◆ 自由、公平、国際的 (東京新聞【本音のコラム】)

師岡カリーマ(もろおかかりーま・文筆家)


 規制が強化される香港で、当地の金融人材は「耐えられるだろうか」と言って片山さつき参院議員「フリー、フエア、グローバルな」東京に誘致する意欲を示す。
 いいね!中国が国歌侮辱を罰するとダサいけど、東京が学校で国歌斉唱を強要してもフリーだというのは、フェアじゃないような気もするが。

 グローバルな東京では今、この国で生活や仕事を続けることへの不安が外国人の間で広がりつつある印象だ。
 コロナ水際対策として多数の国や地域からの入国禁止が続いているが、邦人は十四日間の自己隔離などの条件のもと帰国できる
 でも在日外国人は、永住権を持つなど生活の基盤が日本にあっても、または家族が日本人でも、一定の日付以降に出国した場合は戻れない可能性が大きい。


 コロナ禍で国境を封鎖した国は多いが、再入国に関し国民と永住者を区別するのは先進七ヶ国では日本だけという。

 この大変な時に海外に行く方が悪い、と言えるか。親が危篤ぐらいで出国するな、と。
 人道的観点からケース・バイ・ケースで判断する方針だというが、当事者にとってこの不透明さは心細い

 国民同様に税金や健康保険料を払い、社会に貢献していても、いざという時は締め出されるという不信感。
 これが現状なら、フェアでもグローバルでもない。ようやく見直しの動きがあるが、遅すぎる。

『東京新聞』(2020年7月26日【本音のコラム】)

 

 

パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2

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