ピースナイン声明:ただちに全個人通報制度批准を閣議決定し法の支配を実現せよ

2017111

国際連合経済社会理事会特別協議資格NGO

言論・表現の自由を守る会

日本政府は世界人権宣言70周年を目前に、

ただちに全個人通報制度批准を閣議決定し、

法の支配を実現しなければならない。

 

 第二次世界大戦の侵略国である日本政府は、アジアと国際社会の平和に貢献し、人間の安全保障と防災の主流化を実現するため、ただちに全ての個人通報制度を批准すると閣議決定し、同日拷問等禁止条約第22条の留保を破棄し批准し、法の支配を実現しなさい。
 同時に、全大臣と国会議員・国家公務員・地方公務員及びPKO・ODA・安保理決議1325号関係者及び全ての人々に対し、国連憲章と日本国憲法前文および憲法第9条に導かれた人類普遍の基本的人権尊重規定:憲法第11条・第13条・第97条をふまえ、憲法第98条【最高法規】第1項とともに、憲法第98条第2項「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」としている世界人権宣言を敷衍化し法律化した国際人権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約:自由権規約、経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約:社会権規約:1979年批准)をはじめとする日本が批准している全ての人権条約を周知・徹底し、国連人権理事会UPR審査及び人権条約機関による日本政府に対する勧告を実施しなければならない。
 
 日本政府は今年、元旦から第4期目の人権理事国(アジア地域選出・定数47カ国)です。政府は立候補にあたり、この人権理事国選挙に先立ち2016年7月15日、「世界の人権保護促進への日本の参画」と題し宣誓し、それをふまえて同年11月人権理事国選挙で当選しています。
 4回目の人権理事国となった日本政府は、人権理事国として優先的に、第3回UPR(普遍的定期的)日本政府審査をこの1114日に受けなければならないのです。
 
 安部晋三内閣総理大臣はこれまで、日本国憲法違反であるとともに憲法第98条第2項において「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」としている国際人権規約に明確に違反している、憲法第98条第1項を適用し破棄すべき法律:秘密保護法(2013年12月)、安保法(いわゆる戦争法:2015年9月)、を強行採決し、さらに今年6月、国連で自由権規約第17条プライバシーの権利を担当しているジョセフ・カナタチ人権理事会特別報告者による緊急公開首相宛書簡をも拒絶し、日本国憲法とともに自由権規約第17条に明確に違反している共謀罪を強行採決しました。
 
 2017年7月11日開催第1回NGO・外務省ODA政策協議会において、言論・表現の自由を守る会垣内つね子事務局長が、アベ政権が共謀罪を強行採決しそれを取り消さず施行したことに対して抗議し、全個人通報制度批准の即時閣議決定を求めたところ、外務省人権人道課田村首席事務官は、「個人通報制度については、条約の実施の効果的な担保を図る趣旨から注目すべき制度であるということは政府としても認識しております。これまで19回にわたり、政府といたしましては個人通報制度に関する関係省庁の研究会を開催するとともに、諸外国における個人通報制度の導入前の準備、あるいは運用の実態等について調査を実施しております。こうした諸外国の状況、各方面から寄せられました意見も踏まえつつ、政府として引き続き真剣に検討していきたいと考えております。」と回答しています。
 
 当NGOは外務大臣・法務大臣に対し2007年12月、個人通報制度批准を要請し2008年3月、人権理事会に初回レポートを提出したところ同年9月、自由権規約委員長会ポサダ委員長とシーラ副委員長が、自由権規約第5回日本審査に向けた日本の人権問題調査とともに、日本市民とNGO・弁護士・国会議員及び大臣に対する個人通報制度の普及啓蒙のため来日しました。その際、最高裁判所島田長官(当時)にも面会し、長官は委員長に『最高裁は個人通報制度の批准に反対していない』旨伝えたと報道されています。
 
NGOはその後毎年、近年は総理大臣、総務大臣、文部大臣等に対し、市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)第1選択議定書をはじめとする個人通報制度を批准し、法の支配を実現し、人権鎖国政策にピリオドを打ち、司法・立法・行政の三権分立を実現するとともに、日本の市民の参政権を確立するよう繰り返し要請しています。
 日本政府はこの間、個人通報制度を批准するために2010年4月、外務省人権人道課に条約履行室を設置し、すでに19回にわたり関係省庁の研究会を開催しています。
 また、前回第2回UPR日本政府審査(2012年10月31日)にあたり、当NGOが国連加盟国に対し、日本政府に対する4つの勧告を、まずNGO/UPR-info主催の(第2UPR)予備審査(同年830日)で提案したとろ、日本政府は同年9月11日、当NGOの4つの勧告提案の一つである「社会権規約第13条2項のb項およびc項の留保撤回」を閣議決定(同年911日)し、同日条約履行室が国連事務総長にその旨を通告し批准手続きを完了しています。当該留保撤回の効力は、通告を行った当日より生じるため、日本は、同日から、社会権規約第13条2(b)及び(c)の規定が適用され、これらの「無償教育の漸進的な導入」は法的拘束力を発揮しています。
 
