☆ 東京「君が代」裁判4次訴訟控訴審判決 4月18日(水)13:15~ 東京高裁824

  2月7日東京高裁、1回で結審
 ☆ 4月18日判決 傍聴支援を!
   水曜日13時15分開廷 824法廷 (ぽこあぽこ)


 2018年2月7日10時、「君が代」4次訴訟第1回高裁弁論が824号法廷で開かれました。70名余の方に傍聴に来ていただきありがとうございました。
 東京高裁第12民事部杉原則彦裁判長は、型通りに書面の確認をした後、「それでは原告側の意見陳述を認めます」と陳述を促し、熱心にきいていました。控訴人の田中、大能さん、続いて弁護団の澤藤、白井弁護士4名がそれぞれに素晴らしい陳述を行いました。
 その余韻もさめやらぬ中、杉原裁判長は「証人申請の出ている島薗さんですが、意見書をよく読みました。証人尋問までする必要はないので申請は脚下します。」「これで結審します。判決言い渡しは4月18日13時15分、当法廷です」と早口で言いました。


 あわてて澤藤弁護士が立ち上がり“ちょっと待ってください。私どもはこれから行政法など別側面の証人申請もするところで、納得できる裁判をお願いしたい”と必死で訴えたところ、裁判長は「3人で合議します」と奥へ引っ込みました。
 しかし5、6分後に戻るや、判決言い渡しは、4月18日13時15分、この法廷です。これで終ります。」と言い放ち、奥へと去ってしまいました。
 呆然。

 杉原裁判長は、現職の陸上自衛官が国を相手取り、安全保障関連法に基づく出動命令に従う義務がないことの確認を求めた、いわゆる無効確認訴訟(予防訴訟と同じ)で、審理を東京地裁に差し戻す、という画期的な判決を1月31日に出していました。
 それだけにこちら側にも若干期待があり、まさかの一発結審、島薗証人申請脚下にあうとは思いがけず、大層落胆しました。

 しかし、直後に日比谷図書文化館で開いた報告集会では、口々に、新たに仕掛けた儀式論や憲法論が取りあげられずに残念だが、精一杯控訴審に向け書面を書き尽くした、やれる限りのことはやりきった、4月18日の判決を堂々と迎えよう等、前向きな意見が出され、熱気にあふれた集会となりました。
 皆さん、4月18日(水)判決言い渡しの日は、万障お繰り合わせの上、ぜひとも傍聴支援に駆けつけてください。国家主義教育の復活を強行してきた安倍政権を追いつめきっていれば喜びの笑顔で、まだならば更なる闘いに向けた固い決意で、4次訴訟高裁判決を、一緒に824法廷できいていただけませんか。
 全処分取り消し、10・23通達撤回の日まで、ともに闘っていきましょう。
 *傍聴は開廷30分前集合、先着順です。なお、当日は弁護士会館前から裁判所までの入廷行動も予定しております。(12時15分頃弁護士会館前集合予定)どうぞご参加ください。

 2月7日陳述のごく1部を紹介します。

 東京都教育委員会は「教師が生徒に対して起立斉唱する姿を見せること、範を示すことが大切である。」と言います。しかし、私にとって、「君が代」斉唱時に起立斉唱することは、決して単なる「慣例上の儀礼的所作」ではありません。上述のように、私の歴史観に照らして、それらの歌や旗に敬意をあらわすことが、平和に生きる権利を否定し民族差別を肯定する行為なのです。(田中聡史)

 この問題は、単なる公務員の職務命令違反ではありません。私は、不起立の結果もたらされる処分を思って心貧しくも悩み、それでも自分が起立することで思春期の生徒に圧力を加える恐ろしさに耐えられませんでした。せめて彼らが自分の意志で行動を選択できるようになるまでは、待ってほしいのです。この法廷で私たちが問うているのは、教師としての倫理の問題なのです。(大能清子)

 儀式的行事における儀礼的所作とは、宗教にその典型を見ることができるものです。また、戦前の国家神道と密接に結びついた天皇崇敬行事もこれにあたるものなのです。さらに、宗教的にはまったく無色でも、集団的な儀式的行事における儀礼的所作の強制が、特定の思想を成員に刷り込む効果をもつことはよく知られていることです。…現在行われている卒業式等での「国歌斉唱」の強制が、いかなる政治的宗教的意味をもっているのか、また、教員と生徒たちの精神の自由をいかに蝕んでいるのか。是非とも、証人として採用のうえ、その説示に耳を傾けていただくよう、お願いいたします。(澤藤統一郎)

 10・23通達をめぐる様々な訴訟は,教員の思想良心,信仰の自由の問題として争われてきました。もちろん,それは重要な側面です。しかし,それだけではこぼれ落ちてしまう,別の重要な側面があります。「公権力行使の権限の限界を喩越する問題」として控訴理由書で論じました。この主張は,教員の歴史観・世界観・教育観,あるいは「日の丸」や「君が代」に対する評価とは無関係です。仮に「日の丸」や「君が代」に否定的評価をもたず,敬意表明をすることになんの抵抗も感じない教員との関係であっても,起立斉唱を学校で強制することは公権力行使の権限の限界を超えているという主張です。(白井創)

 ☆ 不当処分!
 都教委は、2月21日、昨年9月地裁判決により減給処分取り消しを勝ち取った現職教員2名に、不当にも戒告の再処分をしました。同一事案に2度の処分などとはあってはなりません。私たちは都教委を許さず、今後も「日の丸・君が代」強制反対の闘い、全処分撤回の闘いを前に進めていきます。

『ぽこあぽこ 第20号』(2018年3月17日)