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もうスタバには行けない 朝の楽しみ、奪ったインフレ 消費に陰り
好調だった米国経済に、景気後退の影が迫っている。深刻な物価高(インフレ)は米国民の消費を圧迫し始め、企業は業績の悪化に身構える。コロナ禍にウクライナ危機が追い打ちをかけて景気の減速が各国で進み、「世界同時不況」の様相になりつつある。
「もうスターバックスに通うのはやめよう」
カリフォルニア州ロサンゼルスの会社員コセ・デラトーレさん(40)は6月、自宅で家計簿アプリを見て決心した。アプリは毎月約150ドル(約2万円)をスタバに使っていると表示していた。2年前から、通勤時に店で飲み物を買うのが習慣。「目が覚め、仕事に集中できる。生活の一部になっていたが、節約しないといけない」
朝の楽しみを奪ったのはガソリン代の高騰だ。週に1度の給油は以前は50ドル(約7千円)ほどで済んだのに、今年に入りみるみる上昇。6月にはついに80ドル(約1万1千円)超まで跳ね上がった。6月のレギュラーガソリンの全米平均価格は1ガロン(約3・8リットル)あたり5ドル(約680円)を超え過去最高に。全米でガソリン価格が最も高い同州は6ドル(約810円)を超えた。
生活防衛のため、少しでも安いガソリンスタンドを探し回るようになり、今は会員限定の大型ショッピングセンター「サムズクラブ」が運営する、周辺より1ガロンあたり数十セント安いスタンドに通う。昼間は給油待ちの車列ができるため、狙うのは早朝や夜間。それでも急速なガソリン代の上昇にはかなわず、「スタバ断ち」に追い込まれた…