 当NGOが提案した勧告のうち、個人通報制度批准について、UPR第2回日本審査において、多くの国々が日本政府に対し、日本政府が批准済みの人権条約に伴う個人通報制度の批准を求め勧告しました()。
 日本政府はこれらの勧告に対し今年2017年1月、人権理事会に対し『UPR第2回日本政府審査・勧告に対するわが国対応』において「日本は,市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下『自由権規約』という。)第二議定書を除く,勧告で述べられた人権条約を締結することを検討する。」と回答しています。
 日本政府は1979年に国際人権規約を批准しています。当時も自民党政権下であり、その衆議院と参議院両外務委員会において、『自由権規約第1選択議定書も早期に批准する』と全会派一致で決議をあげています。
 
 当NGOは国連に2011年、プロジェクトピースナイン《日本における個人通報制度批准により法の支配を実現し、さらに公職選挙法と国家公務員法等の選挙における差別(供託金制度)と弾圧規定(公職選挙法:文書配布・戸別訪問禁止規定、国家公務員法第102条)を破棄し、日本市民の参政権を確立し、日本国憲法第9条を守り抜き、憲法9条を世界の憲法にして地球の平和を築くプロジェクト》を提唱し、国連経済社会理事会NGO特別協議資格を申請し、翌年その資格を取得し、本年再承認されています。
 
 当NGOは、プロジェクトピースナインの早期実現をめざし、当NGOが前回UPR第2回日本審査に向けて提案した4つの勧告(※※)の内、まだ日本政府が実現していない二つの勧告の実現をめざすとともに、すでに勧告を受け入れたものの、実施していない二つの課題、その1:フクシマ核惨害に関する社会権規約第12条『心身ともに最高の健康を享受する権利』を担当する人権理事会特別報告者アナンド・グローバー氏による日本調査の結果報告書(20135月人権理事会で発表)を受け入れ実施するとともに、その2:高校と大学の無償化条項を批准したにもかかわらず、朝鮮人学校の無償化を拒否している。ただちに朝鮮人学校を無償化し、ただちに義務教育を完全に無償化し、さらに私立を含む高校・大学の学費完全無償化および奨学金返済免除の実現をめざし、今月ジュネーブで行われる国連人権理事会UPR第3回日本審査において活動します。
 
 当NGOが活動拠点としている習志野市は、日本陸軍発祥の地であり、日露戦争の際1万5000人ものロシア兵を収容した捕虜収容所があり、第1次世界大戦時にもそこで約6000人のドイツ兵捕虜を収容し、関東大震災直後、ここに数千人を収容し、そのうち約300人が行方不明となっています。 
 
第二次世界大戦時習志野市には、日本陸軍の騎兵連隊兵舎、鉄道連隊、習志野毒ガス学校があり、習志野毒ガス学校がありました。20043月、政府はこの跡地習志野市泉町周辺に、大量破壊化学兵器である毒ガス6トンが埋められている可能性がほぼ確実であると公表し調査を開始したものの、未だに防衛省は発見していません。
イラクには大量破壊兵器はありませんでしたが、日本国千葉県習志野市には、大量破壊兵器である毒ガス6tが埋められており、にほんにおいて第二次世界大戦は終わっておらず、戦争がが続いています。
 習志野市(JR線路以北)から船橋市の一部は井戸水を使用している習志野市市営水道管理区域であり、政府は、第二次世界大戦の毒ガスを最優先で調査し安全に撤去しなければなりません。
 明治以来、日本陸軍の演習場と兵舎、陸軍病院、鉄道連隊等を設置していた軍都習志野市の市民会館の南側には、関東大震災直後朝鮮人を虐殺し埋葬している現場が習志野市史 第4編 近現代 796=797ページに記述されています。しかし、習志野市はこの調査を行っていません。
 日本政府の責任において、政府が総力を挙げて毒ガス6tを調査除去し、ただちに関係国及び関係者と協力し、朝鮮人虐殺現場の調査を行い、謝罪し慰霊しなければなりません。
 
 アジア選出の人権理事国である政府は、直ちに全個人通報制度および核兵器禁止条約批准を閣議決定し、ジョセフ・カナタチ人権理事会特別報告者を年内に、日本に招請しなさい。
以上

