しに戒厳令のようだった。
サミット取材は、「紙の爆弾」「進歩と改革」各7月号に書いた。
29日の朝日新聞によると、27~28日実施の世論調査で、「サ
岸田首相が議長として指導力を発揮した」と答えた人は59%に達
メディアがサミット礼賛報道を続けた結果、岸田氏は解散総選挙へ
き出したが、長男の岸田翔太郎秘書官が昨年末、官邸で親族と忘年
のは皮肉なことだ。
◎ G7首脳声明には、既に発効している核兵器禁止条約への言及がなく、昨年11月、インドネシアで開かれた20カ国・地域首脳会議
◎ 広島サミットの拡大会合には尹錫悦大統領も参加した。日本政府が
働きかけて、岸田氏は21日、尹大統領と共に、平和公園内にある
原爆犠牲者慰霊碑に参拝した。各社は両首脳の参拝を称賛している
この碑にある「韓国人」は1945年8月6日には存在していなか
2.岸田氏は5月7~8日に韓国を訪問し、尹氏との首脳会談で、
電力福島第一原発から出ている放射能汚染水の海洋放出に関し、韓
専門家らによる視察団の現地への派遣に合意した。
共同通信は<海洋放出は、韓国内では今回の2国間会談で議論する
は難しいとの見方もあった。視察団受け入れは韓国で一定の評価を
るとみられる>(長尾一史記者)と伝えたが、典型的な提灯記事だ
◎ 韓国の視察団は原発や放射線分野の専門家ら21人で構成。21日
日、23、24両日は福島原発を訪問し、汚染水を浄化する多核種
(ALPS)や、処理水を保管するタンクを中心に確認した。韓国
国際原子力機関(IAEA)が6月末までに公表を予定する安全性
する評価を踏まえ、立場を明確にする考えだ。
韓国・朝鮮日報は「中途半端な視察だった」と批判。また、世論調
でも、視察は役に立たないと答えた人が半数を超えた。
◎ 日本の報道各社は、「処理水」(Treated Water)という用語を
使っているが、尹氏は首脳会談でも従来通り「汚染水」(Cont
Water)と表現した。韓国の報道機関も同様だ。
◎ 韓国政府は「汚染水」を「処理水」に変更することを検討したが、
政権党から異論が出て今も「汚染水」と表現している。
政権党「国民の力」のホ・ウナ議員もフェイスブックで「原子力安
員会には『汚染水』という名称を変更する計画はない」と述べた。
「最大野党の議員らが処理水放出に反対する集会を開いている」(
https://news.yahoo.co.jp/artic
◎ 中国外務省の汪文斌報道官は10日の定例記者会見で、「日本政府
『汚染(処理)水は安全で無害だと毎回言っているが、そうならば
はなぜ、直接国内に放出したり農業・工業用水として使ったりしな
か」と指摘した。韓国でも同じ見方がある。
◎ 12日の共同通信によると、韓国政府の国務調整室の朴購然第1次
は記者会見で、原発事故を受けた日本の水産物の輸入規制解除につ
「問題がないと立証され、国民が情緒的に受け入れる段階になるま
は、解除はない」と強調した
26日のテレビ朝日は、汚染水放出めぐり 韓国で反対運動が相次いで
いると報じた。<最大野党「共に民主党」が実施し、発足式には党
の李在明氏も出席して「なぜ日本側に立って免罪符を与えるのか」
と尹政権の対応を批判した>
https://www.youtube.com/watch?
◎ 福島中央テレビは同日、<処理水をめぐり外交上の大きな動きが
あった1週間>を振り返った。
<韓韓国の名誉教授に話を聞いたところ、日本が韓国に対し、海洋
出の許しを得るための視察だ」という批判的な見方が大部分を占め
るようだ>
https://news.yahoo.co.jp/artic
◎ 日本のメディアは相変わらず、汚染水問題も「風評被害」と揃って報じている。
福島第一原発事件が発生した直後に出された「原子力緊急事態宣言
炉心溶融に何もできない現状を「風評」と呼ぶ報道機関は解散すべ