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琉球新報

日米演習「キーン・ソード23」が本格開始 19日まで 沖縄県が与那国空港の使用を許可

陸揚げされた車両

 

 沖縄など全国各地で実施される日米共同統合演習「キーン・ソード23」は、10日から県内各地で本格的な演習が始まる。19日までの期間中、県内では自衛隊と米軍が自衛隊施設や米軍基地、訓練区域などで、実弾射撃演習や補給などの後方支援を含むさまざまな共同訓練を展開する。統合演習の一環で、県営の与那国空港に陸上自衛隊の16式機動戦闘車(MCV)を運び込む計画を巡り、県空港課は9日午後、防衛省統合幕僚監部(統幕)が提出した与那国空港の使用申請を許可した。 

 

【一覧表付き】日米統合演習とは?沖縄では島しょ作戦を織り込んだ訓練

 

 統幕は17、18日の日程でMCVをC2輸送機で与那国空港へ運び、空港から与那国駐屯地までの一般道路を走らせる計画だ。MCVが県内一般道路を走行するのは初となる。MCVは105ミリ砲を登載した最新鋭の装輪装甲車で、築城基地(福岡県)から県内に運び込まれる見通し。

 

  県は、統幕が県に提出した「制限重量超過航空機使用申請書」について、技術的な問題はないとして許可した。申請書によると、C2輸送機は17日午後0時~同1時10分、18日午後3時~同4時45分までの間、与那国空港を使用し、輸送機は那覇空港~与那国空港間を運航する。 

 

 県議会与党会派は9日、県に対して演習の実施に反対するよう求めた。

同日には市民団体による演習への反対行動もあった。 

(池田哲平)

 

 

 

 

2022年11月10日 09:59琉球新報

「沖縄を戦場にするな」「知事も声あげてくれないと」 雨の中、130人が日米演習に抗議 沖縄・那覇

メッセージを手にするなどして日米共同統合演習に抗議する人たち=9日午後6時14分、那覇市泉崎(小川昌宏撮影)

 

 沖縄平和運動センターは9日、沖縄を含む全国各地で実施される日米共同統合演習「キーン・ソード23」に抗議する集会を那覇市泉崎の県民広場で開いた。雨が降りしきる中、雨がっぱなどを着た約130人が「沖縄を戦場にするな」「日米軍事演習を止めろ」などと拳を突き上げ、自衛隊などの民間港・民間空港の使用反対を訴えた。

 同センターの比嘉京子共同代表は「相手国に危機感・緊張感を募らせるのは沖縄が望む姿ではない。演習がどこに向かおうとしているのか考えなければならない」と強調した。

 訓練の反対について県民を挙げて取り組む必要性を強調する声も出た。「ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会」の山城博治共同代表は「市民団体では限界がある。県議会も玉城デニー知事も声を上げてくれないと止められない」と訴えた。

 集会に中城村から参加した40代女性は、沖縄戦で沖縄が本土決戦前の時間稼ぎの「捨て石」にされたことに触れ、「また日本の戦争に沖縄を巻き込むのか」と憤った。

(塚崎昇平)