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亡命希望のベラルーシ選手 成田空港に到着 ポーランドに出国へ
東京オリンピックに出場するため来日し、第三国への亡命を希望したベラルーシの陸上選手がさきほど成田空港に到着しました。
選手はこのあと亡命の受け入れを表明したポーランドに向けて出国することになっています。
成田空港に到着したのは陸上女子のベラルーシ代表、クリスチナ・チマノウスカヤ選手(24)です。
4日午前8時半ごろ、第1ターミナルに到着したワゴン車から降りたあと、報道陣の質問には答えず、無言で空港に入っていきました。
チマノウスカヤ選手はこれまでのNHKの取材に対し、チーム内での不満をSNSに投稿したところ政権批判だとして強制的に帰国させられそうになったと説明しています。
選手はヨーロッパの別の国への亡命を希望し、西の隣国ポーランドが人道的な配慮からビザを発給して亡命を受け入れました。
ベラルーシでは27年にわたって国を率いるルカシェンコ大統領が政権に批判的な人たちへの弾圧を強めていて、欧米などから批判が高まっています。
チマノウスカヤ選手は3日、AP通信のオンラインインタビューで「帰国すれば必ず何らかの罰を受けると言われた」と述べ、圧力を受けたと訴えました。
チマノウスカヤ選手はこのあとポーランドに向けて出国することになっています
亡命希望のベラルーシ選手 帰国指示背景に大統領判断の見方も
東京オリンピックに出場するため来日し、ポーランドに亡命する見通しとなっているベラルーシの陸上選手を巡って、突然の帰国を指示された背景には、反政権派への弾圧を強めるルカシェンコ大統領の判断があったという見方が出ています。
陸上女子のベラルーシ代表、クリスチナ・チマノウスカヤ選手(24)は、チーム内での不満をSNSに書き込んだところ政権批判だとして強制送還されそうになったとして亡命を希望し、隣国のポーランドが受け入れを表明しました。
チマノウスカヤ選手は、3日AP通信のオンラインインタビューで「帰国すれば必ず何らかの罰を受けるとはっきり言われた」と述べ、圧力を受けたと訴えました。
またこれに先立ってチマノウスカヤ選手はチームのヘッドコーチから、帰国をめぐる問題は競技団体やスポーツ省よりも上のレベルの扱いになっていると伝えられたと明らかにしています。
ベラルーシの政治評論家やジャーナリストは3日までに、複数の地元メディアに対して「この国では上司への抵抗や批判は権力への挑戦とみなされる」と指摘したうえで、選手が急な帰国を指示された背景にはルカシェンコ大統領の判断があったという見方を示しています。
ルカシェンコ大統領はオリンピックでの成果を国威発揚につなげたいと考えているとみられ、結果を出せない選手などには厳しく対応することを示唆していました。
チマノウスカヤ選手はポーランドへの亡命に向けて近く日本を出国する見通しです。