《東京「君が代」裁判 原告団ニュース 14号から》
◆ 都教委は違法!31件の処分に取消命令
‐2015年1月16日、東京「君が代」裁判・三次訴訟東京地裁判決‐
○ 判決言い渡し法廷にて
「これより判決主文を言い渡します…」。この佐々木裁判長の言葉に、1月16日の東京地裁103号法廷に詰め掛けた100名余りの人々は、固唾を呑んで聞き耳を立てました。
「主文。1(いち)東京都教育委員会が…」。
裁判長の口から、「が」という言葉が出た瞬間、ほとんどの人が「…出した処分を取消す。」という述語を連想して、勝利を確信しました。
しかし、裁判長は「が」に続いて、「別紙2『懲戒処分一覧表』の『処分日』欄記載の各日付で、原告○○、同△△…」と合計26名の原告名を読み上げたのちに「…の各懲戒処分をいずれも取消す。」と言い、続いて「…その余の原告らの請求を棄却する。」と裁判長が言うに及んで、
31件の減給・停職処分に対する取消命令は出たが、「25件の戒告処分は是認、全件に対する損害賠償請求は認めない」という判決内容が明らかになりました。
○ 膨れ上がる都教委の違法行為数
「10・23通達」にもとづく「君が代」起立斉唱およびピアノ伴奏命令に不服従を貫いて懲戒処分を受けた教職員たちは、処分取消しを求めて、各年度ごとの人事委員会審理と三次にわたる「東京『君が代』裁判」を闘ってきました。
この間、一次訴訟で1件、二次訴訟で22件の処分が取消され(いずれも最高裁判決で確定)、今回の判決でさらに31件の処分取消し命令が出ました。つまり、「東京『君が代』裁判」だけで、54件の違法行為が裁判所によって認定されていることになります。これまでの教育裁判の中で、これほど多くの違法行為が裁判所によって認定されたケースはありません。
しかし今回の判決を受けて、都教委は不当にも(都民の税金を使って)31件の処分取消しを不服として控訴してきています。判決を真摯に受け容れ、被処分者に謝罪することもなく(※)、制度的に何のチェックも受けないことをいいことにして、このような対応をだらだらと続ける都教委には全くあきれるばかりです。
※ 都教委は、判決後の1月21日に原告団らが行った謝罪要請に何ら誠意ある対応をしていません。
○ 今後も続く闘いにご支援を!
三次訴訟原告団は、戒告処分の取消命令が出されなかったことと、処分による損害に対する賠償命令が出されなかったことに関して再検討を求めるために控訴をしました。よって、今後は東京高等裁判所に審理の場を移して、都教委と争うことになります。
これまでも都高教総体および個別にもたくさんの支援をいただきながら闘いを続けてきましたが、今後も「10・23通達」を撤回させ、各学校の自由な教育活動を少しでも取り戻していくために、がんばっていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします!
◆ 都教委は違法!31件の処分に取消命令
‐2015年1月16日、東京「君が代」裁判・三次訴訟東京地裁判決‐
○ 判決言い渡し法廷にて
「これより判決主文を言い渡します…」。この佐々木裁判長の言葉に、1月16日の東京地裁103号法廷に詰め掛けた100名余りの人々は、固唾を呑んで聞き耳を立てました。
「主文。1(いち)東京都教育委員会が…」。
裁判長の口から、「が」という言葉が出た瞬間、ほとんどの人が「…出した処分を取消す。」という述語を連想して、勝利を確信しました。
しかし、裁判長は「が」に続いて、「別紙2『懲戒処分一覧表』の『処分日』欄記載の各日付で、原告○○、同△△…」と合計26名の原告名を読み上げたのちに「…の各懲戒処分をいずれも取消す。」と言い、続いて「…その余の原告らの請求を棄却する。」と裁判長が言うに及んで、
31件の減給・停職処分に対する取消命令は出たが、「25件の戒告処分は是認、全件に対する損害賠償請求は認めない」という判決内容が明らかになりました。
○ 膨れ上がる都教委の違法行為数
「10・23通達」にもとづく「君が代」起立斉唱およびピアノ伴奏命令に不服従を貫いて懲戒処分を受けた教職員たちは、処分取消しを求めて、各年度ごとの人事委員会審理と三次にわたる「東京『君が代』裁判」を闘ってきました。
この間、一次訴訟で1件、二次訴訟で22件の処分が取消され(いずれも最高裁判決で確定)、今回の判決でさらに31件の処分取消し命令が出ました。つまり、「東京『君が代』裁判」だけで、54件の違法行為が裁判所によって認定されていることになります。これまでの教育裁判の中で、これほど多くの違法行為が裁判所によって認定されたケースはありません。
しかし今回の判決を受けて、都教委は不当にも(都民の税金を使って)31件の処分取消しを不服として控訴してきています。判決を真摯に受け容れ、被処分者に謝罪することもなく(※)、制度的に何のチェックも受けないことをいいことにして、このような対応をだらだらと続ける都教委には全くあきれるばかりです。
※ 都教委は、判決後の1月21日に原告団らが行った謝罪要請に何ら誠意ある対応をしていません。
○ 今後も続く闘いにご支援を!
三次訴訟原告団は、戒告処分の取消命令が出されなかったことと、処分による損害に対する賠償命令が出されなかったことに関して再検討を求めるために控訴をしました。よって、今後は東京高等裁判所に審理の場を移して、都教委と争うことになります。
これまでも都高教総体および個別にもたくさんの支援をいただきながら闘いを続けてきましたが、今後も「10・23通達」を撤回させ、各学校の自由な教育活動を少しでも取り戻していくために、がんばっていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします!
(工芸定・鈴木たけし)
『東京「君が代」裁判 原告団ニュース 14号』(2015.2.10)
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2