今 日本の学校教育では、水と全食品の放射能汚染検査が必要です。
    とりわけ高濃度汚染地域の首都圏では、必ず実施すべきです。
    篠崎第五小学校では、測定したのでしょうか?
    筍の皮も卒業証書にするというのですから、皮と実を別々に測定して公表すべきです。
 
    
転載記事
 
小学生がタケノコ掘り 東京都江戸川区
2013.4.15 20:45
http://sankei.jp.msn.com/images/news/130415/tky13041520460004-n1.jpg
収穫されたタケノコは、給食と卒業証書に
 江戸川区立篠崎第五小学校(東京都江戸川区北篠崎)の6年生80人が15日、校内の竹林でタケノコ掘り行った。
 児童たちは教員らの指導で、軍手をはめ、スコップを持って挑戦。掘り出すとき、タケノコが途中で折れるなど悪戦苦闘したが、約10~60センチの計40本を収穫できた。中身は16日の給食で、タケノコご飯として全校に振る舞われる。皮は6月、埼玉県小川町にある和紙の体験学習施設に行き、6年生の児童たちがその繊維を使って自分の卒業証書を作るという。
 
 
 
「朝顔と露」ブログさんより http://blogs.yahoo.co.jp/jikan314/8102236.html
朝顔と 千葉県産タケノコの放射性セシウム濃度
より大きな地図で 千葉県産タケノコの放射性セシウム濃度 を表示

タケノコの放射性セシウム検査と降下量の推計

1 はじめに

 タケノコは、2011年の3月下旬には土の中にあり、放射性セシウムが直接降下した訳ではなく、また、根から吸収されたものでもなく、竹の葉などに降下したものが、タケノコに移動し、いわき市など5月初めには高濃度が検出されたところである。

 竹林自体は、1つの個体であるが、これが地下茎を通してつながっている。したがって、竹の葉の位置や地面への降下量から、その後の地上付近のウェザリングによって移動したものの影響は少ないと考えられ、タケノコの放射性セシウム濃度を調べれば、その地域のフォールアウトした放射性物質の量が推計できる可能性がある。

 また、タケノコ(孟宗竹)は、人が植林したものであり、山林の野生キノコと違って、住居近隣の里山の汚染状況を示すことが出来る作物であると考えられる。

 そこで、千葉県を例に、タケノコの放射性セシウム濃度から、その地域の推定される降下量を算出してみる。

2 タケノコの放射性セシウム濃度

 2011年と2012年のタケノコの放射性セシウム濃度を図1に示す。位置をずらしているのは、公表された日の月ごとに表したことによる。
 これは、タケノコは筍とも書き、出荷時期が極端に短いことから、その月の検査数値は、ほぼ同じ地域のものを検査したと考えられるからである。

 5月上旬には、検査体制も整い、5月1日いわき市の検査(採取は4月27日)からスタートしたため、関東地域では既に旬が終わっていたことによるものと考えられる。

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 いわき市、伊達市、三春町、天栄村、相馬市と立て続けに、500Bq/kgの暫定基準値を超え、南相馬市はのきなみ2,000Bq/kgを超えていった。最高は、南相馬市の3,100Bq/kgである。

 主な都府県の月ごとの放射性セシウム濃度の平均を表1に示す。

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 2県しか対前年を比較できないが、福島県で約22%と1/4に減少しているが、宮城県は、Cs134の減衰程度の85%となっている。
 これは、宮城県は検査体制が津波の被害により立ち後れたことにより、1市町村で1箇所程度とサンプル数が少なく、もっと高かったがサンプルされていなかった事が考えられる。
 また、福島県においても、たまたまサンプリングした地域が低く、大幅に下がった結果となったことも考えられる。

 一応、福島県産のt検定を行うと次の通りである。
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有意水準0.01を遙かに下回るほど異なるものとなった。

