12日朝から行う予定だった、1号機の建屋を覆っていたカバーの解体作業は、強風のため、13日以降に延期されました。
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東京電力福島第一原子力発電所で、建屋の周囲の地盤を凍らせて地下水をせき止め、汚染水の増加を抑える「凍土壁」の状況を監視する施設が、12日、報道陣に公開され、凍結した範囲は9割以上に達したものの、完成のめどはいまだに立たないなど、対応の難しさが浮き彫りになっています。
「凍土壁」は、福島第一原発で汚染水増加の大きな原因となっている、建屋への地下水の流入を抑えるため、周囲の地盤を凍らせて、全長1.5キロにわたる巨大な氷の壁を作り、地下水をせき止めるもので、ことし3月末に、凍結作業が始まりました。
12日は、原発の建屋に隣接した「凍土壁」の状況を監視する施設が報道陣に公開されました。
モニター画面には、「凍土壁」の最新の状況が、凍結した部分は青い色で、凍結していない温度が高い部分は赤い色で表示され、説明に当たった国の担当者によりますと、海側で99%、山側で92%凍結ができているということです。
このうち、地下水の流入量が多い山側では、地下水をせき止め過ぎると建屋内の汚染水が漏れ出すリスクがあることから、凍結させる範囲をこれ以上広げることが出来ず、昨年度中を目指していた凍土壁の完成のめどはいまだに立っていないということで、対応の難しさが浮き彫りになっています。
一方、使用済み核燃料の取り出しに向け、12日朝から行う予定だった、1号機の建屋を覆っていたカバーの解体作業は、強風のため、13日以降に延期されました。