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2023年 2月14日 11:25HTBニュース

天然記念物のオジロワシ衰弱死 急性鉛中毒か 胃の中から鉛弾のかけら 北海道では今年度初

 胆振地方で国の天然記念物のオジロワシが衰弱した状態で見つかり、その後、死にました。鉛中毒が原因とみられています。

 環境省の北海道地方環境事務所によりますと、今月11日、胆振地方でオジロワシがうずくまって衰弱した状態で見つかり、釧路市の猛禽類医学研究所で保護されましたが、12日に死にました。解剖の結果、胃の中から鉛の弾のかけらとシカの毛が見つかり、血液からは基準を超える鉛成分が検出されました。鉛の弾で撃たれたエゾシカの死骸を食べた際、肉とともに鉛弾のかけらも飲み込み、急性鉛中毒で死んだものと見られています。

 道内で鉛中毒により死んだ野鳥が確認されたのは、今年度初めてです。道内では、2014年から条例でエゾシカ猟での鉛のライフル弾の使用が禁止されています。

 

 

 

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銃を持った米兵50人超、沖縄の県道をふさぐ 計30分、車が通れず 銃を路上に置く姿も

県道70号上でライフルのような銃を携え、軍用車両に乗り込むために列をつくる米兵ら=10日午前7時40分ごろ、東村高江

 10日午前7時20分ごろ、沖縄県東村高江の米軍北部訓練場のN1ゲートから、銃を持った数十人の米兵が相次いで県道70号に出た。本紙の目視で少なくとも50~60人の米兵が、県道に縦列で待機していた大型車両6台に約30分かけて分乗。現場で抗議したチョウ類研究者の宮城秋乃さんによると、米兵は乗り込むまでの間、銃を路上に置いたりガードレールに立てかけたりもしていた。 

 

【写真】「道に迷った」銃を持った米兵、県道を歩く 驚く住民「実弾が入っているかも」 

 

 また、大型車両はその後、同午前8時ごろから上下線をふさぎ、車両の検査をしたり、けん引される車両の連結を付け替えたりといった作業を実施。一般車両が計約30分にわたり通行できなくなった。

 

  7日には銃を持った米兵ら約20人が車両から県道70号に降り、約150メートル先のゲートまで歩行するのを宮城さんが目撃している。

 

  東村の當山全伸村長は「何より住民の安全と安心が第一。こうしたことが繰り返されると当たり前になってしまう」と指摘。「N1ゲートに米軍の車両が入れないからこうした事態になっているのか、沖縄防衛局にも状況を確認しながら対応したい」と話した。

 

  県は状況を把握していないとした上で「住民に不安を与えることがあってはならない」としている。防衛局は10日、本紙の取材に対し、同日中に見解を示すことは難しいとして回答を留保した。(北部報道部・粟国雄一郎、政経部・大城大輔)

 

 

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現代ビジネス

大学が学生45人を訴えた…!名門・京都大学でいま起きている「深刻な異変」

---------- 全国の大学関係者から「大学が壊れてしまった」と嘆く声が聞こえてくる。大学の根幹である教育と研究、大学の自治、コンプライアンスなどが危機に瀕しているのだ。いま、大学で何が起こっているのか――。『ルポ 大学崩壊』(ちくま新書)より、京都大学で起きている異変についてお伝えする。 

 

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大学が学生45人を訴える

 京都大学は、難関大学として東京大学と並ぶ存在だ。一般的には、より自由な学風を持っているのが京都大学と思われているのではないだろうか。確かに、基本理念にも「創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展」させることを掲げている。 

 

 しかし、2010年代後半からの京都大学は、この学風が「変質した」との声が内部から聞こえてくる。なぜなら、大学が学生から自由を奪い、強権的に管理する事態が、他の大学にも増して頻繁に起きているからだ。 

 

 その一つが、大学の吉田南キャンパス内に建つ学生寮、吉田寮の問題だ。 

 

