ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-



9/12(水) 10:57配信 北海道新聞

復旧情報、国や道が先行 北電対応に募る不信

復旧の対応に追われる北海道電力の本店

公式ツイッター凍結、地震後に再開

 胆振東部地震の発生以降、停電状況や苫東厚真火力発電所(胆振管内厚真町)の復旧見通しなど電力に関わる重要情報は、当事者の北電ではなく、監督官庁の経済産業省や道の主導で発信されている。送電エリア全域が連鎖的に停電する前代未聞の「ブラックアウト」への対応に手いっぱいという事情もあるが、当事者意識を欠いた北電の姿勢に不信感が募っている。

【動画】復旧作業が本格化 胆振東部地震の被災地

 北電は10日午後10時半ごろ、経産省に苫東厚真の復旧時期の見通しなどを報告していたが、道民に説明するために記者会見を開いたのは11日正午。約半日も遅れたことに対し、阪井一郎副社長は「(10日の報告は)遅い時間帯になったので、すぐに(道民への説明を)報道機関にお願いしないといけない状況ではなかった」と釈明した。

 地震発生後からこうしたケースは繰り返されてきた。約295万戸が停電して以降、復旧情報などは国や道が先行し、北電はその内容を「後追い」。計画停電実施の有無も、本来は真っ先にアナウンスすべき北電ではなく、すべて世耕弘成経産相が東京で発表していった。北電の真弓明彦社長は地震発生当日の6日夕に記者会見した後、会見に再び姿を現したのは8日夜。実は経産省が「トップ自ら情報発信するように強く助言した」(同省関係者)からだという。

 世耕経産相も11日、北電の公式ツイッターが昨年3月から凍結していて、地震発生後に再開したことについて記者団に「驚いた。(北電に)迅速な情報提供を求めたい」と語った。

 国や道、北電との足並みの乱れも際立つ。経産省や道が8日時点で2割の節電目標を発表した後になっても、真弓社長は数値目標を設けない方針を示していた。北電は自ら10日までに示すとした計画停電実施の際の基本的な枠組み(スキーム)を「精査中」としていまだに公表できていない。多くの北電社員は不眠不休の復旧に追われているが、ある社員は会社の対応の鈍さに「返す言葉がない」とうなだれた。