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政府の方針は「学術会議つぶし」 「多様性尊重を」学者の会が声明
記者会見する元日本学術会議会長の広渡清吾・東京大名誉教授(左)ら「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼びかけ人=2023年1月14日午前10時42分、東京都千代田区の学士会館、北野隆一撮影
政府が日本学術会議の組織改革法案を通常国会に提出する方針であることに対し、「安全保障関連法に反対する学者の会」は14日、東京都内で記者会見した。政府方針は「学術会議を政府の意向に追従する組織に改造するもの」だとして反対する声明を発表した。
【写真】記者会見する高山佳奈子・京都大教授(左)ら「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼びかけ人=2023年1月14日午前11時14分、東京・神田の学士会館、北野隆一撮影
声明では、学術会議は創設以来、平和と学問の自由を擁護し、軍事研究を否定してきたと評価。岸田政権が昨年12月に閣議決定した安保3文書の「国家安全保障戦略」で政府と企業、学術界の連携強化を求めたことに触れ、学術会議の改革の狙いは軍需産業振興のために科学技術を動員し、軍事研究の推進に適合する組織に改造することだと批判した。改革は学術会議の独立性を損なう「学術会議つぶし」だとして、政府に撤回を求めた。
元学術会議会長の広渡清吾・東京大名誉教授は、「民主主義に必要なのは多様性の尊重。ナチスのように社会を同質化させてはいけない。学術会議は戦争を反省し、独立してものをいう研究者の組織が必要だとしてつくられた。学術会議の独立性や自主性を守ることは日本の民主主義の根幹にかかわる」と述べた。
朝日新聞社