電力会社400年、政府10万年 廃炉ごみ管理 非現実的
  処分場所のめどたたず 福島事故後、原発6基廃炉も…
  人類もういないかも 敷地内でずっと「貯蔵保管」?


  原子力規制委員会が、原発の廃炉作業で出るごみのうち、制御棒など「L1」
 に区分される放射性廃棄物の処分について基本方針を決定した。地下深くに埋め、
 電力会社に300~400年間、放射能汚染のないように管理させる。だが、経営が
 傾けば、管理はおざなりになるだろう。その後10万年、政府が管理する方針とも
 いうが、そんな途方もない先まで対処可能なのか-。  (中略)
  大阪市立大の除本理史教授(環境経済学)は「廃棄物の問題は、原子力政策の
 一番のアキレス腱になっている。安全神話が崩壊し、原発への拒否感が高まっ
 ている現状では、処分場所を見つけることが困難になることは必然だ。
 このような問題を発生させた国の責任は大きい」

〔デスクメモ〕
 誰も想像できない10万年先の未来を、優秀な専門家たちが真剣に議論している。
 あまりに滑稽(こっけい)ではないか。
 人類は絶滅し、AIロボットが放射性廃棄物の監視を続けるのか。そんな姿
 よりも、まず、何10年先に事故が起き、周辺が放射能に汚染されることを
 想像してしまう。  (文)

   (9月7日東京新聞24.25面「こちら特報部」より抜粋)