1970年代まで、公立・医学部付属看護学校は、基本的に寮費も無料でした。

 

 

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配信

「看護師の卵」コロナで困窮 病院実習に備えバイト自粛、貯金削り昼食も我慢

 

 

炊き出しで、ご飯やおかずを受け取る看護学生ら=金沢市堀川新町の金沢医療技術専門学校で2020年8月7日午前11時55分、阿部弘賢撮影

 

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、経済的な苦境に追い込まれる学生らが増えている。中でも深刻なのが看護学生たちだ。病院など実地研修先に感染を広げないよう、学費や生活費を稼ぐためのアルバイトに制限を受けている。大きな負担を強いられる医療現場で専門スタッフの確保が重要になる中、“看護師の卵”に対する支援の必要性を訴える声が上がっている。

 

 

  ◇マスクや消毒液は自己負担  石川県内で最大規模の看護師養成機関である金沢市の金沢医療技術専門学校には、看護学科(3年制)の学生約130人が学ぶ。同校によると、市内の病院や保育園などで行う専門的な実習は3年時に始まるが、今年は実習先にウイルスを持ち込まないよう、不特定の人と接する可能性のあるバイトの自粛が求められている。また処置ごとに交換するため1日に何枚も使うマスクや消毒液などを各自で確保しなければならず、学生の経済的な負担も大きいという。相川みづ江学科長は「昼食を我慢してマスクを購入する学生もいる。6~7割の学生が困窮している印象だ」と話す。  バイトで得ていた月数万円の収入を失い、生活費や貯金を削って実習を続けている学生も多い。30代の女子学生は、実習先が遠く交通機関のないところにはレンタカーを借りなければならないこともあり、普段はバスの利用をやめて遠くても自転車で通う。「できるだけ100円均一の店で買い物をしている。洋服の購入や外食などは一切できない」。20代の女子学生は「マスクはボロボロになるまで洗濯して使い、チラシを見て少しでも安い店で食料を買って3食自炊している」と話す一方、「早く看護師になって、コロナで大変な医療現場の力に少しでもなりたい」と力を込めた。  県によると、県内には13の看護師養成機関があり、毎年500人前後が新たに医療現場に立っている。地域偏在の解消などのために一部学生に学費の支援をしているが、新型コロナ対策での支援はない。業界団体などからのマスクの寄贈もあるが、十分な量とは言えないのが現状だ。  学生らの窮状を受け、8月上旬には同校で炊き出しイベントがあり、NPO法人や民間企業などが約110人分の炊き込みご飯や焼き魚、スイカなどの昼食を提供した。生活困窮者や学生らに食料を提供する活動を続ける子ども食堂「かなざわっ子nikoniko倶楽部」の喜成清恵代表は、日常生活が大きく制限される看護学生特有の問題を考慮する必要があると指摘。「学生がここで諦めてしまえば、未来の医療従事者がさらに足りなくなってしまう。経済的な支援だけでなく、どういうサポートができるのか、周りの大人たちは考えるべきではないか」と訴えた。

 

【阿部弘賢】

 

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/a8a631363ec352a87d217d6117d805f70e348396