 

 

 

 

【第2回UPR日本政府審査(2012年10月31日)勧告】
勧告1.人々の人権の完全な享受を確保するため,未批准条約の批准を進め,
     留保の撤回のプロセスを加速すること。(ベナン)
勧告2.条約の優先順位及び国内法手続に沿った形で,
     関連の条約・協定を批准するための更なる手続をとること。(カンボジア)
勧告3.日本が締約国である人権条約の選択議定書を締結すること。(ハンガリー)
 女子差別撤廃条約選択議定書(個人通報)
 障害者権利条約
 障害者権利条約選択議定書(個人通報)
 拷問等禁止条約選択議定書(被拘禁者へのアクセス)
 B規約(自由権規約)第一選択議定書(個人通報)他
勧告4.関連の条約を批准することにより、個人通報を受理し審査をする条約体の権能を認めること。(韓国)
勧告5.日本が批准した人権諸条約及び議定書で個人通報制度を設けているものについて,人権侵害に関する個人通報制度を受け入れるための必要な措置をとることを検討すること。(オーストリア)
勧告11.社会権規約選択議定書に署名すること。(ポルトガル)
勧告12.女子差別撤廃条約選択議定書の批准を検討すること。(ブラジル)
勧告13.強制失踪条約の規定の違反に関して,被害者や他締約国から又は被害者や他締約国のために行われる通報を受理し検討する強制失踪委員会の権能を認めること。(ウルグアイ)
勧告15.個人通報制度に関する児童の権利条約第3選択議定書の早期批准を検討すること。(スロバキア) 

 

※※ Draft Statement Revised

 To:Governmental and NGO Representative sattending the 2nd UPR of Japan:

Japanese Association for the Right to Freedomof Speech JRFS

NGO in Special Consultative Status withthe ECOSOC

Revised on October 30, 2012
First issued on August 30, 2012
 

The JapaneseAssociation for the Right to Freedom of Speech wishes to propose therecommendations setout below in the new order of priority to be issued to theGovernment of Japan:

 

 Following theannouncement on September 11, 2012 of the alarming results of the health surveyon children conducted by Fukushima Prefecture Authorities, our Associationdecided that we should give top priority to the urgent collective evacuation ofthe children of Fukushima in our proposal for HRC Recommendation to theJapanese Government. We have subsequentlypresented our revised proposal to the Ambassadors to Japan of the troika countriesas well as to the Ambassador of France to Japan who is also in charge of humanrights affairs for the European Union.

 

Shortly beforethe current session of the UPR, on September 11, 2012, 33 years after the ratificationof the ICESCR, the Japanese Government finally ratified the paragraphs 2-B andC of Article 13 of the International Covenant on Economic ,Social and CulturalRights, by withdrawing its reservation for the provision sconcerning free higher education. We therefore did not include theratification of the Article concerned in our proposal of August 30.

 

1.To guaranteethe right to seek refuge of children of Fukushima and drastically improve

their health management
 

2.To immediatelyratify the individual communication system to establish the separation ofpowers, paving the way to the application of the Universal Declaration of HumanRights and International Human Rights Covenants and turning the country into astate ruled by law, respectful of universal fundamental human rights;

 

3. To repealPublic Office Election Law provisions concerning freedom of expressionban on distribution of flyers anddoor-to-door visits and the StatePersonnel Law Article 102 to establish political rights,foundation of any democratic state.

 

JapaneseAssociation for the Right to Freedom of Speech represents citizens of all ageswho are victims of human right abuses and are fight in gin court as well astheir supporters and other human rights defenders. They include victims of repression forhaving distributed political flyers, as well as teachers who were punished forno taccepting emperor-glorifying Hinomaru flag and Kimigayo song as national emblems. In November 2007, our Associationjoined the Japanese Workers’ Committee for Human Rights and in March 2008submitted its first report to the UNHRC. In April 2012, our members, plaintiffs of the Hinomaruand Kimigayo cases submitted a counter-report jointly with the Japanese Workers’Committee for Human Rights.

 

1To guarantee the right to seek refugeof children of Fukushima and drastically improve their health management

 

In the contextof growing poverty among people with children, the Prime Minister’s CabinetOffice in June 2012 announced that the number of suicide esamong students andschool children exceeded 1,000 for the first time since the survey began in1978, reaching 1,029. The total number of suicides sharply increased in 1998 toexceed30,000. For 14consecutive years since then, more than 30,000 people commit suicide every yearin Japan.

