「法制化急ぐべきでない」 国連高等弁務官
 
 【パリ=浅田信行】 ジュネーブからの報道によると、ピレイ国連人権高等弁務官:the UN Human Rights Chief Navi Pillayは2日の記者会見で、特定秘密保護法案について、「日本国憲法と国際人権法が保障するアクセスと表現の自由の権利を適切に守る措置のないまま法制化を急ぐべきではない」と強い懸念を示しました。
 ピレイ氏は、法案が扱う「秘密」が不明確だと強調。「どんな不都合な情報も政府が秘密に指定できるようになる」と指摘し、日本政府に「内外の懸念に耳を傾ける」よう促しました。  
 
 
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 言論・表現の自由を守る会
                                  2013年12月4日
 
 特定秘密保護法は、何を「秘密」とするのかが不明確であり、政府にとって不都合などんな情報も「秘密」に指定することができます。これは、国家が市民を弾圧し、民主主義の息の根を止めるための憲法違反法律であるとともに、自由権規約第19条にも明確に違反している弾圧法です。
 政府は、特定秘密保護法を直ちに廃案にすべきです。

 ナビ・ピレイ国連高等弁務官も2日の記者会見で、「日本国憲法と国際人権法が保障するアクセスと表現の自由の権利を適切に守る措置のないまま法制化を急ぐべきではない」と強い懸念を示しています。

 国会でこの弾圧法の強行採決を指揮している自民党の石破茂幹事長は、自民党政権下の防衛庁長官として2003年に自衛隊をイラクに派兵した責任者です。この自衛隊のイラク派兵については、2008年に名古屋高裁判決で憲法違反であることが確定しています。よって、政府は当然この責任者を処罰しているべきなのです。
 国連決議のないイラク戦争に、憲法違反の軍隊である自衛隊を派遣し、米軍の兵隊や燃料の輸送を命令した責任者が、2008年に違憲判決が確定してもなお何の処罰もうけないまま国会議員を続け、その上、国際人権規約・自由権規約第19条に明確に違反している弾圧法の「特定秘密保護法」を、政権党の幹事長として衆議院で採決を強行し、さらに、「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」と発言したことは、明確に自由権規約第19条に違反しています。

 世界人権宣言を記念した人権週間に、第2次世界大戦の侵略国である日本が、国際人権法に違反する法案審議を強行していることは、宣言に敵対していることを証明しています。
 この事態は、国連の責任において日本の人権理事国資格をはく奪すべき暴挙です。