地球規模核惨害、4度繰り返してはならない!

スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマ

 

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 ウクライナ情勢 NHK

“チェルノブイリ原発で電源喪失” ウクライナ外相

ロシア軍が占拠しているウクライナにあるチェルノブイリ原子力発電所について、ウクライナのクレバ外相は現地時間の9日午後2時ごろ、ツイッターでの投稿で電源が失われたことを明らかにしました。

このなかでクレバ外相は「ロシア軍に占拠されているチェルノブイリ原子力発電所への唯一の送電設備が損傷して、すべての電力供給が途絶えた。電力供給を復旧させるためただちにロシアが攻撃をやめるよう国際社会が求めることを呼びかける。予備のディーゼル発電機で48時間は電力が供給できるが、その後は使用済み核燃料の冷却システムがストップするだろうとしています。

 

 

 

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2022年03月09日12時17分NHK

監視システム、データ送信停止 チェルノブイリ原発―IAEA

 国際原子力機関(IAEA)は8日、ウクライナのチェルノブイリ原発に設置された監視システムがデータ送信を停止したと明らかにした。同原発は先月24日、ロシア軍に占拠された。

 

 

 

 

 

たんぽぽ舎です。【TMM:No4425】2022年3月9日(水)地震と原発事故情報

ウクライナ情勢に関するIAEA事務局長声明

ウクライナ情勢に関する最新情報
 | IAEAグロッシ事務局長声明
 | ロシア軍に制圧された原発との通信悪化
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

 ウイーン時間3月6日付けのIAEA国際原子力機関の発表した情報を訳してお伝えします。

◎ 本日、ウクライナ政府は国際原子力機関(IAEA)に、ザポロジェ原子力発電所の運転は通常スタッフが継続したが、発電所の管理は、先週現場を支配したロシア軍司令官の命令を受けていると、ラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長が述べた。
 さらに、ウクライナ政府は、6基の原子炉について技術的な運転に関連する措置を含む、発電所管理のいかなる行動も、ロシア軍司令官による事前の承認を必要としていると報告している。

◎ 事務局長は、ウクライナ情勢の安全、安全保障及び保障措置上の影響に対処するために3月2日に開催されたIAEA理事会において概略を示した、原子力の安全及び保障の7つの不可欠な柱のうちの1つに反するとし、この展開について深刻な懸念を表明した。

 第3の柱は、「運営職員は、安全及び保安に関する職務を遂行することが可能であり、不当な圧力を受けることなく決定を下す能力を備えていなければならない」としている。

◎ 第二の重大な進展として、ウクライナ政府は、現場のロシア軍が一部のモバイルネットワークとインターネットを遮断したため、通常の通信回線を通じて信頼できる情報を現場から得ることができないと報告した。
 このことは、ウクライナの原子力規制当局が本日IAEAに対して、ザポリージャ原子力発電所を運営する職員との連絡に重大な問題が発生し始めたことを報告したところ、確認された。

 同国の規制当局が同国最大の原子力発電所との連絡は維持していると発表してから24時間も経たないうちに、電話回線や電子メール、ファックスが機能しなくなったという。携帯電話の通信はまだ可能だったが質は劣っていた。
 これは7本の柱のうちの7番目の柱である、「規制当局などとの間で信頼できる意思疎通ができなければならない」に反する。

◎ グロッシ事務局長は、「今日私に報告されたこれらの展開を非常に懸念しています。私がIAEA理事会に原子力安全と安全保障の7つの主要な項目を提示したわずか数日後、そのうちのいくつかはすでに侵害されています。
 発電所を安全かつ確実に稼働させるためには、管理者と職員が、不当な外部からの干渉や圧力を受けることなく、安定した状態で重要な任務を遂行できるようにしなければなりません」と述べた。

 「また、規制当局とザポロジェ原子力発電所との間のきわめて重要な通信に関する状況の悪化は重大な懸念材料でもあり、特に軍事紛争の際には、いつでも同国の原子力施設を危険にさらす可能性がある。
 規制当局と事業者との間の信頼できる通信は、原子力の全体的な安全と保安の重要な部分である」と彼は述べた。

◎ このような通信上の問題にもかかわらず、規制当局はザポロジェ原子力発電所の運転状況に関する最新情報を提供し、同発電所の放射線レベルが正常であることを確認することができた。

 6基のうち、1号機は2022年半ばまでの計画的な保守、2号機は全出力、3号機は冷温停止、4号機は全出力に近い状態、5号機は冷温保持状態、6号機は冷温停止となっている。
 肯定的な進展の一つとして、発電所の運転班は現在は3交代制で勤務している。
 しかし、
食糧の入手と補給に問題があり、職員の士気に悪影響を及ぼすと当局は述べた。

◎ 規制当局はまた、チェルノブイリ原発の職員との通信に問題があると述べている。今のところ、通信は電子メールでしかできていない
 ロシア軍は2月24日、1986年の爆発事故のあったサイトを掌握した。
 また、
チェルノブイリ原子力発電所では、2月23日以降、200人以上の技術要員と警備員がいまだに交代できていないという。

◎ グロッシ事務局長は、重要業務を安全かつ確実に遂行するために、運転要員が休養できることの重要性を繰り返し強調してきた。
 「私はチェルノブイリ原子力発電所を実効的に支配している人々に、その職員が安全と安心のために直ちにローテーションできるようにすることを求める
」と彼は言った。

◎ また、開発に関連して、港のあるマリウポルでは、放射性物質区分1~3の線源を使用している、すべての企業や機関との通信も失われており、その状況に関する情報はないと、規制当局は述べた。
 このような放射性物質は、適切に防護・管理されなければ、人々に重大な被害をもたらす可能性がある。

 事務局長は、ウクライナにおける紛争当事者に対し、ウクライナのすべての原子力発電所の保安と安全に対する責任を果たすため、チェルノブイリ原子力発電所を訪問する用意があることを改めて表明した。

 以上

訳注:放射性物質区分とは、放射線源の分類のことで、放射線源の線量の大きさでクラスが決められている。例えばセシウム137ならカテゴリ1は、100TBq(100兆ベクレル)以上、カテゴリ2は、1TBq(1兆ベクレル)以上、カテゴリ3は100GBq(1000億ベクレル)以上。

 ※≪事故情報編集部≫より
 この文章は、3月7日受信です。