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6/18(金) 13:33配信 中国新聞デジタル

 

河井克行元法相に実刑判決、懲役3年 大規模買収事件で東京地裁


 2019年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、地方議員や後援会員ら100人に現金を配ったとして公選法違反(買収、事前運動)の罪に問われた元法相の河井克行被告(58)の判決公判が18日、東京地裁であり、高橋康明裁判長は懲役3年(求刑懲役4年)を言い渡した

【写真】判決の日、地裁へ向かう克行被告

 高橋裁判長は、現金受領側の100人のうち、広島県内の県議や市議ら42人の地方政治家に渡した現金について買収罪の成立を認めた。午後2時現在、判決の言い渡しが続いている。

 弁護側は執行猶予付きの判決を求めていたが、高橋裁判長は実刑が妥当と判断した。安倍政権で首相補佐官を務め、当時官房長官だった菅義偉首相にも近いとされた克行被告に実刑判決が言い渡され、政権運営に影響が出るのは必至だ。

 保釈中の克行被告は公判終了後に即日収監される見通し。控訴期限の7月2日までに検察、弁護側から控訴がなければ、刑が確定する。

 起訴状によると、自民党の衆院議員だった克行被告は、妻の案里元参院議員(47)=有罪確定=を当選させるため、19年3~8月に県議や市町議、首長らを含む100人に票の取りまとめを依頼する趣旨などで計2901万円を配ったとされる。100人は公判で検察側の証人として出廷するなどし、うち94人が克行被告らの買収の意図を感じたと認めていた。

 克行被告は昨年8月の初公判で全面無罪を訴えたが、今年3月の被告人質問で主張を転換。100人のうち、90人に渡した金について「案里の当選を得たい気持ちが全くなかったとはいえない」と買収目的を認め、4月1日に衆院議員を辞職した。

検察側「反省の情は皆無」と指摘
河井克行被告を乗せて東京地裁に入る車=18日午後0時54分

 検察側は4月末の論告で「国会議員による前代未聞の大規模買収事件で、票を金で買おうとした。厳罰で臨む必要がある」と指弾。全面無罪主張の撤回や議員辞職についても「刑事責任を少しでも軽くしようとするものにすぎない。反省の情は皆無」と断じ、懲役4年を求刑していた。

 一方、弁護側は5月の最終弁論で地方議員に渡した現金について「広島の政界で孤立していた克行被告が仲間をつくり、次期衆院選で支援してもらうためだった」と主張。克行被告の政治基盤の強化が主目的で、参院選の3カ月前にあった統一地方選に乗じて陣中見舞いや当選祝いを渡したと訴えた。反省し、社会的制裁を受けたなどとして執行猶予付きの判決を求めていた。

 公判は起訴から100日以内に判決を出すよう努める「百日裁判」。現金を受け取った地方議員ら55人の証人尋問などで56回の公判が開かれ、昨年7月8日の起訴から11カ月を要した。

 広島選挙区(改選数2)では自民党が議席独占を掲げ、現職だった溝手顕正元防災担当相(78)に加えて案里氏を擁立。当時の安倍晋三首相や菅官房長官が支援し、党本部は河井夫妻の党支部に1億5千万円を送金するなど後押しした。選挙の結果、野党系の無所属現職森本真治氏(48)と案里氏が当選し、溝手氏は落選した。

 1億5千万円は、自民党本部が溝手氏側に提供した金額の10倍で、党内外から疑問や批判の声が噴出。税金で賄われる政党交付金も原資になっていたが、党本部は提供の経緯や使途の詳細について具体的な説明をしていない。

 案里氏については、県議4人に買収目的で160万円を渡したと認定した懲役1年4月、執行猶予5年の有罪判決が2月に確定。案里氏の当選無効に伴う4月の再選挙では、野党系の諸派新人が自民党の新人候補を破って当選した。

 

 

 

 

 

6/18(金) 13:37配信 毎日新聞

 

河井克行元法相に実刑判決、懲役3年 大規模買収事件

 2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、公職選挙法違反に問われた元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)に対し、東京地裁(高橋康明裁判長)は18日、懲役3年、追徴金130万円(求刑・懲役4年、追徴金150万円)の判決を言い渡した。

 起訴状によると、克行元議員は19年3~8月、妻の案里元参院議員(47)=有罪確定=を当選させる目的で、地方議員や後援会関係者ら100人に総額約2900万円を配ったとされる。20年8月の初公判で「選挙運動を依頼する趣旨はなかった」と無罪を主張したが、21年3月の被告人質問で撤回。起訴内容を大筋で認めていた。

 検察側は「前代未聞の突出して悪質な選挙違反」として実刑が相当と主張。克行元議員側は議員辞職したことや、逮捕後に支払われた歳費の一部700万円を児童福祉関連の財団法人に寄付したことなどを挙げ、執行猶予付きの判決を求めていた。

 

 

 

 

 

 

【激震 元法相夫妻公判】10万円「パチンコに」 元安芸高田市議、受領認める

2020/12/9 23:04

 

 昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=の第18回公判が9日、東京地裁であった。検察側は、克行被告から10万円を受け取ったとされる青原敏治・元安芸高田市議(70)の供述調書を朗読。青原元市議が「(10万円をもらえて)ラッキーだと思った。大好きなパチンコに使った」と供述していたことを明らかにした。

 ▽「封筒焼却」発言を一転

 供述調書によると、克行被告が昨年6月8日、参院選に出る妻案里被告(47)=参院広島=のポスターなどを持参して青原元市議の自宅を訪問。「家内を頼む」という趣旨の話をした後、「これも取っといて」と封筒を差し出した。青原元市議は、買収のための違法な現金と気付いて受け取りを拒んだが、克行被告は「まあまあ。入れておきますね」と、チラシなどが入った大きな封筒の中に入れた。

 克行被告が帰宅後に封筒を開けると、10万円が入っていた。罪悪感を感じたが、パチンコが好きだったため「ラッキー」と思い、1、2カ月で全額を同市内のパチンコ店で使った。7月4日の参院選の公示日には案里被告の出陣式に参加。選挙期間中は選挙カーの誘導をするなど、案里被告を支援したという。

 この現金授受を巡っては、青原元市議が今年6月26日に記者会見。克行被告が案里被告のチラシが入った封筒を自宅に置いて帰ったが、自身は封筒に10万円が入っていることに気付かず、中身を確認しないまま参院選後に封筒ごと燃やしたと説明していた。その後、市民に迷惑を掛け、混乱を招いたとして、7月17日に市議を辞職した。

 記者会見と供述調書の内容が食い違う点について青原元市議は公判終了後、同市内の自宅前で中国新聞の取材に「(記者会見では)パチンコに行ったと言えなかった。責任を取って辞めているんだからいいじゃないか。もう話すことはない」と強調。「ラッキーとは一つも思っていない。検察が(供述調書に)書いただけだ」と釈明した。

 この日の公判では、検察側は昨年6月に5万~10万円を受け取ったとされる後援会員3人の供述調書も朗読。3人とも後日に克行被告や事務所スタッフに返却したとの供述内容が読み上げられた。