■4/23(月) 15:08配信 弁護士ドットコム
NTTグループ、海賊版3サイトのブロッキング実施へ…「法整備までの短期的な緊急措置」
NTTグループは4月23日、サイトブロッキングに関する法制度が整備されるまで、短期的な緊急措置として、3つの海賊版サイトに対してブロッキングをおこなうとホームページ上で発表した。準備が整い次第、実施するという。
実施するのは、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社NTTぷららの3社。NTTコミュニケーションズによると、対象となる海賊版サイトは、政府が4月13日の対策発表時に名指しした「漫画村」「Anitube」「Miomio」だという。
海賊版サイトのブロッキングをめぐっては、法学者や業界関係者を中心に「通信の秘密」の侵害にあたるなどとして、批判する意見があがっていた。NTTグループは「政府において、可及的速やかに法制度を整備していただきたいと考えている」としている。
ブロッキングに関して、NTTの担当者は「いろいろな批判があることは承知しているが、著作権侵害サイトに対して、何らかの対策をすることに異論はないはず」と説明。コンテンツ事業者(コンテンツ海外流通促進機構CODA)から要望されたこと、政府が3サイトについて「ブロッキングすることが適当」という緊急対策を決定したことを受けて、今回のブロッキングに踏み切ったとした。
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日本政府:「知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議」の要請を受けたNTTグループ3社による「ブロッキング」は、憲法21条違反であるとともに、憲法第98条第2項で保障している条約:市民的政治的権利に関する国際規約(※自由権規約) 第17条及び19条違反です。
サイトのブロッキングは、国際問題です。
まず国会で、自由権規約(第19条)に照らして法律を作り、その法律に違反しているという合理的判断をしなければなりません。
もし、NTTがこの判断ぬきにブロッキングを強行した場合、憲法第21条とともに憲法第98条および自由権規約違反です。
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自由権規約 :抜粋
第17条
1 何人も、その私生活、家族、住居若しくは通信に対して恣意的に若しくは不法に干渉され又は名誉及び信用を不法に攻撃されない。
2 すべての者は、1の干渉又は攻撃に対する法律の保護を受ける権利を有する。
第19条
1 すべての者は、干渉されることなく意見を持つ権利を有する。
2 すべての者は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。
3 2の権利の行使には、特別の義務及び責任を伴う。したがって、この権利の行使については、一定の制限を課すことができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。
(a) 他の者の権利又は信用の尊重
(b) 国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護
自由権規約第19条第3項に明確に違反していることを
「この権利の行使については、一定の制限を課すことを認めていいるものの、
「ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。 」と厳密に
(a) 他の者の権利又は信用の尊重
(b) 国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護
- 条約機関の一般的意見
- https://www.nichibenren.or.jp/activity/international/library/human_rights/liberty_general-comment.html#10
一般的意見10 (19) (19条・表現の自由) 1983.7.29採択
1 第1項は、 「干渉されることなく意見を持つ権利」 の保護を要求する。 これは、規約がいかなる例外又は制限をも許さない権利である。 委員会は、第1項に関する締約国からの情報を歓迎したい。
2 第2項は、 表現の自由についての権利の保護を要求するが、 その権利は、 「国境とのかかわりなく」、かつ、 いかなる方法によるものであっても、つまり 「口頭、 手書き若しくは印刷、芸術の形態又は」 自ら選択する 「他の方法により」、 「あらゆる種類の情報及び考えを伝える」自由のみでなく、それを 「求め」 そして 「受ける」 自由が含まれる。 必ずしもすべての締約国が表現の自由のすべての側面に関する情報を提出してきたわけではない。例えば、現代のマスメディアの発展によって、 第3項で規定されていない形ですべての人の表現の自由についての権利に干渉するようなそれによる管理を阻止するために、効果的な措置をとることが必要であるということに、従来はほとんど注意が払われてこなかった。
3 締約国の多くの報告は、 表現の自由が憲法又は法律保障されていることを述べるにとどめている。しかし委員会は、 法律上及び実行上の表現の自由の正確な制度を知るためには、それに加え、表現の自由の範囲を明確化する規約、 又は、 一定の制限を定める規則及び事際上本権利の行使に影響を与えるその他の何らかの条件を定める規則のいずれかについての関連情報を必要とする。個人の権利の実際の範囲を決定するものは、表現の自由の原則とそのような制限との間の相互影響なのである。
4 第3項は、 表現の自由についての権利の行使が特別の義務及び責任を伴うことを明示的に強調する。そしてこの理由から、 本権利に対する一定の制限は、他の者の利益又は共同体の全体としての利益のいずれかに関わる場合に許される。しかし、 締約国が表現の自由の行使に対し一定の制限を課する場合、その制限は、権利それ自身を否定するような状況に陥らすことはできない。 第3項は、 条件を定めており、そして制限が課されうるのはこの条件に服する場合のみである。つまり、 制限は、「法律によって定められ」 なければならないし、 第3項(a)及び(b)で定める目的の一つのために課することができるのみであるし、そしてこの目的の一つのために当該締約国にとって「必要」 とされるものとして正当化されなければならない。