「経産省前テントひろば」は『違法』だから撤去された?
 では、あまたの命を奪った『東京電力』がいまだに存続
 しているのは「違法」ではないのか?

  始まった新たなテント運動
 
      渡辺マリ(たんぽぽ舎ボランティア)

○ 無念の死
・「助けて…」
思い起こそう。がれきの下で、助けを求めていた人達がいた事を。
激痛に呻きながら、助けを求めていた人達がいた事を。
しかし、その人達を救出することはできなかった。
なぜ?『東京電力』が放出した放射能のために助けに行くことができ
なかったからだ。
「助かる筈だった命」は殺された、『東京電力』によって。
・牛の涙=動く放射性物質は「殺せ」
 「雌牛のウォーンという低い悲鳴が聞こえると、雄牛はよろけなが
らも、雌牛の倒れているところへ戻っていった。雌牛は長いまつげの
生えそろったまぶたを閉じたかと思うと、また開いて雄牛を見上げて
いる。雄牛の目から涙があふれ落ちた。
 動かなくなった雌牛のまぶたや鼻や首を舐めてやりながら、雄牛は
立っていた。(中略)
 いつの間にか、二頭は鼻も口も眼も腹も、血と土にまみれ、寄り添
うように大地に倒れ伏していた」
       (「牛と土」204~205頁より 著:眞並恭介)
 牛は殺された、『東京電力』によって。
・緑の森は伐り殺されてタンク群と化し、実りの大地にはフレコン
バック、そして、いまだに、母なる海に吐き出され続ける放射能汚
染水。

◯ 『東京電力』が引き起こした福島第一原発事故は収束どころか、
 現在も「進行中」
 子どもの甲状腺がんは何で発症した?
 静かに、平和に「普通の暮らし」をしていた人びとはなぜ、離れ
 離れになって暮らすなければならなくなった?…。
 なぜ、自死者が相次ぐ?
 『東京電力』が引き起こした人災事故のためだ。

◯ 「経産省前テントひろば」の人々
 彼らは、365日、24時間、酷暑、酷寒の日々、そして嵐の時にも
 常に「そこにいた」。
 東京電力、政府、経産省のやり口の理不尽さ、その「不正義」に
 黙っていることのできない、熱い心を持った人々が「そこにいた」
 「経産省前テントひろば」が在る、「経産省前テントひろば」の人
 たちがいる、応援する人が集まる。
 それは経産省、東京電力(ひいては他の電力会社)、政府に向けられた
 「刃」だっただろうと、私は思う。

◯ どちらが「違法」か?
 なぜ、犯罪企業=『東京電力』は、いまだに存続しているのか?
 新潟県柏崎刈羽原発の再稼働を「自社の赤字解消のため」と堂々と宣
 言する恥知らずな会社を許せるか?
 虎視眈々と再稼働を目論む『東京電力』を許せるか?
 「法」とは何だ?

◯ 始まった、新たなテント運動
 ホンの少しの時間だけでもいいから行こう。
 「経産省前テントひろば」はないけれど、「私たち一人ひとりがテン
 トだ」と言った人がいたそうです。


たんぽぽ舎です。【TMM:No2864】
2016年8月25日(木)地震と原発事故情報 より