 2022年2月、大学入試の前期試験が行われる直前に、京都大学のホームページには次のような文面が掲載された。

  現在、「吉田寮自治会」名義で、2022年春期入寮募集の実施が案内されていますが、この「吉田寮自治会」を自称する団体に対し、本学が入寮募集を委託した事実はありません。 (中略)本学学生その他の者が上記募集に応じて吉田寮に入寮することは本学施設を不法に占有するものであって到底容認できないことを、改めてここに周知徹底するものです。

「入寮の妨害」も起きた

 吉田寮には約120人の学生が暮らす。毎年新たな学生も入寮している。にもかかわらず、「不法に占有」と断じているのだ。同様の文面はこれまでも何度か掲載されていた。吉田寮自治会はこれを「複数の誤解を招く表現・誤謬を含む」文書だとして、大学に撤回を求めるとともに強く抗議している。

  それだけではない。吉田寮で暮らす学生は「大学側が吉田寮への学生の入寮を妨害している」と証言する。実際にある寮生は、学内で寮の案内をしようとした際、大学職員から妨害を受けたと話す。

  「入寮の案内をしているときに複数の職員が駆け寄ってきて、注意されました。案内の活動が妨害され始めたのは2019年頃からと聞いています。大学生協から新入生に配られるパンフレットには、吉田寮には入寮しないように呼びかけるチラシも入っていました。大学がやっていることは、吉田寮に対するいやがらせではないでしょうか」

  なぜ大学は吉田寮への入寮や、寮生による案内を妨害するのか。実は、京都大学は吉田寮からの立ち退きを求めて、学生らを提訴している。被告の総数は寮生や元寮生など45人にのぼる。京都大学の長い歴史で、大学側がこれだけ多くの学生を提訴した例はない。

  大学側の提訴に対して、寮生らは弁護団を立てて裁判に対応しながら、大学に裁判の取り下げと話し合いの再開を要求し続けている。極めて異常な事態と言っていいだろう。

 

突然打ち切られた老朽化対策交渉

 吉田寮は現役の学生寮としては日本最古だ。120部屋がある現棟と呼ばれる建物は、100年以上前の1913年に建築された。同じく木造の食堂と、2015年に木造と鉄筋コンクリート造の混構造で建設された60部屋の新棟の3棟がある。 

 

 寮生にとってありがたいのは、寮費の安さだ。1ヵ月あたりの寄宿料は400円だけ。それに水道光熱費約1600円と、自治会費500円を合わせても、月額の寮費は約2500円しかかからない。近隣の熊野寮とともに、経済的な事情を抱えたすべての学生にとって欠かせない存在だ。もともと入寮資格を日本人の男子学生に限っていたが、現在は性別要件は撤廃され、さらに留学生、科目等履修生、聴講生などにも門戸を開いている。

 

  また、寮生による自治で運営されていることも大きな特徴だ。寮の備品の購入や、取材の対応をどうするかなど、寮に関するすべてのことは寮生が参加する会議で丁寧に議論する。多数決ではなく全会一致で決める、直接民主主義による運営が受け継がれてきた。 

 

 裁判では、大学側は吉田寮に対して現棟と食堂棟の明け渡しを求めている。大きな争点の一つが、建物の老朽化の程度だ。提訴後に大学は、当時の厚生補導担当副学長だった川添信介氏の名前で「吉田寮現棟の明渡請求訴訟について」と題した文書を公表した。 

 

 その中で、入寮募集の停止に応じなかった吉田寮の自治会を「責任ある自治を担い得る団体であるとは見なし得ない」と批判し、「問題をこれ以上先送りしないで学生の安全確保を実現することは、もはや本学だけでは不可能であると判断し、やむなく明渡請求の提訴に至ったものである」と記している。

 

  これは大学側の言い分である。  次の記事『突然立ち入り禁止を宣告されて…日本屈指の名門・京都大学で起きる「寮生対大学」訴訟バトルの内幕』では、学生対大学の法廷闘争の内情を明らかにする。