TBS系(JNN) 11月29日(土)9時48分配信
 
 横浜市にあるマンションで地盤の支持層に杭が届いておらず建物が傾いた問題で、マンションの住民側が同じマンションの別の3棟でも杭が支持層に届いていなかったと、分譲した不動産会社などから説明を受けていたことを明らかにしました。

 この問題は今年6月、横浜市西区の分譲マンション「パークスクエア三ツ沢公園」で、5棟のうちの1棟の杭の一部が地盤の支持層に届いておらず、傾いていたことが分かったものです。

 この問題について住民側は28日に会見し、今月16日に住友不動産から別の3棟でも杭が支持層に届いていなかったなどの説明を受けたことを明らかにしました。

 管理組合によりますと、マンションを建設、分譲した住友不動産と熊谷組が今月20日に横浜市に提出した報告書では、「3棟とも建築基準法で定める安全性が確認された」と説明しているということですが、住民側は「11年前の条件で構造計算されている」として、再検証を求めているほか、マンションの建て替えなども求めています。

 横浜市はこれまで、最初の1棟について是正勧告を行っていますが、別の3棟についても是正勧告を出すかなどを検討しています。
 
(28日23:14)
最終更新:11月29日(土)9時48分
 
 
 
 
■ライター:はまれぽ編集部 (2014/06/10)
 
横浜のココがキニナル!
 
横浜市西区にある住友不動産のマンションが傾いていた問題で、住民が記者会見。その様子は? 住民の本音は? 今後の対応はどうなる?(はまれぽ編集部のキニナル)
 
はまれぽ調査結果
住民代表でマンション管理事務組合理事長らが住友不動産への不満を爆発。住民側は「元の状態に戻すこと」を前提に話し合いを進めていく考え
 
前代未聞の事態

住友不動産(東京都新宿区、資本金1228億500万円、従業員数1万1331人。2013<平成25>年9月30日現在、連結)が2003(平成15)年に販売した横浜市西区のマンション「パークスクエア三ツ沢公園」の施工ミスが見つかった問題で、マンションの管理組合は10日(火)、記者会見を開き、これまでの経緯や現状の説明を行った。

会見に住友不動産とマンションを設計、施工した熊谷組は参加しなかった。

冒頭、「パークスクエア三ツ沢公園管理事務組合」の理事長が「報道や各種取材によって住民が不安を感じている。住民が安心して住み続けるために説明の場を設けた」と会見の趣旨を説明した。
 
 
この問題は、マンションの一部の棟で「支持層」と呼ばれる強固な地盤までマンションの基礎となる「基礎杭」が届かず、一部にずれが生じたというもの。
 
 
マンションの共有棟で開かれた会見では理事長をはじめ、理事計5人が出席。まず経緯報告があった後、報道陣から矢継ぎ早に質問が飛んだ。
 
 
組合の説明によると、傾いているのはB棟南棟。分譲時に比べて最大で南東方面に最大5.5cmほど傾いているという。
 
 
入居直後に異変に気付いたにもかかわらず、10年以上も対応しなかった住友不動産と設計、施工、工事管理をしたゼネコン「熊谷組」の対応について、該当するB棟南棟に住む理事は「我々が動き出さないと動かなかった。非常に不満」と心情を吐露した。

だが、「体感レベルでは異変に気づくものでなく、報道がなかったら気づかなかった」と話した。

組合の説明によると、2007(平成19)年に熊谷組が一部建物のずれを単独で補修し、組合に対する報告もなかったという。この問題で、先だって報じた住民女性の話は真実だったようだ。
 
 
別の理事はこの事実に対し、「分譲当初からずれがあったのではないかと思う。その時に詳しく調べていれば、これほど大きな問題にならなかったのではと大きな憤りを感じている」と話した。

http://hamarepo.com/story.php?story_id=3019

 
 
■目に見えてわかる、臨港パークの沈下

http://hamarepo.com/img/story/category_kininaru.png横浜のココがキニナル!

