2019年12月5日 2つのニュース

 

■北海道警の巡査部長、他人のカード情報で買い物した疑い

 

 不正に入手した他人名義のクレジットカード情報を使い、通信販売サイトで買い物をしたとして、兵庫県警は5日、北海道警帯広署刑事2課の巡査部長、池田勝丸容疑者(34)を電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。

 

 県警サイバー犯罪対策課によると、池田容疑者は、不正に入手した他人名義のクレジットカード情報を使って決済アプリ上でプリペイドカードを作成。このカードを使って通信販売サイトでイヤホン(約1万8千円)を買った疑いがある。イヤホンはネット上で売っていたという。

 

 北海道警によると、池田容疑者は2010年に道警に入った。刑事部門を中心に勤め、16年4月から帯広署の刑事2課に所属。詐欺などを捜査する知能犯係を担当していた。北海道警監察官室の尾辻英一室長は「北海道警察の職員がこのような事案を起こし逮捕されたことは誠に遺憾です。深くおわび申し上げます。今後明らかになった事実に基づいて厳正に処分いたします」とのコメントを出した。

 

 

■自治体向け業務システムで不具合 全国50区市町村に影響

 

東京の情報処理会社が自治体向けに提供している業務システムで4日から不具合が続き、全国50の区市町村に影響が出ています。復旧の見通しは立っていないということです。

 

このうち、東京 中野区では、戸籍謄本など戸籍に関する証明書が発行できなくなっているほか、出生届や婚姻届などはシステムに登録することができず、受け取りのみを行っています。

また、区のホームページが閲覧できなくなっていて、ツイッターなどのSNSを通じて情報を周知するとともに案内係の職員を多めに配置するなど対応を取っています。

練馬区の60代の男性は「本籍が中野区なので仕事を休んで戸籍謄本を取りにきましたがとることができずに困っています」と話していました。

中野区戸籍住民課の辻本将紀課長は「住民サービスにも影響が出ていることに申し訳なく思います。住民への影響を最小限にできるよう対策を取っていきたい」と話しています。

システムを提供している東京 千代田区の「日本電子計算」によりますと、4日午前11時ごろからサーバーのシステムに不具合が発生し、これまでのところ、復旧の見通しは立っていないということです。

 

 

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東京は「世界一安全」か「世界一危険」か

 

世界の都市のランク付けをしている英国の組織がある。この秋に、まったく矛盾する二つの結果が出た。

 ひとつは英国の『エコノミスト』誌の関係会社が発表している「安全都市指数」という調査。世界で安全な都市ランキングで、1位は東京、以下2位はシンガポール、3位は大阪、4位はアムステルダム(オランダ)、5位はシドニー(オーストラリア)、6位はトロント(カナダ)というものだ。

 これはサイバーセキュリティ、医療・健康環境、インフラの安全性、個人の安全性などで評価したものだ。

 しかし保険会社の評価は違う。同じく今年出た英国の保険組織のロイズが英国ケンブリッジ大学と共同で行っている「都市リスク」では、1位が東京、2位がニューヨーク(米国)、3位がマニラ(フィリピン)、4位が台北(台湾)、5位がイスタンブール(トルコ)、6位が大阪、7位がロサンゼルス(米国)ということになっている。

 こちらは紛争や災害の脅威を試算したものだ。保険金の支払いをになっている会社らしいランキングである。

 さて東京は「世界一安全な都市」なのか、それとも「世界一危険な都市」なのだろうか。

 じつは、両方とも正しいのだ。たしかにサイバーセキュリティをはじめ、医療・健康環境や個人の安全性では東京をはじめ、日本は図抜けている。

 だが、日本に2種類起きる地震のうち、内陸直下型地震がどこでいつ起きるか分からない。阪神淡路大震災(1995年)はそのひとつの例だ。もう一種の海溝型地震も、南海トラフ地震や次の関東地震が、プレートが動いている限り次の大地震に刻々近づいていることは確かなことだ。

 大地震だけではない。気象災害も地球温暖化とともに、「気象が凶暴化」して、台風も大雨も竜巻も増える傾向にある。

 げんに、保険の支払額からいえば、過去の日本で1位は1兆678億円の2018年の台風21号で兵庫・京都・大阪などに支払額が多かった。2位は5680億円の1991年の台風19号で、支払は全国にわたった。3位は3874億円の2004年の台風18号、4位は3224億円で2014 年の雪害だった。なお、これには今年起きた台風15号や19号の被害は入っていない。ともに、入ればずいぶん上位になるだろう。

 一方、地震での支払額は、2011年の東日本大震災が1兆2833億円でダントツだったものの、2016年の熊本地震が3859億円、2018年の大阪北部地震が1072億円、歴代4番目が阪神淡路大震災で783億円、5位が2018年に起きた北海道胆振東部地震387億円だった。

 東日本大震災を除けば、気象災害よりも少ない。だが、震度7で6400人以上の死者を出した阪神淡路大震災が震度6弱の大阪北部地震より少ないなど、最近ほど支払額が増えてきている。もし首都圏が大地震に襲われたら、保険金額は一気に跳ね上がるに違いない。

 自然災害の多発時代を迎えているのだ。災害列島ニッポン。