「週刊現代」2017年7月15日号より

前川 私はもともと、別に安倍政権の体質を抉り出すみたいな気持ちはなかったんです。国家戦略特区で加計学園の獣医学部設置が決まったのがおかしいから、そのプロセスは国民が知らなければいけない、是正しなければいけないとしか考えていませんでした。


――内閣人事局が支配し、捻じ曲がった政治主導が続いたままです。
前川 役所のことばに「マルセイ案件」というのがあります。行政をゆがめるような政治案件のことですね。政治家から、補助金でここを採択してくれとか、紫綬褒章や文化勲章の授与に関して、依頼がある。本当に苦慮します。幹部になればなるほど、マルセイ案件との調整を常に迫られます。
――NOといえない?
前川 陰に陽に、いろいろな手を使いながら抵抗はする。それでも最後の最後には押し切られてしまうことがあります。
――歪んだ政・官の関係はどうすれば防げますか。
前川 透明性を高める仕掛けをつくることです。
たとえば
文書は一定期間経てば必ずオープンにする
内部告発も安全にできるようにする
政府から独立した、政策検証の第三者機関を設置する