NHKNEWS
新潟や北陸中心に大雪 平年の3倍から10倍以上の積雪も
1月12日 9時36分
上空の強い寒気と強い冬型の気圧配置の影響で新潟県や北陸を中心に大雪になっていて、平年の3倍から10倍以上の積雪になっているところがあります。新潟県や北陸では13日にかけても局地的に雪が強まるおそれがあり、気象庁は、積雪や路面の凍結による車の立往生など、交通への影響に警戒するよう呼びかけています。
気象庁によりますと、上空の強い寒気と強い冬型の気圧配置の影響で、11日から日本海側の各地に発達した雪雲が流れ込んでいます。
特に新潟県や北陸で雪が強まり、新潟県阿賀町津川では11日に1日の降雪量が84センチと、昭和55年に記録を取り始めてから最も多くなりました。
この時間も雪は断続的に降り、この24時間に降った雪の量は、新潟県や北陸、北海道の多いところで40センチから80センチ近くに達しています。
午前9時の積雪は、新潟県阿賀町津川で1メートル40センチ、富山県高岡市の伏木で84センチ、新潟市で80センチ、富山市で53センチ、金沢市で45センチと、新潟県や北陸の各地で平年の3倍から5倍の積雪となり、特に新潟市では平年の11倍を超える積雪となっています。
このほか、山形県大蔵村肘折で2メートル47センチ、広島県北広島町の八幡で1メートル27センチと広い範囲で大雪となっているほか、長崎市で5センチなど、九州や四国の平地でも、雪が積もっているところがあります。
強い冬型の気圧配置は13日にかけて続く見込みで、西日本から北日本の日本海側を中心に断続的に雪が降り、新潟県や北陸を中心に、局地的に雪が強まるおそれがあります。13日朝までの24時間に降る雪の量は、いずれも山沿いの多いところで、北陸と近畿北部で50センチ、北海道と東北、それに岐阜県で30センチ、新潟県と中国地方で25センチ、長野県で20センチ、四国と九州北部で10センチと予想されています。
気象庁は、積雪や路面の凍結による車の立往生など、交通への影響に警戒するとともに、雪崩や着雪などにも十分注意するよう呼びかけています。
新潟 三条周辺では急速に積雪増える
JR信越線の列車が立往生している新潟県三条市の周辺では、11日、強い寒気の影響で局地的に発達した雪雲が流れ込み続けたため、積雪は午後から急速に増えていました。
気象庁によりますと、11日はこの冬いちばんの強い寒気が流れ込んだ影響で、朝鮮半島の北部の山で二手に分かれた風が日本海上でぶつかり、局地的に発達した雪雲となって新潟市や三条市周辺に流れ込み続けました。
三条市によりますと、市内の消防署に設置した積雪計で、11日午前7時の積雪は28センチだったものの、午後から急増し12時間後の午後7時には77センチに達したということです。このため三条市は、十分な除雪ができないおそれがあるとして、11日午後9時ごろ、不要不急の外出を控えたり、通勤通学の時間を変えたりするよう防災行政無線で市民に呼びかけたということです。
このほか、列車が立往生している三条市の現場から30キロ余り離れている新潟市のアメダスでも、11日午前7時には積雪がなかったものの、午後7時には40センチ、12日午前5時には68センチと増え続け、平年の10倍近い積雪となっています。
今回のような局地的に発達した雪雲の流れ込みは、13日にかけても新潟県や北陸の各地で予想されていて、気象庁は交通への影響や雪崩に十分注意するよう呼びかけています。
■信越線立ち往生
発車1分雪に阻まれ 狭い農道バス寄れず
毎日新聞 2018年1月12日
雪に慣れたはずの新潟で、満員状態の信越線普通電車が15時間半も立ち往生する異常事態。JR東日本が12日に行った経緯説明からは、事態を過小評価し、現場判断がことごとく裏目に出た様子が浮かび上がった。混み合った車内では乗客たちが互いに助け合いながら運転再開を待った。【南茂芽育、堀祐馬】