 

Fukushimaprefecture is located in one of the poorest regions and most of the familieswith children are not able to afford adequate health management much needed tocope with the effects of radiation contamination. They also need money to evacuate the contaminatedarea and start a new life in a safer place. Collective evacuation financed by public authoritiesshould be ensured for the people affected by earthquake and nuclear power plantaccident.

 

2 For Immediate Ratification of theFirst Optional Protocol to the ICCPR individual communications

 

After the lastUPR, the current ruling party won the general election with the promise that itwould establish the individual communication system. However , the successive JusticeMinisters have failed to keep that promise. On the contrary, especially after the March11 GreatEarthquake, the parliamentary secretary and a high official in charge of humanrights and humanitarian question in Ministry of Foreign Affairs who were activefor promoting human rights have been removed from their posts and replaced withothers who claim that “some groups are opposed to the ratification”. The problem is not merely the lack ofpolitical will.

 

It is essentialto understand that , more than half a century after the Universal Declarationof Human Rights, the Japanese Government does not only neglect theimplementation of the UNHRC recommendations but is acting against theprinciples of Universal Declaration of Human Rights.

 

In fact, itargued back against the UNHRC’ srecommendations on its Second Periodic Reportto avoid the implementation of these recommendations. In the court trials on nuclear powerplants, the Government did not disclose all information which fact led to theproliferation of nuclear plants all over Japan. In addition, the Government has neglected measuresto prevent accident and caused the explosion of reactors at Fukushima Plant. The people of Fukushima who suffered heavydamages from the earthquake and tsunami have been driven away from their homedue to radiations and are now left without any adequate economic compensation. Because of lack of information thatshould have been provided quickly after the accident, children who are very vulnerableto radioactivity have been exposed and are now denied their rights to healthmanagement and to seek refuge for safety. Continued human rights violations perpetrated onthe people of Fukushima and the workers of nuclear power plant constitute a majorhumanitarian problem.

 

The ForeignMinistry in July this year organized the “World Ministerial Conference onDisaster Reduction in Tohoku”, but most of the officers in charge of the event,do not know about the human rights treaties or UNHRC recommendations. Even Fukushima prefecture governor andmayors of cities and towns in the prefecture do not know about the treaties andrecommendations that serve as international legalist andards.

 

In addition,the Japanese Government authorized the re-start of Ohi nuclear power plantwhose safety has yet to be confirmed. This poses a threat to the entire internationalcommunity and testifies to the hostile attitude of Japanese Government againstthe UN Charter, the Universal Declaration of Human Rights and InternationalHuman Rights Covenants.

 

3For Repealing the Public OfficeElection Law and the State Personnel Law Article 102

 

The HumanRights Committee in 2008recommended to the Japanese government the abrogationof these two laws. Their repeal isessential for establishing political rights of the Japanese people. A just andfair election of members of parliament who make laws is the surest way torealize the aspiration of all those who are taking up human rights challenges. And it is essential for peace in Asiaand the world to achieve a major change in the governmental policy on humanrights and turn Japan, an aggressor country in the WWII, into a countryrespectful of human rights.

 

In Japan, theForeign Ministry, the judiciary and the prosecution continue to totally ignorethe Human Rights Committees 2008 recommendation paragraph 26.

Mr. Horikoshi,charged of violation of the Public Personnel Law, was judged not guilty by theHigh Court, but the Court did not give any decision about the ICCPR violation. The presiding judge did not accept totake 22videos secretly taken by police agents as material evidence for thecrime committed by the police.  Tokyo High Public Prosecutor Haruo Kazama appealed to the Supreme Courtand was later promoted to Supreme Public Prosecutor General.

 

In 2011, Mr.Katsuhisa Fujita, teacher at Itabashi Tokyo Metropolitan High School was fined200,000 yen 1800dollars by the Supreme Court for havingdisobeyed the education board order to sing “Kimigayo” song at schoolceremonies. Over 700 publicschool teachers who refused to stand up and sing “Kimigayo” and sufferedprejudicial treatment took their cases to court. In 10 out of 21 such cases ,teachers lost the legalbattle in Supreme Court in total disregard of the ICCPR. The Court decisions are used to impose“Hinomaru” flag and “Kimigayo” song on school children.

 

On the pretextof these unfair Supreme Court decisions, the Ministry of Education allows OsakaCity Mayor to enact aby law banning any political activity of teachers and municipalpersonnel , through amendment of the Local Public personnel law by invokingArticle 102 of the State Personnel Law.

 

As it isescalating its action against freedom of speech and thought, the Government inthe parliament in session at this moment is attempting to pass a law to reducethe proportional representation seats by 80 to enable it to obtain majority inthe parliament and scrap Article 9 of the Constitution. If this happens, itwould give a decisive blow to democracy in our country. This poses also a threat against theinternational community.