ヒ素
人体への影響
単体ヒ素およびほとんどのヒ素化合物は、人体に非常に有害である。特に化合物は毒性の強い物が多い。また、単体ヒ素はかつては無毒もしくは弱毒とされていたが、現在ではかなりの猛毒であることが確認されている。
ヒ素およびヒ素化合物は WHOの下部機関IRACより発癌性がある(Type1)と勧告されている。
飲み込んだ際の急性症状は、消化管の刺激によって、吐き気、嘔吐、下痢、激しい腹痛などがみられ、場合によってショック状態から死に至る。
慢性症状は、剥離性の皮膚炎や過度の色素沈着、骨髄障害、末梢性神経炎、黄疸、腎不全など。
慢性ヒ素中毒による皮膚病変としては、ボーエン病が有名である。
単体ヒ素及びヒ素化合物は、毒物及び劇物取締法(※)により医薬用外毒物に指定されている。日中戦争中、旧日本軍では嘔吐性のくしゃみ剤ジフェニルシアノアルシンが多く用いられたが、これは砒素を含む毒ガスである。
一方でヒ素化合物は人体内にごく微量が存在しており、生存に必要な微量必須元素であると考えられている。
ただしこれは、一部の無毒の有機ヒ素化合物の形でのことである。
低毒性の、あるいは生体内で無毒化される有機ヒ素化合物にはメチルアルソン酸やジメチルアルシン酸などがあり、カキ、クルマエビなどの魚介類やヒジキなどの海草類に多く含まれる。
さらにエビには高度に代謝されたアルセノベタインとして高濃度存在している。
人体に必要な量はごく少なく自然に摂取されると考えられ、また少量の摂取でも毒性が発現するため、サプリメントとして積極的に摂る必要はない。
※毒物及び劇物取締法(どくぶつおよびげきぶつとりしまりほう、昭和25年12月28日法律第303号)は、毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取締を行うことを目的とする法律である。急性毒性などに着目して、毒物や劇物を指定し、製造、輸入、販売、取扱いなどの規制を行うことを定めている。毒劇法と略称される。最終改正は平成23年12月14日。
国内における旧軍毒ガス弾等に関する取組について
これまでの経緯
国内における旧軍毒ガス弾等に関する取組については、「国内における旧軍毒ガス弾等に関する取組については、
に基づき、内閣官房の指示の下、政府全体が一体となって、関係地方公共団体や国民の協力を得ながら、被害の未然防止のための施策を実施しているところです。
環境省では、上記の閣議了解に基づき、昭和48年の「旧軍毒ガス弾等の全国調査」フォローアップ調査を行い、その結果を平成15年11月28日に公表しました。また、上記の閣議決定に基づき、関係省庁との一定の役割分担の下、旧軍毒ガス弾等による被害の未然防止のための所要の環境調査等を実施するとともに、毒ガス情報センターを設置して継続的な情報の受付・分析や広報等を実施しているところです。
環境省では、上記の閣議了解に基づき、昭和48年の「旧軍毒ガス弾等の全国調査」フォローアップ調査を行い、その結果を平成15年11月28日に公表しました。また、上記の閣議決定に基づき、関係省庁との一定の役割分担の下、旧軍毒ガス弾等による被害の未然防止のための所要の環境調査等を実施するとともに、毒ガス情報センターを設置して継続的な情報の受付・分析や広報等を実施しているところです。
■茨城県「神栖町」は、いつ神栖市になった?
→ 2005年(平成17年) 8月1日 神栖町が鹿島郡波崎町を編入し同日、市制施行し神栖市を発足させた。
■茨城県神栖市(※事件当時は「神州町」)HP
有機ヒ素化合物による地下水の汚染について
概要
掘削現場の状況について
汚染土壌の処理について,掘削現場付近の保管テントエリアでは保管テント2棟が解体され,グランドへの復旧引渡しが行われました。
掘削テントヤードでは仮設施設の撤去が完了し,掘削現場の復旧工事については終了しました。掘削エリアは土留め用の矢板を残し埋め戻され,当面の間,最小限の仮囲いで保持されています。
現場付近の地下水には現在も高濃度の有機ヒ素が検出されていることから,高濃度汚染地下水対策として,汚染地下水から有機ヒ素の回収・除去を行なっています。
汚染源掘削調査について
- 平成17年1月,掘削調査により高濃度のジフェニルアルシン酸を含むコンクリート様の塊が大小3つ発見されました。これらの塊は掘り出された後、細かく砕かれて保管テント内に保管されました。(掘削調査の終了後,同時に掘り出された汚染土壌等とともに焼却処理されました。) 同年6月末にそれまでの調査状況をまとめた「神栖の地下水汚染メカニズム解明のための調査中間報告書」が発表されました。
- 中間報告後に矢板西側の追加掘削を行ったところ,2つのコンクリート様の塊が発見され, 平成17年9月,この追加掘削調査の結果については,中間報告書の追補版として発表されました。
- 掘削調査は平成17年7月21日に終了しました。調査によって掘り出した土壌等は密閉容器に詰めて,平成18年12月1日から鹿島再資源化センターでの焼却処理を行いました。焼却処理は平成19年12月25日に全て終了し,総処理量は汚染土壌2,033トン,コンクリート様の塊および粗大物115トン,汚染米14トンで合計2,162トンとなりました。(施設搬入時の計量により精査された結果,当初予定量から2%ほど増えています。)
