橋下大阪市長に謝罪命令:大阪府労働委
 
組合事務所撤去通知は不当
 
 橋下徹大阪市長が大阪市役所労働組合(市労組・全労連加盟)などに対し、市役所内の組合事務所の退去を通知した問題で、大阪府労働委員会は20日、組合への支配介入で不当労働行為だと断罪し、橋下氏に謝罪文を出すよう命じました。
 
 命令は、市が庁舎内での政治活動問題と労働組合事務所が置かれていることとの関連について検討を行わず、説明や競技を行わないまま一方的に結論だけを通告したと指摘。「事務スペースの不足」について、資料に一貫性がなく、付則面積の数値自体に疑問を持たざるを得ないとしました。
 
 使用を許可しないことにより市労組がこうむる不利益について代替措置を含む協議もなく団体交渉にも応じず、拙速に退去通告を行ったと指摘。「組合に対する支配介入にあたり労組法第7条第3号に該当する不当労働行為」」と断じました。
 
 労使関係条例との関係についても、不当労働行為という判断を左右するものではないと退けました。
 橋下市長は「公務員の労働組合をのさばらしておくと国が破綻」等と労働組合を嫌悪し、就任直後の2012年1月、「事務スペースの不足」を理由に退去を通告。同年8月施行の労使関係条例で組合への便宜供与を一切禁止しました。
 
 市労組と弁護団が会見し、中山直和副委員長は、市民とともに姿勢をよくしたいと活動してきた組合への抑圧と市民サービスの切り捨ては表裏一体とし、府労委命令が「市民の利益につながる結論だ」と評価しました。
 
しんぶん赤旗2月21日