上田秀明氏(うえだ・ひであき)人権・人道大使について
 
2005年12月北朝鮮による日本人拉致事件などの人権問題を専門的に扱うために「人権担当大使」が新設され斎賀富美子駐ノルウェー国兼アイスランド国大使を任命。
2008年4月に名称を「人権・人道大使」と改称し、上田秀明氏を指名した。
 
2001年に一連の外務省騒動:APECホテル水増しで処分を受けたが、国家公務員法の不備を口実に刑事罰を免れ今日に至っている。
 
「上田秀明人権人道大使・略歴」
1944年 新潟県生まれ。
1967年 東京大学教養学部教養学科卒。
1967年 外務省入省。
1969年 ハーバード大学大学院卒。
1970年 モスクワ大学歴史学部研究生課程修了。
1978年 在オーストラリア大使館一等書記官。
1980年 在ソビエト連邦大使館一等書記官。
1983年 防衛庁防衛局運用第二課長。
1984年 防衛庁教育訓練局訓練課長。
1985年 欧亜局東欧課長。
1986年 大臣官房報道課長。
1988年 在ソビエト連邦大使館参事官。
1989年 在アメリカ合衆国大使館参事官。
1991年 同公使。
1992年 経済協力局参事官。
1994年 同審議官。
1995年 APEC大阪会議準備事務局長、大使。
1995年 在香港総領事。
1998年 国際社会協力部長。
2000年 ポーランド大使。
2003年7月 外務省研修所長。
2004年12月オーストラリア大使。
2008年4月 (日本)人権人道担当大使
 
京都産業大学 法学部法政策学科 客員教授 : 国際関係論・国際政治学担当
  
 外務省APECホテル水増し事件の責任者
   =国家公務員法違反等刑事罰を問われるべき犯罪
 
2001年年9月27日(木)
 
(小町恭士官房長官)本27日、平成7年当時アジア太平洋経済協力大阪会議開催準備事務局に次長として所属していた浅川明男元課長補佐が、1995年(平成7年)のアジア太平洋経済協力(APEC)関連会議に係わる公金の詐欺罪で起訴された。

 これを踏まえ、本日付けで浅川明男元課長補佐を懲戒免職処分とした。

 また、当時浅川元課長補佐を直接監督する立場にあった上田秀明元APEC準備事務局長(現ポーランド大使)については、現在特別職の国家公務員である(国家公務員法上の懲戒処分の適用対象とならない!)ことから、外務省の内規処分である外務大臣名による厳重訓戒処分にした。
なお、上田秀明元事務局長から、俸給月額の20%、3ヶ月分を国庫に返納したいとの申し出があり、これを受け入れた。
 
 さらに、本件に関し、当時の事務当局の最高責任者である林貞行元事務次官(現連合王国大使)及びAPEC準備事務局が設置されていた経済局の当時の責任者である原口幸市元経済局長(現ジュネーヴ代表部大使)及び野上義二元経済局長(現事務次官)の三名についても、当時のそれぞれの立場からの監督責任を問うこととした。このうち、林元次官及び原口元局長は、上田ポーランド大使同様、現在、大使として特別職の国家公務員であるため、国家公務員法上の懲戒処分の適用対象とはならないことから、外務省としての内規処分である外務大臣名による厳重訓戒処分にした。なお、林元次官、原口元局長からは、それぞれ俸給月額の10%、1ヶ月分を国庫に返納したいとの申し出があり、これを受け入れた。野上元局長については、一般職の国家公務員であり、国家公務員法上の懲戒減給処分(10%、1ヶ月)にした。
 また、現在の官房の総括責任者である自分(官房長)より、俸給月額の10%、1ヶ月分を自主返納したいと申し出を行い、これが受け入れられた。

 なお、業務上の直接の監督責任は有していないものの、当時の会計事務の責任者であった田中映男元会計課長(前フランクフルト総領事、現大臣官房)及び中村滋元会計課長(現連合王国大使館公使)の2名についても、外務大臣名による厳重注意処分にしました。右2名からは、俸給月額の10%、1ヶ月分を国庫に返納したいとの申し出があり、これを受け入れた。
 松尾元室長事件、九州・沖縄サミット準備事務局のハイヤー契約等の一連の不祥事に加え、本件不正事件をめぐって、このように多くの処分者を出さざるを得なかったことは誠に遺憾であり、国民の皆様に対して、改めて深くお詫びする。
 外務省としては、このような不祥事を繰り返さないために、省員が一丸となって外務省の自浄能力を示し、また一日も早く外務省に対する国民の皆様の信頼を回復すべく、全力で努力していく考えである。
 この関係で、外務省職員がホテル・ニュー・オータニで無料宿泊ないし飲食を行ったとの報道があったので、これに関連して一言申し上げたいと思う。報道が具体性を欠くところもあったので、調査の対象を絞りきれないところがあったが、われわれとして念のため当時のAPEC事務局関係者及び欧州局と経済局の関係者について調査を行った。これまでにAPEC事務局関係者が上田APEC準備事務局長(現ポーランド大使)出席のもと、平成7年11月30日に東京のホテル・ニュー・オータニで打ち上げを行ったことがわかっているほか、浅川元補佐主催でホテル・ニュー・オータニ内で会食や送別会を行ってもらった職員がいることがわかっている。上記のAPECの打ち上げ費用については、APECに関連した水増し請求額の不正経理の一環として処理されたものであると考えている。
 上田元局長については、この問題も含めて、APECに関連した不正経理全般についての監督責任という観点から、先程の処分を取った次第である。そのほかの会食の事例の中には、浅川元補佐の上司である欧州局関係者ら2名が含まれていた。いずれも、浅川元補佐の不正経理で同人の送別会が行われたものとは承知していなかったが、送別会が行われた場所がニュー・オータニ内部のレストランであり、送別会という場ではあったにせよ、その出処について特段の疑念を持たなかったことは不注意であったので、これら2名については上司から注意をすることとした。尚、先週ある雑誌に実名入りで外務省の局長が浅川元補佐に関わるプール金を使ってホテル・ニュー・オータニに宿泊していたとの記事が出ていたが、同局長に確認したところ、同局長はそのような事実は全くない旨述べており、またわが方の調査においてもそのような事実はなかった。本人の名誉に関わることもあり、敢えて付け加えさせていただきたいと思う。以上である。
 
 
外務省HP