JR東によると、電車は午後6時55分、東光寺駅を発車。当時線路にはすでに大量の雪が積もっていたが、電車前面に雪をかき分ける金属板が付いており、「前進可能と判断した」(新潟支社広報室)。しかし発車して1分もたたないうちに、電車の前にたまった雪の重みで停止した。
東光寺駅への後退も検討したが、停止位置は踏切近くで警報機が鳴り出していた。この警報機は、鳴り始めてから後退すると、再整備が必要になる。「警報機の不具合で後続列車が通行できなくなるリスクを冒してまで駅に戻る意味はない」と判断。近隣駅から応援を得て、人力での雪かきを試みた。
しかし、雪かきを上回る速さで雪が積もり続け、運転再開に失敗した。代替輸送としてバスやタクシーの手配を試みたが、周囲は細い農道で、近くまでバスを寄せるのは不可能と判断。午後7時半ごろに、「線路の除雪を優先しよう」と長岡、新潟両市内に待機していた除雪車を出動させる準備に入った。だが、積雪量が多かったため、現場到着は翌朝にずれ込んだ。
車内は暖房が利いていたが、乗客は約430人と満員状態で立ち客も多かった。トイレは1カ所しかなく、飲み水を我慢する人も。12日午前0時前後から体調不良を訴える乗客が出始め、救急搬送された。水や食料の配布も午前2時40分ごろからと後手に回った。
JR東は「線路を歩くのは危ない」との判断から乗客が車外に出ることを認めなかった。しかし、付近で迎えの車が列をなしたのを受け、午前4時半ごろから車が来た乗客に限り降車を認めた。
■JR信越線 大雪で半日以上動けず 一時430人が車内に
1月12日 10時05分
11日夜、新潟県三条市にあるJR信越線の踏切で大雪の影響でおよそ430人が乗った電車が動けなくなり、半日以上たった今も線路上に止まったままになっていて、JRは復旧作業を進めています。信越線では3つの駅でも別の電車が止まり、乗客の一部が残されているということです。
JR東日本によりますと、11日午後7時前、新潟県三条市のJR信越線の踏切で、新潟発長岡行きの4両編成の普通電車が線路に積もった雪などの影響で動けなくなりました。電車にはおよそ430人が乗っていて、半日以上たった今も動けないままとなっています。
現場では午前4時半すぎ、家族などが迎えにきた一部の乗客が電車から降りたのに続き、午前8時ごろからもJRの社員が乗客の名前を呼んで運転席の近くのドアから外に誘導しています。
電車には電気や暖房、それにトイレがついているということですが、消防によりますと、11日午後11時半前に乗客の40代の男性が脱水症状を訴えて病院に搬送されたほか、乗客の女性2人も体調不良を訴え消防に救助されたということです。
この電車は11日午後3時すぎに新潟駅を出発する予定でしたが、雪の影響などで大幅に遅れたため、その後、大勢の利用者が乗ったと見られ、車内では立ったままの人も多く、JRは、飲み物のほか食料も届けたということです。
車内には、午前9時現在、およそ200人の乗客が残っていて、JRは除雪作業を進め車両を移動させたいとしています。
一方、信越線では、3つの駅でも別の電車が止まり、乗客の一部が残されていてJRが対応を検討しています。
「立ちっぱなしでつらい」
線路上で動けなくなった電車に乗っている高校2年生の男子生徒は、12日午前0時すぎにNHKの電話取材に対し、「電車の中は人がいっぱいで、みんなずっと立ちっぱなしで足がつらい。のどがかわいたしおなかもすいたが、食料もまだ配られていない」と話していました。
乗客と見られる人のつぶやきは…
JR信越線で動けなくなった電車に乗っていると見られる人は、車内の様子をツイッターにつづっています。
午後5時46分
「帰れると思ったのにまた電車とまりおった」
午後7時
「電車に閉じ込められました」
午後7時32分
「運転手さんが除雪に行って30分が経過した」
午後8時1分
「電車が雪抱えてスタックしてから1時間」
午後8時29分
