毎日新聞 2013年11月05日 夕刊
徳洲会事件:徳田毅議員から任意聴取 東京地検特捜部
昨年12月の衆院選を巡る医療法人「徳洲会」グループの公職選挙法違反容疑事件で、東京地検特捜部が自民党の徳田毅(たけし)衆院議員(42)=鹿児島2区=を任意で事情聴取したことが関係者への取材で分かった。徳田議員は地元での選挙会議に出席したこともあるとされ、特捜部は運動員買収への関与の有無について調べを進める模様だ。
徳洲会グループは病院職員らを鹿児島に派遣し、選挙運動の報酬として、日当や欠勤分の給与を賞与に上乗せする形で支給していた疑いが持たれている。鹿児島市谷山地区や指宿(いぶすき)市に設置された事務所で朝晩開かれた選挙会議では、徳田議員が「この地区での活動が少ない」などと職員らに直接指摘することもあったとされる。特捜部は、病院側から運動員に日当が支払われていたことを認識していたかなどについて説明を求めたとみられる。
特捜部は既に、徳田議員の父で元衆院議員の徳田虎雄前理事長(75)や母、姉らからも任意で事情聴取しており、選挙運動の指揮系統を調べている。
徳田議員は虎雄氏の後継者として、2005年の衆院選で鹿児島2区から無所属で立候補し初当選した。06年に自民党入りし、昨年12月の選挙で3選。第2次安倍内閣で国土交通・復興政務官に起用されたが、女性問題で今年2月に辞任した。
9月に鹿児島市の自宅や地元事務所、今月1日に東京・永田町の議員会館内の事務所を特捜部に捜索されたが、公の場で事件について説明しておらず、開会中の臨時国会にも姿を見せていない。先月11日に都内の弁護士事務所で報道陣に囲まれた際は「またお話しします」と語っただけだった。