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3/3(金) 1:04日テレNEWS

女性警察官を“処分”…「捕まえて」要望も微罪処分を提案 なぜ?

 

青森市で今年1月、タクシーの運転手が酔った乗客に暴行を受けた事件。駆けつけた女性警察官が、対応が不適切だったとして処分されました。女性警察官は、「事案が多発し、安易な方法で事件を処理しようとしてしまった」と話しているということです。  

 

◇ 青森市で今年1月、タクシーのドライブレコーダーが、居酒屋帰りの男を乗せた時の様子をとらえていました。3分ほど走らせ、目的地に到着。運賃の支払いを求めると

 

――

 

 男「何がほしいのよ?」 

運転手 「メーター分、640円頂ければ」

 男 「…はあ?」 男は、かなり酒に酔っている様子でした。

 運転手 「お金持ってなかったのか」 男 「だから今、家から持ってくるってしゃべってるだろうが」 突然怒り出すと車から出たため、運転手の男性が追いかけるともみ合いになりました。

そして

―― 

運転手 「あぁ」

 男 「コラ」 「なによ、コラ」 「ププッって何や、ああ、コラ」

 運転手 「お客さん暴力だよ…」 

男 「暴力!?」 

 

男の暴力は、約5分間続きました。運転手の男性はメガネを壊され、頭部や腹部にケガをしました。 その後、通報を受けた警察官が到着しました。

 

 男性警察官 「胸ぐらつかまれた?」 「事件として届け出したいとか、捕まえてほしい気持ちある?」

運転手 「全然ある」 「男を捕まえてほしい」と、運転手の男性は話しました。 

 

そこにやってきたのは、30代の女性警察官です。

 女性警察官 「状況は?」 

男性警察官 「(運転手は)捕まえてほしいと」 

女性警察官 「ごめんなさい、ちょっと失礼して」 

 

しかし、交代した女性警察官からは驚きの発言が出ました。 

 

女性警察官 「『犯人捕まえてくれ』ってなると、運転手さんもこれから拘束しなければいけなくなる。警察署に来て、『どういう状況だったんですか』って話を聞いたりとか、きっと朝までかかるんだよね、逮捕するとなればね」 女性警察官 「微罪っていう処理があるので、それでもいいかな?」 

 

運転手 「うーん」 

 

女性警察官が提案した「微罪」という処分は、犯罪事実が極めて軽い場合などに適用されるもので、「微罪」となった場合は逮捕や書類送検はされません。運転手も一度は女性警察官の提案を受け入れかけましたが

 

―― 

 

運転手 「あとあと面倒になると嫌なので、ちゃんとやった方がいいと思って、告訴するみたいな感じで」

 女性警察官 「告訴…被害届出すってことだよね」

女性警察官 「さっき『微罪でいい』って言ったから上司の方に『微罪でいい』って報告しているんだけど、うーん…」 納得しない様子でした。

 女性警察官 「どっちがいいの?」

 運転手 「だから、訴える」

女性警察官 「訴えるってことでいいの?」

 運転手 「うん」 女性警察官 「気持ち変わったってこと?」 

運転手 「変わった」 

女性警察官 「その変わった理由は何?」 その後、警察から連絡がなかったため、不安に思った運転手が被害届を提出。乗客の男は、傷害の疑いで逮捕・送検されました。

 

 「微罪」で処理しようとしたことについて女性警察官は、「事案が多発し、安易な方法で事件を処理しようとしてしまった」と話しているということです。

 

 青森県警は、対応に問題があったとして、女性警察官を処分しました。 

 

被害を受けた運転手は、事件後、一度も出社できていないといいます。 被害を受けた運転手が勤務するタクシー会社の常務 「どの事件もこんなことやっているのかなと、不信感しかない」 

(3月2日放送『news zero』より