 2012年に入り、各都県が検査を行ったところであるが、食品の放射性物質の基準値が、1/5となったため、関東各地で、のきなみ出荷制限又は自粛が行われた。
 これは、2011年の11月の放射性物質基準値(案)が発表された時点で予想が付き、汚染範囲が分からず調査数が少ないことを理由に暫定期間延長を行うべきだったと思う。

 2012年12月16日現在の出荷制限は、
福島県 福島市、二本松市、伊達市、本宮市、郡山市、須賀川市、相馬市、南相馬市、いわき市、桑折町、川俣町、三春町、広野町、新地町、大玉村、西郷村
岩手県 一関市、奥州市
宮城県 白石市、栗原市、丸森町
茨城県 石岡市、龍ヶ崎市、北茨城市、取手市、ひたちなか市、潮来市、守谷市、鉾田市、つくばみらい市、小美玉市、茨城町、大洗町、利根町、東海村
栃木県 日光市、大田原市、矢板市、那須塩原市、那須町
千葉県 木更津市、柏市、市原市、船橋市、八千代市、我孫子市、白井市、栄町、芝山町
 出荷自粛は、
茨城県 牛久市、水戸市、土浦市、稲敷市、かすみがうら市及び阿見町
群馬県 渋川市
千葉県 香取市、流山市、印西市
となっている。

3 千葉県産のタケノコの放射性セシウム濃度

 千葉県については、東葛地域がホットスポットとなったこともあり、福島県に次いで検査を行い(2012年だけを考えると最も多く検査している)、他県調査を含め、97回行われている。
 特に船橋市の検査で新基準を超えたものが発見され、市場出荷がなされていた後で、回収が行われたことから、多くの市町村で行われたものと推察される。

 千葉県産のタケノコの放射性セシウム濃度検査結果を、図2に示す。
 また、船橋市、富里市、松戸市が独自に調査したものもマークで分かるように示した。
 なお、発表は市町村単位なので、ポイントを市町村の中心部周辺に、複数の場合は、散らして付けた。
 つまりそのポイントで採れたわけではないことに注意願いたい。

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 外房においては、基準超えが無かったものの、内房や成田まで100Bq/kg超えが検出した。
 また、旭市まで100~125Bq/kg(紫)のタケノコが測定されている。

4 考察

(1)千葉県の放射性物質の降下量


 放射性セシウムの降下量については、千葉県環境研究センター(市原市岩崎西1-8-8)において、測定している。

 これを時系列に示すと図3のとおりである。
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 大半の降下は3月21日の雨の日に起こっており、その後は降雨とともにフォールアウトしている。

 汚染度合いからすると東京都新宿区より降下していることになっている。
 ただし、3月18日からの測定ということで、もっとも関東にプルームが飛来した3月15日は測定されていない。

 汚染図をしめすと図4のとおりである。

図4 千葉県のCs134+Cs137の沈着量   yahoo!ロコより作成。
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 この図をみると、東葛地区は、60~100千Bq/m^2の地区もあるが、大抵は30~60千Bqm^2である。
 また、内房の袖ヶ浦から木更津に掛けて10~30千Bq/m2の地区が存在し、ほぼタケノコの汚染図に似通っている。

(2) 千葉県産のタケノコによる降下量の推定

 市原市の放射性セシウム降下量9,931Bq/m^2と同市のタケノコの放射性セシウム濃度の106Bq/kgから93.7という係数が導き出される。

これから、
栽培地放射性セシウム計Bq/kg降下量推計値Bq/m^2
柏市17015,900
我孫子市16715,600
印西市18016,900
流山市25023,400
と推計される。

 しかし、柏市や流山市は30~60千Bq/m^2降下したことが明らかになっており、推計値はやや低い結果となった。

 この原因として考えられることは、
① 市原市の千葉県環境研究センターの測定場所はやや海側にあり、タケノコが採れた場所は山側にあるので、そのズレが生じた。
② タケノコを採取した場所が、ミニホットスポットだった。
③ 3月15日の放射性プルームが流れた時に乾性沈着したものがある。
などが考えられる。

傾向的には合致するが、詳細を推計するには至らなかった。