環境省作成 統一的な基礎資料


がんや白血病の確率的影響は、低い線量でも発生の可能性がゼロではないと考えられている。

第3章 放射線による健康影響

p77
 放射線による人体への健康影響を考える際には、確率的な影響と確定的な影響の二つに分けて考える方法があります。上の図は、確率的影響と確定的影響を整理したものです。確定的影響は一定以上の線量を被ばくしない限り発生することはありません。そのうちの多くは、被ばく後、数週間以内に現れる急性障害に分類されます。確率的影響は、低い線量でも発生の可能性がゼロではないと考えられている影響です。一般的に安全側に立ち、しきい値がないと仮定して管理が行われています。

p80
 一方、放射線防護において、確率的影響にはしきい線量はないと仮定されています。この仮定に基づくと理論上どんなに低い線量でも影響が発生する確率はゼロではないことになります。100~200ミリシーベルト以下の低線量域については、放射線被ばくによる確率的影響を疫学的に検出することは極めて難しく、国際放射線防護委員会(ICRP)は、低線量域でも線量に依存して影響(直線的な線量反応)があると仮定して、放射線防護の基準を定めています。