説明・学習抜きの「君が代」斉唱強制は、人権侵害です。
市教委は市民団体に公表した内容を、学校に対して、なぜ隠すのでしょうか?
◎ 大阪市立学校のすべての学校長・教職員のみなさまにお願いします。
卒業式・入学式の「君が代」指導を児童・生徒の人権を尊重した内容に改善してください。

 私たちは、現在大阪市立学校で、教育長通知にもとづいて行われている卒業式・入学式の「君が代」起立・斉唱強制は子どもたちの人権を侵害していると考えています。
 その理由は、「君が代」の歌詞の意味も、歴史も教えることなく単に「国歌だから歌え」式の一種調教とも言える指導で強制されているからです。指導している教員自身も歌詞の意味を知らないケースもあります。
 しかし「君が代」には、その意味するところと歴史性から、起立し斉唱することに忌避感を抱く児童・生徒・保護者、そして教職員が少数であっても存在します。
 そういった少数者の人権を配慮する責任が学校にはあります。



 ところが、大阪市教委は、今年も「卒業式及び入学式における国旗掲揚・国歌斉唱について(通知)」(2月8日付)という教育長通知を出しました。
 この内容は、私たちの指摘する人権への配慮や、せめて正しい歌詞の意味(「君が代」の「君」は天皇であるということ)を教えることという要請を全く無視したものです。
 私たちは、この数年来、「君が代」指導のあり方について、再三、要請と市教委との市民協議を重ねてきました。その中で確認された公式文書での市教委回答が以下です。
【市教委回答(2016年12月、2018年11月)】
《学習指導要領の趣旨を踏まえ、教育活動の一部、または全部に参加できない意思を示す児童生徒がいた場合、その思いを尊重するとともに、指導にあたっては、児童・生徒の実態をふまえながら、参加のあり方について、当該児童生徒の気持ちに寄り添った丁寧な対応を心がけることが大切であると考え、今後も適切な指導に努めてまいります。》
 つまり、「君が代」を何らかの理由で「歌いたくない」と表明する児童生徒に対して、決して強制しない、歌うように説得もしない、という意味で、市教委もそう説明しています。
 これが、この間、市教委が私たちに示した回答です。

 ★ 先生方にお願いです。

 「卒業式に向けた12月校長会指示と2月教育長通知に、『(子どもの権利条約の規定をふまえ)「君が代」斉唱に関わる正確で十分な情報を提供し、考え、態度を決める主体は児童・生徒であるという立場でていねいな指導を行うべき』との市教委の立場を示すこと。また、『指導内容についての権限は学校(学校長)にある』ことを明示すること。」という私たちの要請に対して、市教委は、「各学校の実態に応じ、学習指導要領の趣旨と内容に則って行うのであれば問題ないと考えている」と答えています。(2019年1月17日 市民団体協議)

 学校が、児童・生徒の人権を尊重した「君が代」指導に転換する条件はすでにできています。

 私たちは卒業式や入学式に「日の丸」や「君が代」はいらないという考えを持つ者ですが、しかし仮に、教育活動としてされる場合は、とりわけ「君が代」についてその歌詞の意味(天皇の治める世が末永く続くことを願う歌)や歴史(天皇のために命をささげよと教えた戦前と戦時中の歴史)について、児童・生徒に説明した上で指導するようお願いします。
 さらに、歌いたくないという児童・生徒に無理やり歌わせることなく人権を守る配慮をお願いします。
 ぜひ、実践へと踏み出していただくようお願いいたします。

 ※ 私たちの2018年10月29日付要請書と11月27日付大阪市教委回答はすでに大阪市のホームページに掲載されています。
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/dantaikyogi/kyoiku/0000456975.html

 ※ この「お願い」に対する返信・お問い合わせは
dtac@aol.jp
 にお願いします。
Democracy for Teachers and Children.

『D-TaC(「君が代」不起立処分撤回!松田さんとともに学校に民主主義を!)』(2019年3月2日)
https://democracyforteachers.wordpress.com/2019/03/02/