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■毎日新聞2020年5月5日 16時36分(最終更新 5月5日 21時50分)
感染者の非公開情報を掲載し、謝罪する愛知県職員ら=愛知県庁で2020年5月5日午後3時3分、岡正勝撮影
愛知県は5日、新型コロナウイルス感染症に関するウェブページに、感染者の入院先の医療機関名など非公開の個人情報490人分を同日午前9時半から約45分間、掲載するミスがあったと発表した。うち396人分は、実名も公開されていた。県は、今のところ悪用されたケースは確認されていないと話している。
大村秀章知事は「あってはならない事態を招き、深くおわびを申し上げます」とのコメントを発表。県保健医療局の吉田宏局長は記者会見を開き、「患者や家族にいわれなき差別が発生している中で、風評被害防止に率先して取り組むべき県が情報を掲載した。大変申し訳ない」と謝罪した。
ミスがあったのは「県内発生事例一覧表」という表形式のファイル。4日までに確認された県内の全感染者の入転院先医療機関のほか、入退院日やクラスター(感染者集団)の属性も含まれている。名古屋市や県内の三つの中核市が独自に入院先を決めた感染者以外の396人は、名前も公開されてしまった。
こうした個人情報は5日午前9時半ごろから誰でも閲覧できるようになり、同10時15分ごろ県民の指摘を受けて削除するまでの間、362件のアクセスがあった。ダウンロードの有無について、県は「分からない」と話している。
県によると、原本ファイルから個人情報を削除した掲載用ファイルを受け取った担当職員が、誤って原本ファイルをウェブ上に登録してしまった。登録時に、正しいファイルかを別の職員がチェックするルールだったが、チェックを受けていなかった。県感染症対策室は「業務が重なる中で、ダブルチェックの意識が低下していたのだろう」と説明した。【岡正勝】