毎日新聞 2013年12月14日朝刊
公選法違反:徳田議員失職へ 次姉が認める
昨年12月の衆院選を巡る医療法人「徳洲会」グループの公職選挙法違反事件で、徳田毅(たけし)衆院議員(42)=鹿児島2区、自民を離党=の次姉、スターン美千代容疑者(46)=同法違反容疑で再逮捕=の勾留理由開示手続きが13日、東京地裁(溝渕章展裁判官)であった。美千代容疑者は「逮捕、起訴された事件に関して全く異論はなく、素直に認めたい」と述べた。弁護人によると、公判でも起訴内容を認める方針。このため、連座制が適用されて徳田議員の当選は無効となり、失職することが確実になった。
法廷で美千代容疑者は「選挙区の皆様に深くおわびします」と謝罪。陣営が以前から選挙違反を続けてきたことを前提に「従前のやり方をそのまま受け継ぎ、法をないがしろにしたことに痛切に責任を覚える。徳田家は違法な選挙の中心にいた」と述べた。
美千代容疑者は父の徳田虎雄前理事長(75)らと共謀し、病院職員など594人に選挙運動の報酬として約1億5560万円相当を供与したとして起訴された。さらに、陣営に買収資金6000万円を提供した買収資金交付容疑でも再逮捕されている。当初は逮捕容疑を否認していたとされる。
候補者の姉である美千代容疑者は連座制の対象となり、禁錮以上の刑(執行猶予を含む)が確定すると、徳田議員は失職する。買収額が多額であることから、有罪の場合は罰金刑にとどまる可能性は極めて低い。
事件では、各地域で運動を取り仕切った「地域主宰者」や、選挙運動の計画立案などをした「組織的選挙運動管理者」など連座制の対象となる被告の一部も、起訴内容を認める供述をしていることが判明していた。
弁護人によると、勾留理由開示の手続きは、自らの考えを表明するために美千代容疑者が求めたという。【近松仁太郎】