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岐阜新聞
「風流踊」無形遺産に、ユネスコ機関登録勧告 「郡上踊」など41件
約400年の歴史がある郡上おどり=郡上市八幡町
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関は、日本三大盆踊りに数えられる「郡上踊」(岐阜県郡上市)と、300年以上続くといわれる「寒水の掛踊」(同)を含む24都府県41件の民俗芸能「風流踊」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。文化庁が1日発表した。11月28日から12月3日までモロッコで開かれるユネスコ政府間委員会で、勧告通り登録が正式決定する見通し。
風流踊は、衣装などに趣向を凝らし、太鼓や笛のはやし、歌に合わせて踊る共通の特徴を持つ。
郡上踊は400年以上の歴史を誇り、郡上市八幡町で例年7月中旬~9月上旬に開かれる。
寒水の掛踊は同市明宝寒水地区に伝わる。世の平安や豊年万作を祈り、地元の寒水白山神社の例祭に合わせ、毎年9月に奉納される。いずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている。
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風流踊の無形遺産登録勧告、文化庁が発表
文化庁は1日、24都府県41件の民俗芸能「風流踊」に対し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関が無形文化遺産登録を勧告したと正式発表した。
「野原八幡宮風流」、ユネスコ無形文化遺産へ 熊本県荒尾市、例大祭奉納の伝統芸能
ユネスコ無形文化遺産への登録が勧告された「風流踊」の野原八幡宮風流=10月、荒尾市(大倉尚隆)
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関は、熊本県荒尾市の「野原八幡宮風流[ふうりゅう]」など24都府県41件の民俗芸能「風流踊[ふりゅうおどり]」を無形文化遺産に登録するよう勧告した。文化庁が1日発表した。11月28日から12月3日までモロッコで開かれるユネスコ政府間委員会で、勧告通り登録が正式決定する見通し。
各地の踊りは人口減少や高齢化による担い手不足が課題となっており、登録が実現すれば、伝統継承の励みとなりそうだ。文化庁も保護の強化や継承支援を手厚くする。
永岡桂子文部科学相は1日の記者会見で「地域の活力の源として大きな役割を果たしていることが評価された。政府間委員会での登録(決定)に向け、最善を尽くしていきたい」と語った。
風流踊は華やかな衣装をまとい、太鼓や笛のはやし、歌に合わせて踊るのが共通の特徴。豊作祈願や厄災払い、先祖供養など地域の歴史や風土を反映した祈りが込められている。日本三大盆踊りの「郡上踊[ぐじょうおどり]」(岐阜)や「西馬音内[にしもない]の盆踊」(秋田)が含まれ、いずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている。
野原八幡宮風流は、毎年10月15日に荒尾市の野原八幡宮で開かれる例大祭で奉納される伝統芸能。770年以上の歴史があるとされ、野原、川登、菰屋の3地区にそれぞれ受け継がれている。祭りでは各地区の一団が、境内各所で奉納。紙などで作った被り物「笠[かさ]」を着けた少年2人の打ち手が太鼓をたたきながら優雅に舞い、地域の大人たちが笛を吹いたり節を付けて歌ったりする。
文化審議会が2020年2月、23都府県の37件をまとめて一つの遺産とみなし、候補に選定。同年3月に政府がユネスコに登録申請した。21年3月に野原八幡宮風流や「対馬の盆踊」(長崎)など4件を追加し、再申請した。
国内の無形文化遺産は現在、歌舞伎や和食など22件ある。風流踊は09年に単独で登録された「チャッキラコ」(神奈川)を拡張し、名称を変える形になるため、登録されても国内件数は22件のまま変わらない。
風流踊に続く候補として、政府は今年3月、日本酒や焼酎、泡盛などの「伝統的酒造り」の登録をユネスコに申請した。24年秋ごろに登録の可否が審査される予定だ。
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