旭化成、国交省への経過報告を延期
記者会見も取りやめ  

 旭化成は30日、子会社の旭化成建材(東京・千代田)が杭(くい)打ち工事をした3040件の調査について、進捗状況の公表を中止したと発表した。元請けの建設会社との確認・照合作業に時間がかかり、「現時点で公表できる内容がないため」(広報室)としている。国土交通省への報告も延期するとしており、同日に予定していた記者会見も取りやめた。
 横浜市都筑区の傾斜マンションでデータを改ざんした担当者が携わった全国41件の調査報告は、当初予定通り11月2日に公表するとしている。

日本経済新聞 2015/10/30 17:17



調査進捗、公表取りやめ=くい工事改ざん―旭化成
   


 旭化成は30日、子会社の旭化成建材(東京)が過去約10年間に行ったくい打ち工事3040件の調査について、同日予定していた進捗(しんちょく)状況の公表を取りやめると発表した。旭化成は前日、進捗状況を30日に公表すると発表したが、調査内容で元請けの建設会社との確認・照合作業が難航し、報告をまとめることができなかった。

  横浜市都筑区の傾いたマンションの工事データを改ざんした社員が関与した41件については、不正の有無に関する調査の結果を予定通り11月2日に公表。同月13日までに全3040件の調査結果を国土交通省に報告する考えだ。

  旭化成は「連日の情報開示で混乱を招き、このような迷惑を掛けることになり大変申し訳ない」とのコメントを出した。 

時事通信 10月30日(金)17時13分配信


■くいのデータ流用 東京・江東区の学校でも

横浜市のマンションで‘傾き’が見つかり、建物を支えるくいのデータが改ざんされていた問題で、旭化成建材が工事を請け負った東京・江東区内の学校施設1件でもデータの流用があったことが分かりました。区は今のところ建物の安全性に問題ないとしています。

この問題で江東区は、平成17年度から10年間に旭化成建材がくいの工事を担当した区所有の7つの施設について、データの流用がなかったかどうか独自に調査を進めていました。
その結果、江東区内の学校施設1件で、くいが固い地盤に届いているかなどを示すデータで流用があったことが分かりました。流用があったのは46本あるくいのうちの1本で、2つ隣のくいのデータを使っていたということです。

区が調査したところ、建物に傾きやひびわれなどは確認されていないほか、工事の際に区の職員などがくいが固い地盤まで打ち込まれたかどうかなどを現場で確認したため、今のところ安全性に問題はないとしています。

また、くいを打つ工事は問題となった横浜市のマンションを担当した社員とは別の社員が担当したということです。
江東区では、旭化成建材に対して、データの流用について詳しい説明を求めるとともに、ほかにデータの流用がなかったか引き続き調査することにしています。

江東区の教育委員会は「データの流用が見つかりとても残念だ。旭化成建材側にも確認を取ってすべての施設の状況を確認をしたうえで、学校名などを公表したい」と話しています。

NHKWEBNEWS10月30日 16時59分