「8時頃にあと10分で終わるとアナウンスがありましたがまもなく八時半」
午後9時2分
「車掌さん〈大変申し訳ございませんまたしても雪を抱えてしまったため動けません〉車内のお客さんたちイライラ通り越して笑い始めた」
午後9時51分
「信越線、除雪が終わったので起動試験しますとのアナウンス車掌:試験の結果動かすことができませんでした」
午後10時19分
「車掌さん声が泣きそうになってきたよ」
午後11時3分
「閉じ込められて早5時間半なにやら食料の支給が始まるようです」
午後11時6分
「いいからもう降ろしてくれ」
午後11時21分
「ようやく除雪用の列車を走らせるみたい」
との書き込みが最後となっています。
乗客の家族は心配の声
JR信越線の乗客の家族からは、心配する声が聞かれました。
近くの帯織駅近くに止めた車の中で高校3年の孫を待つ60代の女性は「駅から近いので早く降ろしてもらいたい。受験生で、土日にセンター試験があるので、早く降ろしてほしい」と話していました。
また、高校3年の受験生の息子を待つ47歳の父親は「ぎゅうぎゅうに詰められて立ちっぱなしになっていて、足がもう限界だと言っている。JRに電話したが、情報が何もなく対応が悪い」と話していました。
家族を待つ人が行列
電車が止まっている場所から1キロほど離れたJR帯織駅前では、電車に乗った家族を待つ大勢の人の車が数百メートルにわたって列をつくっています。
高校3年生の娘がいる三条市の48歳の女性は「車のガソリンがなくなりそうなので暖房を切って昨夜7時ごろから待ち続けています。携帯電話の電池も切れて子どもと連絡がつきません。JRの社員は朝方まで1人も説明に来ず、頭にきています」と話していました。
車内で譲り合いも
動けなくなった信越線の電車に乗っていて、午前7時ごろに半日ぶりに降りた専門学校に通う女性は「私は席に座れましたが、時間が長かったのでおしりが痛いです。立っている人も途中で座り込んでいました」と話していました。また、この女性の高校1年生の妹は「電車の中では座っていた人が長時間立っている人のために、席を譲っていました」と話していました。
北陸道 石川・富山県境で一時3キロにわたり車立往生
1月12日 10時15分気象
北陸自動車道は、石川県と富山県の県境付近の上下線で、雪のため複数台のトラックが坂道を登れなくなった影響で、一時、3キロにわたって車が立往生し、午前9時半現在も、上下線で合わせておよそ100台が動けないままになっています。
富山県との県境にある金沢市の北陸自動車道の下り線では、11日午後10時ごろ、雪のため複数台のトラックが坂道を登れなくなった影響で、一時、3キロにわたって車が立往生しました。
中日本高速道路によりますと、立往生している車はトラックの間を抜けるなどして少しずつ減ってきているということですが、午前9時半現在、上下線で合わせておよそ100台の車が動けないままだということです。
中日本高速道路は飲み物などの支援物資をドライバーに配りながら除雪作業や動けなくなった車をけん引する作業などに当たっています。
この雪の影響で、北陸自動車道は福井県の丸岡インターチェンジと富山県の富山インターチェンジの間の上下線が通行止めになっていて、通行止めの解除の見通しは立っていないということです。
北陸自動車道は、雪のため、11日夜から富山と石川の県境を含む区間で通行止めになり、代わりのルートとして利用される幹線道路の国道8号線は富山県内の各地で渋滞が発生しています。
また、国土交通省富山河川国道事務所によりますと、小矢部市の国道8号線の茅蜩橋では12日午前6時ごろ、雪のため大型トラックが立往生し、この影響で現場付近では一時、下り線でおよそ2.5キロ、上り線でおよそ1キロにわたって車が動けなくなりました。
その後、大型トラックは撤去され、周辺の除雪が済んだことから、午前9時前までに車の立往生は解消したということです。