<転送歓迎>(重複ご容赦)・「都教委包囲首都圏ネットワーク」、・「新芽ML」、・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並1000人委員会」の渡部です。

 私は、「明けない夜はない」(112)(2月25日)で、今回の戦争を「窮鼠猫をかむ」と評価し、「今後どのように事態が推移するかわからないが、世界中が束になってロシアをたたくのは誤っていると思う。とくに大政翼賛状況になりつつある日本では、それはアメリカの世界戦略に乗っかることになり、結局、アメリカの求める9条改憲に繋がることになると思う。」と述べました。

 この問題で、本日(3月7日)現在の翼賛状況について心配する人たちが、以前都立高校の教員で「半世紀にわたり、主として中国・ベトナム・アラブ社会主義・最近はキューバなどの社会主義国家の紆余曲折をウオッチしてき」たという▲ Yさんをお呼びし学習会を開きましたので、私も参加しました。
 以下が、Yさんが訪れたところです。




1977年(ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー等)
1988年(旧ソ連サハリン、ハバロフスク)
1991年(モスクワ) 1993年(モスクワ)
2012年(キルギスタン、ウズベキスタン)
2014年(モスクワ、ベラルーシ等)
2018年(モスクワ、カザフスタン、キルギスタン)

 Yさんは、
 <米国に弄ばれるロシアとウクライナ
   ~ウクライナを舞台にした「米・ロ代理戦争」 をどう読み解くか~>

 と題する詳細な講義録にもとづいて極めて具体的かつ内容豊富な話をしてくれました。

 その全体をここで紹介することはできませんが、その見出しを中心に紹介します。

 <視点その一> プーチン大統領がバイデン大統領に要求しているウクライナの「非ナチ化」は何故消えた。

 〇 ウクライナにおけるネオナチ勢力の実体
   最大政党「ズボボタ(自由)のスローガンに「モスクワの連中を刺し殺せ、ロシア人を削減せよ。共産主義者を絞首刑に」等。
   「アゾフ連隊」(連隊旗ハーケンクロイツ、部隊章はナチス親衛隊の文様。
   マウリポリ拠点。最大財閥イスラエル国籍をもつコロモイスキーが資金源。

 〇 バイデン大統領の関与(息子がウクライナの大手ガス会社の取締役など)

 <視点その二> メディアの掌握如何が世界世論誘導に勝てる。

   公正や正義の基準はメディア掌握者が決定する。
   具体例①1991年の湾岸戦争
   世界中が「サダム・フセイン悪魔」「サダム・フセインはヒトラー級の独裁者」

 <視点その三> ウクライナの悲劇性はどこにあるか?

 ① ロシアとウクライナとの紛争ではなく、本質はロシアと米国の勢力圏争いである。

 ② ウクライナの悲劇性
 ・ウクライナの地政学的重要性
 ・真にウクライナの国益を追求する強力な政治指導者に恵まれなかった。
 ・1992年と2012年の経済比較(大きく落ち込んでいる)
 ・政権運営に、ソロス財団・米国ネオコン・バイデン副大統領の米国高官が介入、米国の傀儡政権化を工作
 ・2014年マイダン革命
   ネオナチが主導。アゾフ連隊など暴力的なデモに参加。
   以後今日まで、ウクライナは中東や欧州に跋扈する傭兵や戦闘員たちの集積地と化していく。

 〇 プーチン政権の異議申し立てを、プーチン側からわかりやすく言い直してみれば。
  ・米国は何故ロシアの弱体化をいつまでも執拗に狙うのか、理解できない。
  ・1990年東西ドイツ統一の際、ゴルバチョフにNATOは東方拡大しないと約束した。われわれは西側諸国と友好的な関係を結べると期待した。
  ・だが、パンを求めて、西側の公正さを信じた我々に与えられたものは石だった。

 〇 ウクライナへの、米国による内政干渉をやめ、ネオナチ勢力をウクライナから一掃することはできないのか。

 <視点その四> 今、ロシアにかけられている経済制裁・金融制裁の問題点

 〇 米国は、ドル基軸通貨体制を築き上げ、世界の全ての国の生殺与奪の権を握ったオールマイティの覇者である

 〇 米国は物理的武器を使用せずとも、米国が敵対的とみなした、または政権転覆させたい国家を屈服させることが可能である。
  ・米国の金融制裁は、ミサイルを撃ち込むと同じ威力を発揮する。北朝鮮の人々が飢えているのは、米国が経済制裁をかけているから。
  ・キューバもだ。
  ・米国の金融制裁は第三者の国に二次制裁を課すことで、他国の主権を犯している。
  ・現在、この非人道的不正義の金融システムの改革に挑んでいるのが中国とロシアである。

 <視点その五> ウクライナの未来とポストプーチン後のロシアの想定可能な予測 悲観的な予測

 〇 ウクライナはネオナチ軍事力を解体できるか。米国の完全な傀儡からぬけだせるのか。

 〇 経済破綻国家から再生できるのか。

 〇 ロシアには、プーチン退陣後のロシアを統率できるリーダーが出現するか。

 (私見)

 〇 西側政治システムの機械的適用は、中国やロシアの社会的安定を根本から破壊するのではないか。

 〇 単なる内線状態になるなどという生易しいものではなく、海外介入勢力からの武器供給により、シリア化・リビア化に似た、巨大なエンドレス内戦の地獄状態が現出する可能性がある。

 〇 ロシアの場合、国民性や地政学的位置から考えて、中国よりさらに困難だと考えられる。

 〇 米欧が主張する「西側民主主義」が武装金融帝国主義であることの基本的認識が必要ではないか。

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yさんは、「世界中見てきてアメリカのいう『民主主義』は決して住みよい所ではない。ソ連崩壊後、年金もなくなったロシアなど酷いものだった。家具を全部売り払う家族や食っていけなくなった女性の売春婦があふれていた。夜もおちおち外出できない『民主主義国』もたくさんある。その点、社会主義国の方が安全だった」と述べていました。

 そうしたことからも私は、最後の(米欧が主張する「西側民主主義」が武装金融帝国主義であることの基本的認識が必要ではないか。)という指摘が重要ではないかと思いました。

 またこの学習会には、フランス人のジャニック・マーニュさんという方も来る予定でしたが、都合が悪く欠席されました。
 ですが、「Le conflit en Ukraine ウクライナ紛争」という論文を送ってくれ、読み上げられましたので、添付します。

 きっと参考になると思います

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  【僕、国歌歌わないもん】(石原慎太郎)
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