毎日新聞 20131010日 1928
「世界の英知集め対処を」
福島第1原発:IAEA事務局長
 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は10日、東京都内でのアジア調査会(会長・栗山尚一元駐米大使)主催の講演会で、東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題をめぐる日本政府の対応について「日本だけで海洋モニタリング(影響調査)を実施するのではなく、国際機関を関与させ、その結果を少なくとも英語で世界に発信すべきだ」と注文をつけた。
 
 また、福島第1原発の廃炉作業について「日本は高い技術を持つかもしれないが、大事故の経験はなく、外国と一緒にやるべきだと言ってきた」と指摘。そのうえで「日本だけでやりそうな気配になっているが、それだけはやめてもらいたい。未知の分野も多く、世界の英知を集めて行うべきだ」と強調し、国際的な枠組みを作って対処する必要があるとの考えを示した。【福岡静哉】