- 平成19年6月,環境省は中間報告書以後行ってきた汚染メカニズムの解明調査の結果として,「地下水汚染シミュレーション等報告書」をとりまとめました。この中で掘削調査で発見されたコンクリート様の塊が地域全体の汚染源である可能性が高いことや,有機ヒ素化合物は神栖地域にかつてあった旧軍関連施設や終戦時に駐屯していた部隊が製造・保有していたものではないことなどが報告されました。
2008年冬季地下水モニタリングの結果等について (8月5日更新)
地下水位のモニタリングは、毎月の水位測定と四季ごとにジフェニルアルシン酸の分析を行っており,随時「国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会」に報告されています。- 大局的な地下水の流れは,A井戸からB地区へと向かう西への流れがあり,またB地区から南西端部にかけては常陸利根川に向かう流れが見られます。
- 掘削調査地点において有機ヒ素の分析をした結果,浅いところで濃度が高く,深いところで濃度が低い傾向があります。
- A井戸周辺では汚染源に近いためか,頻繁に濃度変化が確認されています。
- B地区の汚染は深さ30メートルを主体としており,浅いところで確認される数箇所の汚染は,周辺における地下水利用の影響と考えられます。
- A-B間もB地区と同様,深さ30メートルを帯状に分布する汚染が主体となっており浅い場所ではほとんど汚染が見られなくなりました。
掘削地点 |
1リットルあたり10ミリグラム
| 深さ20メートル |
A井戸周辺 |
1リットルあたり28ミリグラム
| 深さ30メートル |
B地区 | 1リットルあたり0.270ミリグラム | 深さ30メートル |
A-B間 |
1リットルあたり0.059ミリグラム
| 深さ30メートル |
これまで地下水調査を行った範囲においては,引き続き井戸水の飲用等の自粛をお願いしています。ご協力をよろしくお願いいたします。
外縁部の状況 (平成21年1月30日発表)
平成20年10月に実施した秋季地下水調査において,ABトラック外の北西地域に設置したモニタリング孔1孔(M1孔)からジフェニルアルシン酸(DPAA)が検出されたため,M1孔から概ね200~300メートルの範囲を新たに地下水の飲用自粛範囲とし,範囲内の飲用井戸97件について,井戸水中のDPAA濃度の調査をしましたが,いずれの井戸からもDPAAは,検出されませんでした。これまでの自粛範囲においても引き続き地下水の飲用自粛をお願いするとともに,外縁の汚染状況を把握するために定期的な観測孔の調査と監視を行います。
お問合わせ先
所在地/〒314-0192 茨城県神栖市溝口4991-5 場所/市役所1階 E-mail/ kankyo@city.kamisu.ibaraki.jp 電話番号/0299-90-11470299-90-1147 FAX/0299-92-4917
■茨城県HP
旧日本軍の武器等の廃棄等について
旧日本軍の武器等の廃棄・埋立等に関する情報提供のお願い
国が実施した「旧日本軍毒ガス弾に関する全国調査」において,本県では神栖町(毒ガス剤由
来の有機ヒ素化合物による健康被害の発生)と水戸市(終戦時における教育用毒ガス剤の焼却
処分)の事案が報告されました。
県では,これまでも,これらの事案に関連した情報を幅広く収集しておりましたが,改めて情報提供をお願いします。
次の場所に関して,旧日本軍の毒ガス弾等の情報に限らず,終戦時の武器等の廃棄・埋立など,
関連した情報をお持ちの方は,県環境対策課までご連絡ください。
どのようなささいな情報でも結構です。プライバシーは厳守します。
内閣中央航空研究所鹿島実験場跡地(現在の神栖町居切から高浜にかけての地域)(PDF:28キロバイト)
旧陸軍練兵場跡地(現在の水戸市新原の堀原運動公園近辺)(PDF:19キロバイト)
来の有機ヒ素化合物による健康被害の発生)と水戸市(終戦時における教育用毒ガス剤の焼却
処分)の事案が報告されました。
県では,これまでも,これらの事案に関連した情報を幅広く収集しておりましたが,改めて情報提供をお願いします。
次の場所に関して,旧日本軍の毒ガス弾等の情報に限らず,終戦時の武器等の廃棄・埋立など,
関連した情報をお持ちの方は,県環境対策課までご連絡ください。
どのようなささいな情報でも結構です。プライバシーは厳守します。
内閣中央航空研究所鹿島実験場跡地(現在の神栖町居切から高浜にかけての地域)(PDF:28キロバイト)
旧陸軍練兵場跡地(現在の水戸市新原の堀原運動公園近辺)(PDF:19キロバイト)
参考
「旧日本軍毒ガス弾に関する全国調査」については,環境省のホームページでもご覧いただけます。
旧軍毒ガス弾等の対策について(環境省)(外部サイトへリンク)
旧軍毒ガス弾等の対策について(環境省)(外部サイトへリンク)