<特定秘密>管理監が是正要求 防衛省3件不適正運用

毎日新聞 8月19日(金)20時56分配信

 特定秘密保護法の運用状況を監視する内閣府の佐藤隆文・独立公文書管理監が、防衛省が指定した特定秘密に関して3件の不適正な運用があったとして初めて是正を求めていたことが分かった。内閣府が19日、発表した。

 内閣府によると、防衛省は2014年12月、外国企業の衛星が撮影する建物などの名前が記された計画書を特定秘密に指定。15年11月、経済産業省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の衛星が撮影する対象物も同じ計画書に追加記載した。

 同法の運用基準によると、別の種類の衛星を追加する場合、文書を新規作成し、指定を受ける必要がある。防衛省調査課は「情報ソースを増やすだけなので、追加の記載で事足りると考えていた」としており、是正要求を受けて新たに2件を特定秘密に指定した。

 このほか、対象期間内に文書が作成されなかった特定秘密の解除を求め、文書に赤く記さなければならない「特定秘密」の表示が黒色だったとして是正を求めた。