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2021.10.16
震災の壮絶体験を漫画化 15歳で家族失い、ホームレス…謎の投稿主あぶくま君に会う
ずっと気になっているTwitterのアカウントがあった。名前は「あぶくま君」。15歳のときに東日本大震災に遭遇、家族や親戚をすべて失い、東京でホームレスに――。プロフィール欄にはそんな自己紹介文が載っている。
あぶくま君は自らの体験をもとにしたという漫画を日々投稿し、10月15日現在で73話にまでなっている。
2011年3月11日午後2時46分。中学の卒業式当日、突然強い揺れが襲う。主人公のあぶくま君は福島県南相馬市の中学3年生の男子。ほかの生徒たちは親たちが迎えに来る中、あぶくま君は家族と連絡がつかない。
一緒に暮らしていたのは母親と2歳の弟、姉と姉の息子(4)の4人。母親と姉に何度も電話したが応答がない。
仕方なく、一部の生徒や教諭らと避難所に身を寄せることに。数日後、自宅を見に行ったが津波に流され、跡形もなくなっていた。
避難所には連日遺体が運び込まれた。泣き崩れる遺族たち。そんな姿を見続けるうち、感情が失われていった。
家族が見つからないまま、ほかの被災者たちと県外の避難施設に移ることになったが、情報が錯綜し、向かった埼玉や東京では目当ての施設はなかった。
東京・新宿でみんなと別れ、そのままホームレス生活を送ることに。最新話では、親しくなったホームレスの男性から仕事を紹介してもらい、住み込みで働きながらお金を稼ぐことになる…。