3.11の地震で臨港パークがだいぶ地盤沈下していますが、どのくらい沈下したのか調べられますか?その他、市内でどこが地盤沈下したのでしょうか?(こたきちさんのキニナル)

http://hamarepo.com/img/story/result.pngはまれぽ調査結果

横浜市では沈下を測量していないため、目分量でしかわかりません。局地的に沈下した箇所はいくつかありますが、横浜市全体も沈んでいました。
ライター:吉岡 まちこ (2012/03/11)
    目に見えてわかる、臨港パークの沈下

    臨港パークの場所は、ご存知パシフィコ横浜の裏手。
    海沿いは親水護岸になっていて、スロープと階段で波打ち際まで降りることもできる。

    その臨港パークが沈んで見える――。気づいている人には周知の事実だったようだ。
     
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手すりの数段向こうはガクッと深くなっている
大潮の日、潮位が高いほうの干潮から2時間後

ちょっと波が立つと遊歩道にザパ~ンと波がかかる。
ジョギングでよくここを通るという、みなとみらい在住の男性U氏は「以前は手すりの上のほうが海水に濡れた記憶はない」とのことだが、その現状は…
 
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大潮の満潮でどっぷり海水につかった手すり。奥のほうの手すりはほとんど沈没している
(2011年夏撮影)

この写真は、毎朝ウォーキングで通るという別の男性がお貸しくださったものだ。

先のU氏は「
震災前、遊歩道よりさらに下の一段ですら海水に浸ることはそうなかった。こんな海藻が付着していなかった 」と言う。今はご覧のように海藻がこびり付いている。

ここは親水護岸なので、階段下の遊歩道は潮が上がって来るのを楽しむ場ではあるが、干潮2時間後でこの潮位。一番下のバーまでヒタヒタと水に浸っている時間が多くなったのだろう。
 
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震災前は、2本目のバーの少し下が、月に2度ある大潮時の最高潮位だった
今は水没する一番上のバーから25㎝くらい下だ

 
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一番沈んだと言われる一帯は潮を被ることが多いのか、コンクリートも黒いのがハッキリわかる

­­臨港パークの指定管理者はパシフィコ横浜だが、おおもとは港湾局・賑わい振興課だ。
担当者も「弧の真ん中あたりが目分量で20~30cm下がった印象」と言う。が、ここは親水護岸なのでこのまま使い続ける方針だそうだ。ただ「手すりは目印なので、寄りかかったりしないでください」とのこと。

現在は横浜市港湾局とパシフィコ横浜の連名で、臨港パーク内の4ヶ所にこのような看板を設置し、警備員も24時間体制で巡回しているそうだ。
 
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(写真提供/臨港パーク)
 
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沈下した一帯の階段。隙間をウレタンのようなクッションで埋めてあった


埋立地は、常に沈下し続けている

震災で横浜のどこが沈下したのか。市民局、港湾局、道路局、消防局、環境創造局などの約10課にひたすら電話をしたというか、回されたというか。みな口が重いのか、わかったことは、市役所には沈下量どころか、被害状況を一括して把握している部署はないということだ。
 
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同じみなとみらいでも、汽車道は何も被害はなかった(賑わい振興課談)

手がかりを探すためネットで検索中、たまたまヒットした書類があった。
東日本大震災に係る港湾局の対応について」という、5月に港湾局から横浜市会に宛てた、補正予算の提案書だ。

港湾局管轄エリアの被害状況が一覧できる。
名前が挙がっている施設は、「臨港パーク」のほか「大黒ふ頭(岸壁とヤードの間に段差)」「臨港幹線みなとみらい橋(舗装陥没等)」、「大さん橋(車道部の段差)」「新港パーク(護岸の陥没)」「大黒海づり施設(桟橋の歪み等)」だ。

注意点は、「各施設で予定していた補修費用を超えた部分を補正予算として申請したもので、一覧にないから被害がなかったというわけではなく」(横浜市会議会局)、したがって「補正予算額の大きさが、被害の大きさではない」(港湾局総務部)点だ。
 
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大黒ふ頭。倉庫は杭に乗っているので沈まず、周りの地盤が最大30cm沈下した
(写真提供/横浜港管理センター北部管理課)

大黒ふ頭を管理する横浜港管理センター北部管理課によると、「埋立地は、積み上げた土の重みで中の空気や水が徐々に抜け、20~30年たっても1年に1cm程度は沈下している。埋立て当初はもっと沈む」ものだそうだ。

以前調査した『横浜の埋め立てはこれからどうなるの?』でも既出だが、横浜の埋立ての範囲はこれでわかる。