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毎日新聞 2021/11/25 18:27(最終更新 11/25 20:35)
斉藤国交相の衆院選演説会で「旅費」 広島県トラック協の関連団体
斉藤鉄夫国交相
衆院選広島3区(広島市安佐南区など)で当選した公明党の斉藤鉄夫国土交通相が選挙中に開いた演説会を巡り、運送業者などでつくる「広島県トラック協会」の関連団体が、参加した会員企業の従業員に旅費名目で現金を渡していた。関係者への取材で判明した。斉藤国交相はトラック業界を含む運輸行政を所管している。斉藤氏の事務所は現金支給への関与を否定した。
斉藤氏の事務所や協会によると、演説会は10月22日に広島市内のホテルで開かれ、支援企業やトラック協会を含む団体から計約300~400人が参加した。
現金を支払ったのは、県トラック協会が関連する任意団体「広ト協政策研究会」。会員企業の従業員に演説会への参加を依頼し、内規に基づき一定額を「旅費」として支給したという。
選挙演説会を巡る現金支給の構図拡大
選挙演説会を巡る現金支給の構図
公職選挙法は、特定の候補者を当選させる目的で金銭を渡す行為を「買収」として禁じている。
協会幹部は取材に、「斉藤事務所から演説会の案内があったので人を集めた。団体の規定に従って事務手続きを進めただけで、違法とは思っていない」と話した。支払った金額や人数は明らかにしなかった。
協会は毎年5億円程度の「運輸事業振興助成交付金」を県から受給しており、原資は国の地方交付税などでまかなわれている。研究会は協会と所在地が同じで、会長も兼務しているが、会計は別という。
広島3区は自民党の河井克行元法相の地盤だったが、2019年の参院選広島選挙区を巡る買収事件で河井氏が離党し、議員辞職した。斉藤氏が比例中国ブロックからくら替えして21年10月の衆院選に出馬し、「クリーンな政治」を訴えて当選した。
https://mainichi.jp/articles/20211125/k00/00m/010/183000c