徳洲会裏金 自民党幹部が管理
 
買収資金交付容疑
 
議員姉ら再逮捕へ
 
 医療法人「徳洲会」グループの公職選挙法違反事件で、徳田毅衆院議員(42)=鹿児島2区、自民を離党=の陣営が昨年12月の衆院選で使ったとされる裏金の一部は、自民党甘味渋の事務局幹部が管理していたことが分かった。
 裏金は徳田議員の次姉スターン美千代容疑者(46)=公選法違反容疑で逮捕=が捻出し、この幹部を経て地元政界関係者に配られた疑いがある。東京地検特捜部は、買収資金を提供したとして、美千代容疑者を拘留期限の3日に公選法違反(買収資金交付)容疑で再逮捕する方針を固めた模様だ。
 関係者によると、裏金は美千代容疑者が社長だった医療機器販売会社などのグループ企業から引き出された。昨年11月16日の衆院解散後、美千代容疑者が送金したり、徳田議員の母親【75】が陣営関係者に手渡したりして、奄美地区の選挙責任者だった系列病院事務局長の奥田正彦容疑者〔69〕=同=に計5000万円を届けたとされる。
 このうち1000万円近くが地元政界関係者向けの「対策費」とされ、自民党甘味渋の幹部らが管理していたという。特捜部は明細書を押収し、支部幹部からもすでに事情聴取た。幹部は取材に「裏金を受け取ったなんてことは全然ない」などと否定した。
 
 公選法は、買収目的で運動員に金品を交付することを禁じており、違反した場合、買収と同様に3年以下の懲役・禁固か50万円以下の罰金が課される。
 
 美千代容疑者は、選挙運動の報酬として病院職員ら563人に計1億4750万円相当を供与したとして、長姉の越沢成美容疑者(50)やグループ幹部4人とともに逮捕された。特捜部は3日に起訴する見通し。
 
 毎日新聞2013年12月3日朝刊