現状は、日本国憲法と国際人権規約等人権条約と国連憲章違反です。
即時個人通報制度批准を実現し、社会権規約を活用することが不可欠です。
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-
3/23(水) 20:35毎日新聞
「心がくじかれる」漁業被害にため息 震度6強で漁港にダメージ
市場の岸壁にできた段差を見る漁師の佐藤幸男さん。昨年2月の地震でも同じ箇所に亀裂が生じ、復旧工事が終わったばかりだったという=福島県相馬市の相馬原釜地方卸売市場で2022年3月19日午後0時33分、春増翔太撮影
宮城、福島両県で16日に最大震度6強を観測した地震で、両県では漁港や関係施設・設備の破損により、地震の前と同様には水揚げできない事態となっている。地震は23日で発生から1週間。2011年の東日本大震災や21年2月に最大震度6強を観測した福島県沖地震で繰り返しダメージを受けてきた地域でもあり、関係者から「心がくじかれる」との声も聞かれる。
【写真特集】各地の様子 真っ暗な住宅街、火災も
「2年続けて漁港や市場に被害が出て、そのたびに漁を休んでいる。東日本大震災の前の水揚げに戻したいのに、心がくじかれる思いだ」。福島県相馬市の松川浦漁港を基点に活動する7人乗り底引き網漁船の船主、佐藤幸男さん(62)はため息をついた。
松川浦漁港では、そばにある市場で魚を洗うための配水管などが折れ、活魚を卸すことができなくなった。ゆがんだ岸壁には、船をうまく着けられない。例年であればタコやヤナギガレイが取れる時期だが、23日現在、大型船は操業停止となっている。応急の復旧工事が進められ、漁は早ければ25日にも再開できる見通しだ。それでも、出漁できない状態が何日も続き、佐藤さんの気持ちは晴れない。
長女の夫(38)は後を継ぐと言ってくれた。雇った船員の生活もある。「やめるわけにいかない。進むしかない」。自分に言い聞かせるようにつぶやいた。
3月から4月にかけて収穫が最盛期を迎える青ノリの産地としても知られる松川浦。だが、青ノリの養殖に取り組む漁師の菅野哲矢さん(23)は地震後、市内にある自宅の片付けに追われ、漁の中断を余儀なくされた。ようやく23日になって漁を再開できた。
菅野さんは3代目で、18年から祖父美男(よしお)さん(72)と働く。21年2月の福島県沖地震では青ノリに被害はなかったが、自宅の壁に亀裂が入るなどした。来春にも始まる東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出にも不安がないわけではない。
それでも、東日本大震災も乗り越えた家業を「自分の代で終わらせるわけにはいかない」。長男太陽ちゃん(1)と一緒に船に乗る日を夢見て、再起を誓う。
宮城県女川町の女川魚市場では、護岸が沈下して約20センチの段差ができ、水産物を運ぶフォークリフトの移動に支障が出ている。昨年2月の地震でも同様の被害があり、修理が終わりに近づいたところだった。旬のギンザケの水揚げに直接の影響はなかったが、作業は効率が落ちる。「『またやられた』という気分です」。専務の丹野秀之さんは肩を落とす。
福島県によると、県内10漁港のうち、今回の地震で被害が見つかったのは、釣師浜(新地町)▽松川浦(相馬市)▽真野川(南相馬市)▽請戸(浪江町)――の4漁港。貨物船が利用する港湾でも、相馬港(相馬市)で岸壁に100メートル超の亀裂が入るなどした。
宮城県によると、県内では女川(女川町)、桃浦(石巻市)など、沿岸10市町にある62漁港などで被害が確認された。被害総額の推計は22億円超(23日時点)という。【最上和喜、春増翔太、肥沼直寛、深津誠】
https://news.yahoo.co.jp/articles/eea2e791af474a20a1437177236ba30fdd247d36