たんぽぽ舎です。【TMM:No4443】2022年3月29日(火)地震と原発事故情報-
原発事故というのは事前の予測というものが全く通用しな
| 2011年3月11日身に染みた
| 山崎久隆さんのスピーチ紹介
| 3.11日本原電本店抗議行動 報告その2
└──── とめよう!東海第二原発首都圏連絡会
◎ 山崎久隆(たんぽぽ舎)さんのスピーチ要旨:
11年前の今日今ごろ私は原発が事故を起こすと思っていなくて、
原発よりも津波がどういう状況をもたらすか、ということが怖かっ
記憶があります。
原発がどうなったかということは翌日になって情報が入って
くるんです。
ですからこの日の夜、夜中に原発の冷却設備がどうなっているか、
など情報が入ってくるんですね。ですから夜中の4時、5時になる
“もうどうしようもない!”ということになってくるんです。
◎ 後から分かったことですが、1号機がそろそろメルトダウン始めて
ます、2号機、3号機はもうちょっともつんですけど、実は1号機
炉心が露出していて空焚き状態になっている、そんな状態が今です
みんなそんなことは起こらないと思っていたんですね。
〇〇さんに至っては「そんなことにはならない」と言った直後に
爆発するくらいですから。
誰1人として福島第一原発が今の状態になるとは思ってなかった。
それは反原発運動をやっている人たちもほとんどがそうだったと
思うんですね。そのくらい原発事故というのは事前の予測というも
全く通用しないと。
ということが身に染みたのが3月11日だったはずなんです。
◎ 東海第二原発だって、実は今ごろ(2011年当時の)浸水してい
用ディーゼル発電機が使い物にならなくなっていて、外部電源にし
3機あるうちの1系統がつながらないとか、そういう事態になって
わけですね。
ま、幸いにして冷温停止できるほどの電気はありましたから東海
第二原発は長時間かかりましたけれども冷温停止できました。
しかし福島第一原発は失敗した。要は電源があるかどうかというところが一番の大きな決め手だったわけですね。
実は2011年の3.11の半年前、2010年6月に福島第一原
電源が喪失するという事故が起きて私たちは、非常用発電機電源が
シャットアウトするのはどういうことかと、しかも事故でも何でも
なくて作業中のミスでシャットダウンしたわけですね。
◎ その6月に起きた事故に対して原子力保安院に申し入れに
行ったり、そもそも原発に外部電源がないということ自体が非常事
である、ということを強く訴えたんですけどその時は東電も国も、
「いやだって非常用ディーゼル発電機があるし…」、とういう対応
だったわけですね。
すなわち「多重化している」ということが「1系統だけ生き残って
ればいい」という考えなんですね。
これはまさしく「原子力の安全の考え方」としては「下の下の
考え方」というか、やってはいけない考え方なんですね。
◎ すなわち、「後段無視・前段無視」という考え方があります。
それはあるシステムが機能するかどうかというのは、そのシステム
単体の評価でなければならず、例えば非常用でディーゼル発電機が
動いてればいいとか、外部電源が1機動いてるからいいと、いうこ
今ある電源システムを遮断していいということにはならないと。
そういうことになったら直ちに原発を停止しなさいというのが「前
無視・後段無視」の考え方です。
◎ 今、おこなわれてる東海第二原発の裁判の中で何が問題になって
いるかというと、実はこの「前段無視・後段無視」が機能していな
ということなんですよね。
すなわち、避難指示が出た時に、あの地域に住んでいる94万の人
をどうやって逃がすんだということの議論なり、水戸地裁がこれは
ままでは不可能ということで運転の命令の差し止めを出しました。
これはどういう考え方かというと、「避難が出来ない限り原発を
動かしてはいけない」という考え方なんですね。
ところが国が裁判所に対して何と言い出したかというと、「安全対
これはやってはならない考え方、こんな考え方でやってるんであれ
ば、それ1点でこの原発は運転してはいけない原発なんです。
そういうことを裁判所で堂々と主張する日本原電はこの原発を
動かしてはならない会社であるということが、この1点だけでも
確認できます。
◎ 現在、ウクライナで起きているというのはまさに電源喪失、チェル
ノブイリ原発に送電していた電源系統が遮断されたかも知れない。
もしも本当に遮断されていたとするならば、この原発はおよそ1週
その後、一定の期間が経つと燃料が冷却不可能となってそれこそ
メルトダウンを起こす。そうするとウクライナだけではなく、
ベラルーシ、ロシアも大変な放射能被害になる。
自分たちが起こした戦争で自分たちが放射能被害を引き起こされる事態に至っている。
これは何といった皮肉でしょうか。このようなことが起こってしま
(その3)に続く