《被処分者の会通信から》
◆ 2027年卒業式をめぐる状況と今後の取り組み
卒入学式対策本部・川村佐和
★ 卒業式総括集会 3月31日(水)13:30~ としま区民センター701・2・3(池袋駅東口)
卒業式の日の朝、若手の教員たちが式場内の自分の席について「間違えたらどうしよう」と不安がって確認しあっていました。
その中の一人に「卒入学式はきちんとした方がいいということで座席が決まっているんでしょうか。」などと尋ねられたので、「不起立者や不入揚者を現認するためだ。10.23通達以前は座席なんて決まっていなかった。」と説明したら、「え一っ!そんなことのために座席が決められているなんてひどい!」と彼は呆れていました。
私は10.23通達がここまで風化していることに今さらながら驚きました。
そういえば、10年ぐらい前までは、包括的職務命令が出るときには、必ず座席指定について校長に抗議する教員がいました。今はそういう教員もいなくなって、座席指定の意味もすっかり忘れられているのです。10.23通達によって学校や卒入学式がどのように変わったのかということを折に触れて語り継いでいくことの重要性を改めて強く感じました。
10.23通達発出から18回目の卒業式が行われています。今年もまだ卒業式での不起立等の情報は入ってきていませんが、10.23通達に対する抵抗は終わったわけではありません。私が今最も大切にしている闘いの一つは、卒業式の包括的職務命令が出される職員会議での発言です。
何を話せば他の教員に共感してもらえるのか、いつも頭を悩ませるのですが、今年はすぐに決まりました。国歌斉唱といいながら、CDを立って聞くだけの異常さ、卒業式を1時間で終わらせるために、送辞や答辞はたったの3分におさえられているのに国歌斉唱は行うこと等、コロナ禍の卒業式は例年以上におかしなことだらけ。ILO/ユネスコの勧告にもふれつつ、都教委の国歌斉唱への異常なまでの執着ぶりについて話そうと決めました。
私の発言の後、教務主任(昨年まで分会長でした)も「私も本当は起立なんかしたくない。起立しないと面倒なことになるから、仕方なく起立しているだけなんだ。こんな命令はもうやめてほしい。」と発言しました。
職員会議の後、卒入学式対策本部で作ったリーフレットを後ろの席の若い教員に渡しました。彼女はリーフレットを丁寧に読んだ後、「日の丸や君が代は卒業式にはふさわしくないと私も思います。きっとみんな嫌なんだと思います。ただそれを口にすることができないだけなんです。」と話していました。こういう発言に私は希望を感じています。
「日の丸・君が代」の強制をおかしいと思っている教職員はきっとたくさんいて、都立学校の多くで様々な闘いが今後も繰り広げられ続けることを私は願っています。
3月31日(水)には13時30分から、としま区民センター701~703会議室で集会(不起立があった場合は「卒業式処分抗議・該当者支援総決起集会」、なかった場合は「卒業式総括集会」)を行います。
この集会では、コロナ禍の下行われた二度目の卒業式の状況と問題点を共有するとともに、東京「君が代」裁判五次訴訟提訴のお披露目も行います。ぜひお集まりください。
『被処分者の会通信 第132号』(2020年3月18日)